東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏が、月曜~金曜(休日は除く)の東京株式市場を振り返って解説します。
経済キャスターの鈴木ともみです。東京株式市場の今週一週間の相場動向についてお伝えします。日経平均株価の今週末(終値)は前週末比-194円01銭となりました。
今週の高値は9月17日(木)の1万8468円20銭、一方、安値は14日(月)の1万7925円09銭。高安の値幅は543円11銭でした。米FOMCを前に方向感のつかみにくい相場展開となりました。
では、具体的にこの一週間を振り返ってみましょう。
9月14日(月)の東京株式市場は続落しました。前週末の欧米市場が高安まちまちの展開となるなか、東京市場は朝方は買い先行となったものの、すぐに売りが広がり、日経平均株価はマイナスに沈みました。日銀決定会合やFOMCの開催を控え、様子見気分も強まり、積極的な売買は手控えられました。前日に発表された中国の経済指標が低調だったこともあり、上海総合株価指数が軟調に推移すると、後場に入り、日経平均株価も一段安の-339円となる場面もありました。結局、日経平均株価は-298円で大引けを迎えています。TOPIX業種別騰落率は電気・ガス、海運の2業種が上昇。一方、情報・通信、鉱業、保険、証券、その他金融、卸売など31業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに3日続落となっています。
15日(火)の東京株式市場はまちまちの展開となりました。前日の欧米市場がまちまちとなるなか、東京市場は朝方から買いが先行しました。日経平均株価は序盤に節目の1万8000円を回復し、日銀金融決定会合の結果発表を前に、追加緩和への期待が高まるなか、一時、+363円となる場面もありました。その後、昼休みに日銀が金融政策の現状維持を発表すると、緩和期待で買っていた向きから売りが出始め、後場寄り直後に日経平均株価は1万8000円割れとなりました。為替相場がやや円高に振れたこともあり、日経平均株価は上げ幅を縮小し、TOPIXはマイナスに沈むなか大引けを迎えています。TOPIX業種別騰落率は、水産、食品、ゴム、自動車、小売、陸運など15業種が上昇。一方、情報・通信、その他金融、鉄鋼、建設、証券、不動産など18業種が下落。日経平均株価は4日ぶりの反発、TOPIXは4日続落となっています。
16日(水)の東京株式市場は上昇しました。前日の欧米市場が軒並み高となった流れを引き継ぎ、東京市場も朝方から買いが先行しました。為替相場がやや円安に振れたことから輸出関連銘柄を中心に幅広い銘柄に買いが広がり、前場の中ごろには、日経平均株価は一時、+265円となる場面もありました。ただ、買い一巡後は伸び悩み、米FOMCを控えて様子見気分が強まるなか、後場は売買が交錯する展開となりました。結局、日経平均株価は+145円で大引けを迎えています。TOPIX業種別騰落率は、ゴム、空運、自動車、機械、電機、非鉄など18業種が上昇。一方、電気・ガス、その他製品、紙・パルプ、小売、不動産、医薬品など15業種が下落。日経平均株価は続伸、TOPIXは3日ぶりの反発となっています。
17日(木)の東京株式市場は続伸しました。前日の上海市場が4%超の上昇となり、これを受けた欧米市場が堅調に推移し、ダウ工業株30種平均株価は+140ドルと、連日で3ケタの上昇を記録しました。その流れを引き継いだ東京市場も朝方から買いが先行し、日経平均株価、TOPIXともに上昇基調となるなか、日経平均株価は後場の中ごろに一時、+296円となる場面もありました。ただ、米FOMCを前にポジションを中立にするための買い戻しが入る一方、積極的な売買も手控えられ、結局、日経平均株価は+260円で大引けを迎えています。TOPIX業種別騰落率は、証券、鉄鋼、情報・通信、その他金融、電機、鉱業など30業種が下落。一方、薬品、精密、陸運の3業種が下落。日経平均株価は3日続伸、TOPIXは続伸となっています。
18日(金)の東京株式市場は反落しました。米FOMCが事実上のゼロ金利政策の維持を決め、利上げを見送ったことから、利上げ時期を巡る不透明感が残り、東京市場は朝方から売りが先行しました。日経平均株価は前日まで3日続伸となるなか利益確定売りも出やすく、序盤には300円超の下げ幅で推移する場面もありました。後場に入ってからも軟調な流れは変わらず、とは言え、5連休を前に積極的な売買は手控えられ、結局、日経平均株価は-362円で大引けを迎えています。
TOPIX業種別指数は情報・通信の1業種のみが上昇。一方、保険、鉄鋼、銀行、ガラス・土石、陸運、化学、紙・パルプなど32業種が下落。日経平均株価は4日ぶりの反落、TOPIXは3日ぶりの反落となっています。
来週の予定です。9月21日(月)~23日(水)は、国内は祝日で休場となります。23日(水)には海外で9月分の財新中国製造業PMI(購買担当者景気指数)、9月分の米製造業PMI、仏のPMI、独のPMI、ユーロ圏のPMIが発表となります。24日(木)には、国内で8月分の食品スーパー売上高、全国スーパー売上高、コンビニエンスストア売上高が発表されます。25日(金)には8月分の全国、9月分の都区部CPI(消費者物価指数)が発表となります。いずれもぜひチェックしておきたいところです。
執筆者プロフィール : 鈴木 ともみ(すずき ともみ)
経済キャスター・ファィナンシャルプランナー・DC(確定拠出年金)プランナー。著書『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスター。中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、現・ラジオNIKKEIに入社。経済番組ディレクター(民間放送連盟賞受賞番組を担当)、記者を務めた他、映画情報番組のディレクター、パーソナリティを担当、その後経済キャスターとして独立。企業経営者、マーケット関係者、ハリウッドスターを始め映画俳優、監督などへの取材は2,000人を超える。現在、テレビやラジオへの出演、雑誌やWebサイトでの連載執筆の他、大学や日本FP協会認定講座にてゲストスピーカー・講師を務める。