トマトとバジルの定植
前回、培養土を石灰で中和し、元肥を施しました。現在、土はとてもよい状態で苗の植え付けを待っています。まず、トマトを植え付けましょう。ポットから苗を取り出し、根が白く回っているようなら根鉢を崩し、根の先を少し切ってから植え付けます。2本植えの場合、株間は40cm以上ほしいので、プランターの左右に植え付けることになるでしょう。バジルの場合は、市販のものは1つのポットに幼苗が4〜5本入っているものが多いので、細根を傷めないように1本ずつ取り分けます。取り分けたら、2本植えたトマトの株に気をつけながら、プランター全体に株間25cm位で定植します。
植え付けたら、プランターの土が平らになっているか確かめてください。傾斜があったり、窪みがあると水やりの際、全体に水が行きわたらず苗を枯らしてしまうようなことにもなりかねないからです。
水やり
プランターの土が平らになっているか確認できたら、早速水やりをしてください。プランターでの水やりは、どんな植物の場合でもそうですが、土が乾いたらプランターの底から水が流れ出るまでたっぷりと与えることです。ただし、まだ土が湿っている状態で水やりをすると、土中の空気が欠乏して根腐れの原因になります。底から水が流れ出るまで与えるのは、水を土全体に行き渡らせるのと同時に、土中の古い空気を押し出し、新しい空気を入れ換えるためです。この水やり方法は園芸の基本中の基本です。ぜひマスターしてください。
支柱立て&誘引
ミニトマト苗は1m~1.5mに草丈が成長します。ただし、草丈の成長を抑制する矮化剤をかけたミニトマト株の場合、30cm位で草丈が止まって大きくなりません。
草丈が1m~1.5mになると、植えたままでは倒れてしまうので、支柱を立て誘引します。茎を支柱などで支える誘引はビニタイ(細い針金をビニールでコーティングしたもので、植物の枝の誘引などに使う)で行います。支柱にビニタイをかけて8の字を描くように苗の主幹を誘引します。
トマトの苗は今の時期ですと既に脇芽が出ているものが多いので、脇芽をかきとって一本仕立てにします。脇芽を伸ばしてしまうとやたらと枝数が多くなり、日当たりが悪くなります。収穫数も減り、うどん粉病などにかかりやすくなります。
逆にバジルは本葉が8枚くらいになったら、主芯を脇芽の出ているところで摘芯して、脇芽を伸ばします。脇芽が本葉8枚くらいになったら、同様に茎の先端を摘芯。すると、こんもりとした大株に育ち収穫量も多くなります。
ここまでで、定植・水やり・支柱立て・誘因・摘芯が終わりました。しばらくは、直射日光のあたらない場所にプランターを置いて、しっかり根づくのを待ちましょう。その後は、日当たりの良い場所に移します。今後の成長・開花・結実ぶりは暫時掲載しますのでお楽しみに。
スイートバジルのタネ播き
さて、今回は市販のバジルを植え付けましたが、じつは今がバジルの種まきには一番適した時期なんです。バジルは、ジェノヴェーゼ・パスタのソースづくりにかかせないハーブとして、とても重宝されています。それほど大きくないプランターでも育てやすいので、タネ播きにトライしてみてください。
バジルにはいろいろな種類があります。シナモンの香りのするものや、葉のこぶりなブッシュバジルなどがありますが、皆さんにおすすめなのは、スイート・バジルとダーク・オパール・バジルです。この2つのバジルは、日本の青ジソ(スイート・バジル)と赤ジソ(ダーク・オパール・バジル)のような関係にあたります。ダーク・オパール・バジルの枝があれば、酢につけ込んで10日程置いてください。すると、ワイン色で芳香のあるバジル・ビネガーができます。そのビネガーを使ってサラダドレッシングやマリネを作ると、とてもしゃれた味わいが楽しめます。園芸店の種子売り場に行けばお求めになれますので、ぜひ試してみてください。
まずタネ播き用ポットに播種する!
バジルはタネをプランターに直播きする方法も可能ですが、良い苗を作るにはタネ播き用ポットに播種して育苗するのがよいでしょう。タネ播き用ポットは写真のような連結型のセルポットや円筒形のビニール3号ポットが適しています。
まず、播き床土を十分に湿らせます。1ポットに3粒ずつタネを播き、薄く土をかぶせます。そして、再度霧吹きなどで床土を湿らせます。また、湿らせた新聞紙で覆うと湿度が高まり、発芽率がよくなります。バジルは発芽適温が20〜25℃なので、今なら1週間くらいで発芽するでしょう。双葉の後、本葉が2〜3枚出始めたら、1000倍に薄めた液肥を与えると良い苗に成長します。
今回はここまで。次回は「ゴーヤの緑のカーテンでエコライフと収穫を楽しむ!」をお送りします。
イラスト:押金美和