東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏が、月曜~金曜(休日は除く)の東京株式市場を振り返って解説します。

株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏((C) サコカメラ)


経済キャスターの鈴木ともみです。東京株式市場の今週一週間の相場動向についてお伝えします。日経平均株価の今週末(終値)は前週末比-232円84銭となりました。

今週の高値は6月15日(月)の2万401円48銭、一方、安値は18日(木)の1万9990円55銭。高安の値幅は410円93銭でした。17日(木)の日経平均株価は1カ月ぶりに終値ベースで2万円を割りこんでいます。

では、具体的にこの一週間を振り返ってみましょう。

6月15日(月)の東京株式市場はまちまちの展開となりました。前週末の海外市場がギリシャ情勢に対する警戒感が再浮上し下落した流れを引き継ぎ、東京市場も朝方から売りが先行しました。日経平均株価の下げ幅は、一時、-201円となる場面もありました。その後、下値では押し目買いも入りやすく、断続的な買いが入るなか、TOPIXは終盤にかけて上昇しプラスに転換しました。ただ、FOMCや日銀決定会合など大きなイベントを控え、大型株への買い意欲は限定的なものとなり、新興銘柄や小型のテーマ株が買われ、売買高も低水準となりました。TOPIX業種別株価指数は、保険、不動産、その他金融、繊維、小売など11業種が上昇。一方、鉱業、紙・パルプ、石油・石炭、ガラス・土石、証券など21業種が下落。卸売は変わらず。日経平均株価は3日ぶりの反落、TOPIXは3日続伸となっています。

16日(火)の東京株式市場は下落しました。前日の海外市場では、ギリシャへの金融支援の不透明感が強まったとして、下落しました。その流れを引き継いだ東京市場も朝方から売りが先行し、日経平均株価の下げ幅は一時、-153円となる場面もありました。FOMCや日銀金融政策決定会合を控え、様子見姿勢もあるなか、先物に売りが断続的に出始め、先物につれて日経平均株価も下落する展開となりました。前場の終盤に入り、アジア市場が軟調に推移すると日経平均株は下げ幅を広げ、後場も弱い基調となり、結局、-129円で大引けを迎えています。TOPIX業種別株価指数は、電気・ガス、食料品、ガラス・土石、空運の4業種が上昇。一方、銀行、海運、鉄鋼、紙・パルプ、鉱業、機械など29業種が下落。日経平均株価は続落、TOPIXは4日ぶりの反落となっています。

17日(水)の東京株式市場は続落しました。前日の欧米市場が堅調に推移した流れを引き継ぎ、東京市場も朝方は上昇して始まりました。その後、日経平均株価の上げ幅は縮小し、前場中ごろにはマイナスに沈みました。FOMCやユーロ圏財務相会合、日銀決定会合などの重要イベントを控え、様子見も漂うなか、主力銘柄への買いも入りにくく、結局、日経平均株価は-38円で大引けを迎えています。東証1部の売買高は3日連続で20億株を下回りました。TOPIX業種別株価指数は、精密、小売、食料品、石油・石炭、証券の5業種が上昇。一方、鉄鋼、倉庫、電気・ガス、海運、その他製品、不動産、金属など28業種が下落。日経平均株価は3日続落、TOPIXは続落となっています。

18日(木)の東京株式市場は続落しました。前日のFOMCを受けて利上げのペースを急がないとの見方が強まり、為替市場ではドル売り・円買いが加速しました。円高につれて日経平均株価も徐々に下げ幅を拡大し、後場中ごろには先物安につれて日経平均株価も2万円を下回って推移しました。円高、債券高、株安が連動し、長期金利は一時0.435%と2週間ぶりの低水準となるなか、日経平均株価は終値ベースで5月18日以来1カ月ぶりに2万円割れとなっています。TOPIX業種別株価指数は、電気・ガスの1業種のみ上昇。一方、空運、石油・石炭、保険、証券、自動車、不動産など22業種が下落。日経平均株価は4日続落、TOPIXは3日続落となっています。

19日(金)の東京株式市場は反発しました。前日の米国市場ではナスダック総合株価指数が過去最高値を更新するなど、堅調に推移した流れを引き継ぎ、東京市場も朝方から買いが先行しました。為替がやや円安に振れたこともあり、輸出関連銘柄を中心に買いが広がりました。その後、昼休み中に日銀金融政策決定会合で金融政策の現状維持が決定されたものの、相場への影響は限定的なものとなりました。後場は総じて高値圏でのもみ合いが続き、結局、日経平均株価は+183円で大引けを迎えています。TOPIX業種別指数は繊維、ゴム、海運、紙・パルプ、水産、食料品など28業種が上昇。一方、鉱業、石油・石炭、ガスなど5業種が下落。日経平均株価は5日ぶりの反発、TOPIXは4日ぶりの反発となっています。

来週の予定です。6月22日(月)には、5月分の全国スーパー売上高、コンビニエンスストア売上高が発表となります。23日(火)にはシャープの株主総会が開催されます。中国では、6月分のHSBC中国製造業購買担当者景気指数(PMI)が発表されます。24日(水)にはドイツで6月分のIfo企業景況感指数が発表となります。25日(木)には、東芝の株主総会が開催されます。26日(金)には5月分の全国、6月分の都区部CPI(消費者物価指数)、5月分の完全失業率、有効求人倍率、家計調査が発表となります。いずれもぜひチェックしておきたいところです。

執筆者プロフィール : 鈴木 ともみ(すずき ともみ)

経済キャスター・ファィナンシャルプランナー・DC(確定拠出年金)プランナー。著書『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスター。中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、現・ラジオNIKKEIに入社。経済番組ディレクター(民間放送連盟賞受賞番組を担当)、記者を務めた他、映画情報番組のディレクター、パーソナリティを担当、その後経済キャスターとして独立。企業経営者、マーケット関係者、ハリウッドスターを始め映画俳優、監督などへの取材は2,000人を超える。現在、テレビやラジオへの出演、雑誌やWebサイトでの連載執筆の他、大学や日本FP協会認定講座にてゲストスピーカー・講師を務める。