日本全国どこも猛暑、私の住む町でも30℃を超える暑さが続いています! 先日、古くからの友人と話をしました。彼女は小学生時代から日記を付けるのを欠かしたことのない人物です。あまり毎日猛暑が続くので、昔の夏はどうだったのか小学校6年生の時に付けた日記を久々に開いたところ「8月15日、ものすごいあつさ、温度計を見たら30℃だ」という記述があったそうです。8月の他のページには暑さについての記述がなかったので、多分1日だけの猛暑日だったのでしょう。僕の記憶でも30℃を超えた日が連日続くのは稀です。そう考えると、日本は熱帯化しており、地球環境もまた大きく変化していることを感じずにはおられません。ということで、こんな猛暑を乗り切る、トロピカル・ハーブティー2種類を紹介しましょう。

写真左のトロピカル・ハーブティーはパイナップルジュースとローゼルティーを使った「バリのサンセット」。写真右は、カルピスとマロウティーにアップルミントのマドラーがアクセントになっている「夜明けのティザーヌ」

紹介するトロピカル・ハーブティーの1つ目は「バリのサンセット」で、パイナップルジュースとローゼルティーを使い、レモングラスのマドラーを添えています。そしてもう1つは「夜明けのティザーヌ」。カルピスとマロウティーにアップルミントのマドラーがアクセントになっています。どちらもちょっと酸味の効いたおしゃれなドリンクで、2層にするのが涼味を感じさせるポイントですが、コツがあります。

作り方

「バリのサンセット」
  1. 長めのグラスにこぶしの3分の1大の氷を2~3個入れる。
  2. 100%のパイナップルジュースをグラスの3分の1注ぐ。
  3. 水出しした(1カップの水にローゼルのドライを大さじ1杯入れ、5分位浸した浸出液)ローゼルティーを氷にすべらすように注ぐ。
  4. レモングラスのマドラーを添える。
  5. カクテルにしたい場合は、テキーラ、ジン、ウォッカなどを加える。
「夜明けのティザーヌ」
  1. 長めのグラスにこぶしの3分の1大の氷を2~3個入れる。
  2. カルピスの原液をグラスの4分の1注ぐ。
  3. 水出しした(1カップの水にマロウのドライを大さじ1杯入れ、5分位浸した浸出液)マロウティーを氷にすべらすように注ぐ。
  4. アップルミントのマドラーを添える。
  5. 飲むときにマドラーでマロウティーとカルピスをかき混ぜると、紫色のマロウティーがカルピスの酸味でピンク色に変化する。

ローゼルティー

ローゼルティーといっても知らない人が大半ですが、ハイビスカスティーといえば「ああ、あの赤い酸っぱいハーブティー、知ってる!」という答えが返ってきます。しかし「どの部位をお茶にするのか知ってる?」と質問すると、大半の人は「赤い花びら」と答えるでしょう。ハイビスカスといえば赤や黄色の花弁を持つ大輪の花を思い浮かべるのではないのでしょうか。しかし実際は、南国に咲くハイビスカスは観賞用。食用種であるハイビスカスの仲間「ローゼル」の赤い果実を乾燥させたものでローゼルティー、いわゆる"ハイビスカスティー"を作ります。

ローゼルティーには、クエン酸やハイビスカス酸、ビタミンC、ミネラル類が多量に含まれており、体内の新陳代謝を高めたり、夏の疲労を回復させるほか、日焼けなどの肌トラブルを癒す効果があります。また、お酒を飲み過ぎた翌朝に飲むと二日酔いに効き、さらに利尿作用でむくみをとってくれます。冷蔵庫で冷やし、麦茶代わりに飲める夏のおすすめドリンクです。

写真はローゼル。樹木ではなく日本では1年草。沖縄はローゼルが栽培・収穫できる北限である

マロウティー

また、マロウティーもローゼルティーと同様に、知らない人が多いハーブティーですが、フランスでは「夜明けのティザーヌ(フランス語でハーブティーのこと)」と呼ばれ、愛飲されています。何故「夜明けのティザーヌ」なのかというと、レモンなどの酸を加えると、マロウに含まれる紫色色素のアントシアニンが酸に反応して明るいピンクに変わる様が、夜明け空のように見えることに由来します。咲いているときは、薄紅色の花弁ですが採取して乾燥させると濃い紫色に変わります。

マロウティーには、ローゼル同様のアントシアニンや多量の粘液質が含まれ、胃や喉の粘膜を保護・修復し、咳も緩和してくれます。また利尿作用がある他、便通を促進し、体内の毒素を排出するのでデトックス効果のあるハーブティーと言えるでしょう。ローゼルもマロウもこれから栽培するのは無理ですが、ハーブショップやインターネット通販で手に入れることができます。是非夏のドリンクとしてお試し下さい。

写真はコモン・マロウ(和名:ウスベニアオイ、学名 : Malva sylvestris、アオイ科多年草)

秘密のハーブ&野菜畑「ラテラ・ファーム」の夏野菜

「ハーブ&おいしい野菜塾」の畑は、すでにご紹介しましたが、僕は「ラテラ・ファーム」というハーブ&野菜畑ももっています。夏野菜が元気に育っていますので見ていただきましょう。

米ナス

米ナスと呼ばれるようにアメリカ種のナスを改良した品種で、握り拳ほどの大きさです。ヘタが緑色なのが特徴です。肉質がしまり、煮くずれしにくいので煮物、炒め物にすると美味しくいただけます。

ズッキーニ

ズッキーニはキューリのように見えますが、実はカボチャの仲間です。緑色のものと、写真のような黄色のイエローズッキーニ種があります。形状も棒状のものだけでなく、空飛ぶ円盤のような扁平円球状もあります。味や食感はナスに似ていて、ナスと同様油との相性がよいので炒め物や煮込み料理にする他、かるく茹でて塩とレモン汁でサラダにします。ニースなどの地中海沿岸地方などでは、ズッキーニの花にチーズを詰めて揚げたフリッターが名物です。

オクラ

オクラはアフリカが原産の熱帯野菜です。ハイビスカスと同じアオイ科なので大輪の花を咲かせ、観賞用としても楽しめます。プランター栽培もできるので来年は是非トライしてみてください。写真のような五角種が市場では一般的ですが、角のない「丸莢種」や莢(さや)が赤い「赤オクラ」などもあります。カルシウムやカロチン、ビタミンC、鉄分を豊富に含みます。また、独特の粘りはペクチンやガラクタンなどの繊維質によるもので、疲れた夏の胃腸を整え、血中コレステロールを下げる働きもあります。

猛暑にも負けずラテラ・ファームの夏野菜は元気いっぱい、たくましく育っています。夏の暑さに負けない方法は、元気な夏野菜のパワーをいただくことだと僕は思っています。皆さんも夏野菜をたっぷり摂って、猛暑を乗り切ってください!