東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏が、月曜~金曜(休日は除く)の東京株式市場を振り返って解説します。
経済キャスターの鈴木ともみです。東京株式市場の今週一週間の相場動向についてお伝えします。日経平均株価の今週末(終値)は前週末比+40円71銭となりました。
今週の高値は7月31日(金)の2万585円24銭、一方、安値は7月28日(火)の2万70円62銭。高安の値幅は514円62銭でした。日経平均株価は週前半の下げ幅を後半の2日間で切り返す展開となりました。
では、具体的にこの一週間を振り返ってみましょう。
7月27日(月)の東京株式市場は続落しました。前週末の欧米市場が下落した流れを引き継ぎ、東京市場も朝方から売りが先行しました。日経平均株価は節目の2万500円を下回って始まり、その後は中国市場で上海総合株価指数が急落するのにつれて一段安となり、2週間ぶりに2万300円を割り込む場面もありました。結局、日経平均株価は-194円で大引けを迎えています。TOPIX業種別株価指数は、海運、ゴム、鉱業の3業種が上昇。一方、その他金融、その他製品、化学、紙・パルプ、電気・ガス、医薬品、証券など30業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに続落となっています。
7月28日(火)の東京株式市場は続落しました。前日の上海市場の急落を受け、欧米市場も軟調に推移し、その流れを引き継いだ東京市場も朝方から下落して始まりました。中国市場で上海総合株価指数が-4%安で取引が始まると、日経平均株価も下げ幅を広げ、一時は-279円となる場面もありました。その後、後場に入ってから上海市場が落ち着きを見せ始めると、日経平均株価もプラス圏に浮上しました。その後、終盤にかけては一進一退の展開となり、結局、日経平均株価は-21円で大引けを迎えています。TOPIX業種別株価指数は、水産、電気・ガス、食品、その他金融、紙・パルプ、情報・通信など10業種が上昇。一方、海運、銀行、機械、自動車、保険、鉄鋼など22業種が下落。サービスは変わらず。日経平均株価、TOPIXともに3日続落となっています。
7月29日(水)の東京株式市場はまちまちの展開となりました。前日の欧米市場が堅調に推移した流れを引き継ぎ、東京市場も朝方は買いが先行しました。ただその後、日経平均株価はすぐに下落に転じ、前場の終盤には-123円となる場面もありました。後場に入ると、上海市場やFOMCの結果を見極めたいとする向きも強く、様子見から上値も下値も限られ、結局、日経平均株価は-25円で大引けを迎えています。TOPIX業種別株価指数は、情報・通信、小売、精密、食品、保険、倉庫など23業種が上昇。一方、電機、海運、機械、ゴム、不動産、空運など10業種が下落。
日経平均株価は4日続落、TOPIXは4日ぶりの反発となっています。
7月30日(木)の東京株式市場は上昇しました。前日に開催された米FOMCが、ゼロ金利政策の維持を決定したことから、米国市場は堅調に推移しました。その流れを引き継いだ東京市場も買いが先行し、前日までの軟調な流れから一変して大幅高の展開となりました。好決算を発表した主力銘柄に買いが入り、日経平均株価は4日ぶりに2万500円を回復し、+219円で大引けを迎えています。東証1部の売買代金は7月10日のSQ算出日以来の3兆円超えとなりました。TOPIX業種別株価指数は、鉄鋼、証券、ゴム、石油・石炭、鉱業、非鉄、その他製品など27業種が上昇。一方、医薬品、電機、水産、陸運、紙・パルプ、食品の6業種が下落。日経平均株価は5日ぶりの反発、TOPIXは続伸となっています。
7月31日(金)の東京株式市場は続伸しました。前日の米国市場がまちまちの展開となるなか、東京市場も日経平均株価はマイナス、TOPIXはプラスでスタートしました。ファーストリテイリングやファナックなど日経平均株価への寄与度の高い銘柄が下落し、相場全体を押し下げるなか、好業績銘柄には買いが集まりやすく、前場中ごろに日経平均株価はプラスに浮上しました。ただ、さらに上値を追う材料も見当たらず、後場に入ってからも小幅高での推移が続き、結局、日経平均株価は+62円で大引けを迎えています。TOPIX業種別指数は電気・ガス、その他金融、空運、陸運、倉庫など27業種が上昇。一方、証券、情報・通信、鉄鋼など6業種が下落。日経平均株価は続伸、TOPIXは3日続伸となっています。
来週の予定です。8月3日(月)には、7月分の新車販売台数、軽自動車販売台数が発表となります。8月4日(火)にはトヨタが、8月6日(木)にはソフトバンクが4月~6月期決算を発表します。また、8月6日(木)と8月7日(金)には日銀金融政策決定会合が開催されます。8月7日(金)には米国で7月分の雇用統計が発表されます。いずれもぜひチェックしておきたいところです。
執筆者プロフィール : 鈴木 ともみ(すずき ともみ)
経済キャスター・ファィナンシャルプランナー・DC(確定拠出年金)プランナー。著書『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスター。中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、現・ラジオNIKKEIに入社。経済番組ディレクター(民間放送連盟賞受賞番組を担当)、記者を務めた他、映画情報番組のディレクター、パーソナリティを担当、その後経済キャスターとして独立。企業経営者、マーケット関係者、ハリウッドスターを始め映画俳優、監督などへの取材は2,000人を超える。現在、テレビやラジオへの出演、雑誌やWebサイトでの連載執筆の他、大学や日本FP協会認定講座にてゲストスピーカー・講師を務める。