東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏が、月曜~金曜(休日は除く)の東京株式市場を振り返って解説します。
経済キャスターの鈴木ともみです。東京株式市場の今週一週間の相場動向についてお伝えします。日経平均株価の今週末(終値)は前週末比+871円09銭となりました。
今週の高値は7月17日(金)の2万658円95銭、一方、安値は13日(月)の1万9911円39銭。高安の値幅は747円56銭でした。日経平均株価、TOPIXともに下落した日が一日もない、連騰した一週間となりました。
では、具体的にこの一週間を振り返ってみましょう。
7月13日(月)の東京株式市場は上昇しました。前週末の欧米市場が堅調に推移するなか、ギリシャ議会が年金削減や増税などの改革案を承認したことから、東京市場は朝方から買いが先行しました。前場中ごろに中国市場が始まり、上海総合株価指数がしっかりの展開になるのにつれて、日経平均株価も上げ幅を拡大し、2万円台を回復しました。昼休み時間中にギリシャ問題が合意に向かっているとの報道が伝わると、後場に入ってから一段高となり、高値圏で推移したまま、結局、日経平均株価は+309円で大引けを迎えています。TOPIX業種別株価指数は空運、電気・ガス、陸運、水産、小売、食品、保険など32業種が上昇。鉱業の1業種のみが下落。日経平均株価は反発、TOPIXは続伸となっています。
14日(火)の東京株式市場は続伸しました。ギリシャとEUが金融支援の継続で合意したとの結果を受け、前日の欧米市場は上昇しました。その流れを引き継いだ東京市場も朝方から上昇して始まり、ほぼ全面高の展開となりました。後場の終盤に日経平均株価は上げ幅を縮小する場面が見られたものの、売りが膨らむことはなく、結局、+295円で大引けを迎えています。TOPIX業種別株価指数は、証券、非鉄、ゴム、鉄鋼、石油・石炭、紙・パルプなど全33業種が上昇。日経平均株価は続伸、TOPIXは3日続伸となっています。
15日(水)の東京株式市場は続伸しました。 ギリシャ情勢の一服感から前日の欧米市場は上昇し、東京市場も朝方から買いが先行しました。前場序盤に日経平均株価の上げ幅は、100円を超える場面もあったものの、その後は上値の重い展開となり、日銀が金融政策の現状維持を決定したとの報道が伝わるなか、後場は膠着相場となりました。結局、日経平均株価の高安の値幅は95円と、狭いレンジでの小動きのまま、+78円で大引けを迎えています。TOPIX業種別株価指数は、医薬品、精密機器、食品、倉庫、その他製品、陸運、鉱業など24業種が上昇。一方、非鉄、鉄鋼、その他金融、ゴム、証券、卸売など9業種が下落。日経平均株価は3日続伸、TOPIXは4日続伸となっています。
16日(木)の東京株式市場は続伸しました。前日の欧米市場はまちまちの展開だったものの、ギリシャ議会が財政改革法案を可決したとの報道が伝わり、東京市場は朝方から買いが先行しました。為替が円安に振れたこともあり、日経平均株価は上げ幅を広げ、大引け前に+149円となる場面もありました。結局、日経平均株価は2万600円台にのせて大引けを迎えています。
TOPIX業種別株価指数はその他製品、電気・ガス、情報通信、小売、サービスなど29業種が上昇。一方、鉱業、鉄鋼、金属、海運の4業種が下落。日経平均株価は4日続伸、TOPIXは5日続伸となっています。
17日(金)の東京株式市場は続伸しました。前日の米国市場ではナスダック総合株価指数が過去最高値を更新するなど、堅調に推移した流れを引き継ぎ、東京市場も朝方から買いが先行しました。為替が円安に振れたこともあり、日経平均株価は小高く推移しました。ただ、3連休を前に持ち高調整の売りも出やすく、上値の重い展開となりました。終盤になってからも国内の4-6月期決算発表を前に様子見ムードが強く小幅な値動きのなか、結局、日経平均株価は+50円で大引けを迎えています。TOPIX業種別指数は保険、その他製品、銀行、海運、水産、空運など19業種が上昇。一方、鉱業、紙・パルプ、非鉄、輸送、倉庫など14業種が下落。日経平均株価は5日続伸、TOPIXは6日続伸となっています。
来週の予定です。7月20日(月)は、祝日となります。21日(火)には5月分の景気動向指数確定値が発表されます。また、6月分と1月~6月分の粗鋼生産量と百貨店売上高、6月分のコンビニエンス売上高が発表となります。22日(水)には6月分と1月~6月分の全国スーパー売上高が発表されます。24日(金)には中国で、7月分のHSBC中国製造業購買担当者景気指数(PMI)が発表されます。また欧州では、7月分のユーロ圏PMIが発表となります。いずれもぜひチェックしておきたいところです。
執筆者プロフィール : 鈴木 ともみ(すずき ともみ)
経済キャスター・ファィナンシャルプランナー・DC(確定拠出年金)プランナー。著書『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスター。中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、現・ラジオNIKKEIに入社。経済番組ディレクター(民間放送連盟賞受賞番組を担当)、記者を務めた他、映画情報番組のディレクター、パーソナリティを担当、その後経済キャスターとして独立。企業経営者、マーケット関係者、ハリウッドスターを始め映画俳優、監督などへの取材は2,000人を超える。現在、テレビやラジオへの出演、雑誌やWebサイトでの連載執筆の他、大学や日本FP協会認定講座にてゲストスピーカー・講師を務める。