東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏が、月曜~金曜(休日は除く)の東京株式市場を振り返って解説します。

株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏((C) サコカメラ)


経済キャスターの鈴木ともみです。東京株式市場の今週一週間の相場動向についてお伝えします。日経平均株価の今週末(終値)は前週末比-102円25銭となりました。

今週の高値は6月2日(火)の2万619円61銭、一方、安値は5日(金)の2万363円18銭。高安の値幅は256円43銭でした。日経平均株価は週初に27年3カ月ぶりの12連騰を記録した後、小幅な値動きの展開となりました。

では、具体的にこの一週間を振り返ってみましょう。

6月1日(月)の東京株式市場は12日続伸しました。前週末の海外市場が下落した流れを引き継ぎ、東京市場も朝方は主力株中心に売りが先行、前場中ごろの日経平均株価は一時、-152円となる場面もありました。ただ、その後は日銀のETF(上場投資信託)買い観測などから下げ幅は縮小し、後場中ごろには、TOPIX、日経平均株価の順でプラス圏へと浮上しました。終盤は持ち直したままの展開が続き、結局、日経平均株価は+6円と、小幅高で大引けを迎え12連騰となっています。

12連騰は、1988年2月10日-27日(13連騰)以来27年3カ月ぶり、TOPIXは2009年7月16日-8月4日(13連騰)以来5年10カ月ぶりの記録となります。さらに、東証1部の時価総額は終値ベースで601兆5859億円と、初の600兆円台に達しました。TOPIX業種別株価指数は、その他金融、電気・ガス、水産、繊維、保険、銀行、石油・石炭など25業種が上昇。一方、空運、海運、自動車、不動産、陸運、小売など8業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに12日続伸となっています。

2日(火)の東京株式市場は13日ぶりに反落しました。前日に米国で発表された5月分のISM製造業景況感指数などの経済指標が市場予想を上回り、年内の利上げ観測が高まったとして、為替相場では、ドル高・円安が進みました。ドル・円相場は一時、1ドル=125円台に乗せる場面もあり、朝方の東京市場は円安を好感した買いが優勢となりました。ただ、その後は利益確定売りに押され、後場に入ると、日経平均株価はマイナス圏に沈み、序盤には一時、-145円となる場面もありました。一方、下値では押し目買いが入りやすく、下げ渋る展開となり、結局、日経平均株価は-26円で大引けを迎えています。TOPIX業種別株価指数は、電気・ガス、医薬品、繊維、非鉄、情報通信、小売、化学など12業種が上昇。一方、空運、ゴム、銀行、証券、鉱業、海運、保険など21業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに連騰記録は12で途絶え、13日ぶりの反落となっています。

3日(水)の東京株式市場は続落しました。前日の米国市場が下落した流れを引き継ぎ、東京市場も朝方から売りが優勢となりました。豪GDP(国内総生産)の結果が市場予想を上回り、為替市場で豪ドル買い・米ドル売りが進んだことから、ドル・円相場もドル安・円高に振れ、日経平均株価は軟調に推移しました。ただ、下値では押し目買いが入りやすく、マイナス圏で推移しながらも、終日、底値の堅い展開となりました。TOPIX業種別株価指数は、石油・石炭、紙・パルプ、金属、鉄鋼、保険、卸売、非鉄など15業種が上昇。一方、ゴム、不動産、食品、空運、医薬品、陸運、電気・ガスなど18業種が下落。

日経平均株価、TOPIXともに続落となっています。

4日(木)の東京株式市場は3日ぶりに反発しました。前日の海外市場が堅調に推移した流れを引き継ぎ、東京市場も朝方から買いが先行しました。その後は週末に米雇用統計やOPEC(石油輸出国機構)総会などの重要イベントを控え、上値の重い展開が続き、後場の中ごろに上海市場が急落すると、東京市場も先物売りにつれて日経平均株価もマイナスに沈みました。終盤にかけては、前日終値を挟んでの揉み合いが続き、結局、日経平均株価は+14円で大引けを迎えています。TOPIX業種別株価指数は、保険、証券、ガラス・土石、銀行、金属、空運、その他製品など17業種が上昇。一方、水産、電気・ガス、ゴム倉庫、陸運、サービス、医薬品など16業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに3日ぶりの反発となっています。

5日(金)の東京株式市場は反落しました。前日の米国市場が下落した流れを引き継ぎ、東京市場も朝方から売りが先行しました。日経平均株価の下げ幅は一時、-125円となる場面もあり、軟調に推移しました。後場に入ると、米雇用統計の発表を控え、様子見気分から小幅な値動きが続きました。ただ、下値では日銀によるETF買い期待も根強く、終盤は下げ渋る展開となり、結局、日経平均株価は-27円で大引けを迎えています。

TOPIX業種別指数は陸運、空運、食料品、精密など6業種が上昇。一方、保険、その他金融、銀行、石油・石炭、卸売、証券など27業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに反落となっています。

来週の予定です。まず週末の6月7日(日)~8日(月)までG7サミット(主要7カ国首脳会議)がドイツで開催されます。8日(月)には、国内で1月~3月期のGDP改定値、5月分の景気ウォッチャー調査が発表となります。9日(火)には中国で5月分のCPI(消費者物価指数)が発表されます。10日(水)には4月分の機械受注統計が発表となります。12日(金)は、4月分の鉱工業生産指数の確報値が発表される他、メジャーSQ算出日となっています。いずれもぜひチェックしておきたいところです。

執筆者プロフィール : 鈴木 ともみ(すずき ともみ)

経済キャスター・ファィナンシャルプランナー・DC(確定拠出年金)プランナー。著書『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスター。中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、現・ラジオNIKKEIに入社。経済番組ディレクター(民間放送連盟賞受賞番組を担当)、記者を務めた他、映画情報番組のディレクター、パーソナリティを担当、その後経済キャスターとして独立。企業経営者、マーケット関係者、ハリウッドスターを始め映画俳優、監督などへの取材は2,000人を超える。現在、テレビやラジオへの出演、雑誌やWebサイトでの連載執筆の他、大学や日本FP協会認定講座にてゲストスピーカー・講師を務める。