東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏が、月曜~金曜(休日は除く)の東京株式市場を振り返って解説します。
経済キャスターの鈴木ともみです。東京株式市場の今週一週間の相場動向についてお伝えします。日経平均株価の今週末(終値)は前週末比-1083円62銭となりました。
今週の高値は8月17日(月)の2万668円87銭、一方、安値は21日(金)の1万9435円83銭。高安の値幅は1233円04銭でした。リスクオフ・世界株安の流れから日経平均株価は一気に2万円を割り込み、全面安の展開となるなか前週末比-1083円で週末の取引を終えています。
では、具体的にこの一週間を振り返ってみましょう。
8月17日(月)の東京株式市場は反発しました。前週末の米国市場が上昇した流れを引き継ぎ、東京市場も朝方から買いが先行しました。寄付き前に発表された国内の4~6月期のGDP(国内総生産)速報値は、実質で3四半期ぶりにマイナス成長となったものの、マーケットは特に悪材料視せず、小じっかりの展開となりました。ただ、商いは低調で、東証1部の売買代金は4月6日以来、90日ぶりに2兆円を割り込みました。TOPIX業種別株価指数は、その他製品、繊維、食品、ゴム、ガラス・土石、建設など28業種が上昇。一方、石油・石炭、鉱業、不動産、情報・通信、その他金融の5業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに反発となっています。
18日(火)東京株式市場は反落しました。前日の米国市場では、ダウ工業株30種平均株価が景気指標の結果を受けて乱高下したものの、終値ではプラスを維持しました。その後の東京市場では、前日終値付近での小動きで始まり、しばらく売り買いが交錯する展開となりました。その後、高く寄り付いた上海総合株価指数がマイナスに転じ、急速に下げ幅を広げると、日経平均株価も前場の終盤にかけて下落し、マイナスに沈みました。商いも低調で、東証1部の売買高は連日で20億株を割り込んでいます。TOPIX業種別株価指数は、海運、銀行、ゴム、医薬品、保険、電機など15業種が上昇。一方、石油・石炭、鉱業、サービス、情報・通信、精密空運など18業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに反落となっています。
19日(水)の東京株式市場は続落しました。前日の欧米市場が下落した流れを引き継ぎ、東京市場も軟調なスタートとなりました。日経平均株価は前場を通して小安く推移するなか、中国市場で上海総合株価指数が下落すると、ほぼ全面安の展開となり、日経平均株価、TOPIXともに下げ幅を拡大しました。終盤にかけても、切り返す展開にはならず、日経平均株価は終値ベースで、7月13日(2万89円)以来、約1カ月ぶりの安値で大引けを迎えています。TOPIX業種別株価指数は、紙・パルプ、電気・ガス、石油・石炭の3業種が上昇。一方、保険、空運、化学、食品、電機、非鉄など30業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに続落となっています。
20日(木)の東京市場は続落しました。前日に米国で発表された米FOMC議事録では、多くの委員が利上げは近いとの判断を示したものの、全体的にハト派的な内容となり、マーケットの反応は限定的なものとなりました。その後の東京市場では、手掛かり材料難からさえない展開となり、上海市場が下げ幅を広げると、それにつれて、日経平均株価も下げ幅が拡大しました。終盤にかけて一段安となり、結局、日経平均株価はほぼ安値圏で大引けを迎えています。新高値銘柄数も7月9日以来、6週間ぶりに新安値銘柄数を下回りました。日経平均株価TOPIX業種別株価指数は不動産、海運、情報・通信の3業種が上昇。一方、保険、ゴム、鉱業、鉄鋼、卸売、銀行などが下落。日経平均株価、TOPIXともに3日続落となっています。
21日(金)の東京株式市場は続落しました。前日の米国市場では、世界的なリスクオフの流れからダウ工業株30種平均株価が3年9カ月ぶりの下落幅となり、その流れを引き継いだ東京市場も朝方から売りが先行しました。為替がやや円高に振れたこともあり、投資家心理が一気に冷え込み、その後もほぼ全面安の展開となりました。後場に入ってからも、日経平均株価は下げ幅を広げ、終盤にかけては6000円近い下げ幅となり、結局、1万9435円83銭(-597円69銭)で大引けを迎えています。TOPIX業種別指数は石油・石炭、鉱業、卸売、紙・パルプ、小売、食料品、非鉄、建設など全33業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに4日続落となっています。
来週の予定です。8月24日(月)には、6月分の景気動向指数改定値が発表となります。25日(火)には8月分の月例経済報告が発表されます。27日(木)には、米カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウムが開催されます。28日(金)には7月分の全国、8月分の都区部CPI(消費者物価指数)、7月分の完全失業率、有効求人倍率、家計調査が発表となります。いずれもぜひチェックしておきたいところです。
執筆者プロフィール : 鈴木 ともみ(すずき ともみ)
経済キャスター・ファィナンシャルプランナー・DC(確定拠出年金)プランナー。著書『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスター。中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、現・ラジオNIKKEIに入社。経済番組ディレクター(民間放送連盟賞受賞番組を担当)、記者を務めた他、映画情報番組のディレクター、パーソナリティを担当、その後経済キャスターとして独立。企業経営者、マーケット関係者、ハリウッドスターを始め映画俳優、監督などへの取材は2,000人を超える。現在、テレビやラジオへの出演、雑誌やWebサイトでの連載執筆の他、大学や日本FP協会認定講座にてゲストスピーカー・講師を務める。