東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏が、月曜~金曜(休日は除く)の東京株式市場を振り返って解説します。
経済キャスターの鈴木ともみです。東京株式市場の今週一週間の相場動向についてお伝えします。日経平均株価の今週末(終値)は前週末比-488円41銭となりました。
今週の高値は4月28日(火)の2万133円78銭、一方、安値は5月1日(金)の1万9399円16銭。高安の値幅は734円62銭でした。4月30日(木)の日経平均株価は今年最大の下げ幅となっています。
では、具体的にこの一週間を振り返ってみましょう。
4月27日(月)の東京株式市場は高安まちまちの展開となりました。寄付きは買い優勢で始まったものの、本格化する主力企業の決算発表を見極めたいとする向きも強く、序盤にマイナスに沈みました。FOMC(米公開市場委員会)や日銀金融政策決定会合、GW連休を控え、ボリュームは膨らまず、東証1部の売買高は8日ぶりに20億株を下回りました。ただ、下値では押し目買いも入りやすく、売り買いが交錯するなか、結局、日経平均株価は1万9983円(-36円)と、4日ぶりに2万円割れの水準で大引けを迎えています。一方、東証2部指数、日経ジャスダック平均株価は年初来高値を更新しました。TOPIX業種別株価指数は、紙・パルプ繊維、空運、その他金融、ガラス・土石、小売など18業種が上昇。一方、鉱業、海運、保険、自動車、鉄鋼、不動産など15業種が下落。日経平均株価は続落、TOPIXは反発となっています。
28日(火)の東京株式市場は上昇しました。
東京市場は調整が一巡した感もあり、朝方から買いが先行しました。主力企業の決算発表が本格化するなか、業績拡大期待も依然として強く、大型株、値がさ株への買いが相場全体を押し上げました。ただ、米FOMCや日銀金融政策決定会合を控え、上値を追う展開にはならず、結局、日経平均株価は+75円で大引けを迎えています。TOPIX業種別株価指数は、鉱業、保険、精密自動車、機械、ガラス・土石、卸売など24業種が上昇。一方、金属、その他金融、医薬品、空運、電気、繊維など9業種が下落。日経平均株価は反発、TOPIXは続伸となっています。
30日(木)の東京株式市場は反落しました。前日の米国市場では、1-3月期のGDP(国内総生産)速報値が市場予想を下回り、ダウ工業株30種平均株価、ナスダック総合株価指数ともに下落しました。その流れを引き継いだ東京市場も主力銘柄を中心に朝方から売りが先行しました。週末からの大型連休を控え、持ち高調整の動きもあるなか、後場に入り午後1時すぎに、日銀金融政策決定会合で金融政策の現状維持が発表されると、追加の量的緩和期待があった反動から、さらに売りが膨らみました。終盤にかけて一段安となり、結局、日経平均株価の下げ幅は-538円と、1月6日(-525円)を上回り、今年最大の下落となっています。
TOPIX業種別指数は、海運、鉱業の2業種のみが上昇。一方、情報・通信、精密、食料品、化学、保険、その他金融、陸運など31業種が下落。日経平均株価は反落、TOPIXは3日ぶりの反落となっています。
5月1日(金)の東京株式市場はまちまちとなりました。前日の米国市場が下落した流れを引き継ぎ、東京市場も朝方から売りが先行しました。アジアの主要国の市場が休場ということもあり、手掛かり材料難から、日経平均株価はじりじりと下落する展開が続きました。大型連休を前に手じまい売りが広がるなか、終盤は持ち直し、結局、日経平均株価は+11円で大引けを迎えています。TOPIX業種別指数は食料品、医薬品、非鉄、ガラス・土石など4業種が上昇。一方、不動産、倉庫、金属製品、海運、電気・ガス、銀行など29業種が下落。日経平均株価は反発、TOPIXは続落となっています。
来週の予定です。日本はGW連休となり、5月7日(木)と8日(金)の2日間のみの取引となります。5日(火)には米国で3月分の貿易収支が発表となります。6日(水)にはFRB(米連邦準備制度理事会)イエレン議長が講演します。7日(木)は国内でファーストリテイリングが4月分のユニクロ売上高を発表します。8日(金)にはオプションSQ(特別清算指数)が算出されます。米国では4月分の雇用統計が発表となります。いずれもぜひチェックしておきたいところです。
執筆者プロフィール : 鈴木 ともみ(すずき ともみ)
経済キャスター・ファィナンシャルプランナー・DC(確定拠出年金)プランナー。著書『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスター。中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、現・ラジオNIKKEIに入社。経済番組ディレクター(民間放送連盟賞受賞番組を担当)、記者を務めた他、映画情報番組のディレクター、パーソナリティを担当、その後経済キャスターとして独立。企業経営者、マーケット関係者、ハリウッドスターを始め映画俳優、監督などへの取材は2,000人を超える。現在、テレビやラジオへの出演、雑誌やWebサイトでの連載執筆の他、大学や日本FP協会認定講座にてゲストスピーカー・講師を務める。