東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏が、月曜~金曜(休日は除く)の東京株式市場を振り返って解説します。
経済キャスターの鈴木ともみです。東京株式市場の今週一週間の相場動向についてお伝えします。日経平均株価の今週末(終値)は前週末比+367円16銭となりました。
今週の高値は4月23日(木)の2万252円12銭、一方、安値は20日(月)の1万9474円23銭。高安の値幅は777円89銭でした。週末の日経平均株価は2万円を維持して取引を終了しています。
では、具体的にこの一週間を振り返ってみましょう。
4月20日(月)の東京株式市場は続落しました。ギリシャの債務問題が再浮上していることから、前週末の欧米市場は大幅に下落しました。その流れを引き継いだ東京市場も朝方から売り先行で始まりました。その後、前場中ごろに売りが一巡するなか、空売り規制の緩和による需給悪化懸念が出ていた中国市場が上昇に転じると、東京市場も買いが優勢となりました。後場に入ると買いが広がり、日経平均株価は+72円となる場面があったものの、終盤に上海市場が下落に転じたのにつれてマイナスに沈み、結局-18円で大引けを迎えています。TOPIX業種別株価指数は、空運、医薬品、海運、食料品、電機の5業種が上昇。一方、不動産、金属、証券、その他金融、ガラス・土石、卸売、水産など27業種が下落。銀行は変わらず。
日経平均株価、TOPIXともに続落となっています。
21日(火)の東京株式市場は反発しました。前日の米国市場が大幅高となった流れを引き継ぎ、東京市場も朝方から買いが先行しました。為替がやや円安に振れたことや中国人民銀行による金融緩和を好感し、日経平均株価は徐々に上げ幅を広げました。後場に入ってからも大型株を中心に堅調な展開が続き、終盤には一段高となり、結局、日経平均株価は高値引けとなっています。TOPIXは2007年11月以来、7年5ヵ月ぶりに1600ポイント台を回復しています。TOPIX業種別株価指数は、その他金融、保険、ゴム、電気・ガス、陸運、銀行、化学、サービスなど32業種が上昇。一方、海運の1業種のみが下落。
日経平均株価、TOPIXともに3日ぶりの反発となっています。
22日(水)の東京株式市場は続伸しました。前日の海外市場がまちまちの展開となるなか、シカゴCME日経平均先物が2万5円で戻ってきた流れから、東京市場も買いが広がり、日経平均株価は序盤に2万円を回復しました。その後も、30日に開催される日銀金融政策決定会合で、追加の金融緩和が決定されるとの思惑もあり、じりじりと上げ幅を広げました。後場に入ってからも買いの勢いは続き、日経平均株価は高値圏で推移し、2000年4月14日以来、15年ぶりに終値ベースで2万円を回復しています。TOPIX、JPX日経インデックス400も年初来高値を更新しました。
TOPIX業種別株価指数は、証券、銀行、その他金融、保険、空運、ガラス・土石など28業種が上昇。一方、鉱業、鉄鋼、石油・石炭、陸運、ゴムの5業種が下落。
日経平均株価、TOPIXともに続伸となっています。
23日(木)の東京株式市場は3日続伸しました。前日の米国市場が上昇した流れを引き継ぎ東京市場も朝方から買いが先行しました。前場の日経平均株価は2万200円近辺で推移し、後場中ごろまでしっかりの展開となりました。ただ、黒田日銀総裁が参議員財務金融委員会で「サプライズで(金融緩和)効果を出すことは考えていない」と発言したとの報道が伝わり、30日の追加緩和観測が後退し、為替がやや円高に振れるなか、日経平均株価、TOPIXともに、マイナスに沈む場面もありました。その後、終盤は持ち直し、今一度プラス圏に浮上する流れとなり、結局、日経平均株価は+53円で大引けを迎えています。TOPIX業種別株価指数は、海運、証券、鉱業、卸売、金属、精密、食料品など22業種が上昇。一方、ゴム、その他製品、銀行、化学、その他金融など11業種が下落。
日経平均株価、TOPIXともに3日続伸となっています。
24日(金)の東京株式市場は反落しました。前日の米国市場が上昇するなか、東京市場は利益確定売りが先行し、下落して始まりました。来週から本格化する決算発表を見極めたいとする向きも強く、相場全体に売りが広がりました。ただ、日経平均株価は2万円に近付くと押し目買いが入り、終始、2万円台を維持して推移しました。TOPIXともに高値引けとなっています。TOPIX業種別指数は鉱業、石油・石炭、繊維、電気・ガス、その他製品など8業種が上昇。一方、空運、その他金融、不動産、倉庫、海運など25業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに4日ぶりの反落となっています。
来週の予定です。来週から決算発表が本格化します。4月27日(月)にはコマツ、ファナック、京セラ、東京エレクトロン、資生堂、28日(火)には川崎重工業、デンソー、NTTドコモ、ホンダ、新日鉄住金、OLC、パナソニック、東京電力、30日(木)には海運各社、富士通、ソニー、JAL、ANA、富士フイルム、野村HDなどが決算発表を行います。また、30日(木)には金融政策決定会合の結果が発表されます。
5月1日(金)には、3月分と2014年度分の全国CPI、4月分の都区部CPI、3月分と2014年度分の完全失業率、3月分と2014年度分の有効求人倍率、3月分の家計調査が発表となります。いずれもぜひチェックしておきたいところです。
執筆者プロフィール : 鈴木 ともみ(すずき ともみ)
経済キャスター・ファィナンシャルプランナー・DC(確定拠出年金)プランナー。著書『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスター。中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、現・ラジオNIKKEIに入社。経済番組ディレクター(民間放送連盟賞受賞番組を担当)、記者を務めた他、映画情報番組のディレクター、パーソナリティを担当、その後経済キャスターとして独立。企業経営者、マーケット関係者、ハリウッドスターを始め映画俳優、監督などへの取材は2,000人を超える。現在、テレビやラジオへの出演、雑誌やWebサイトでの連載執筆の他、大学や日本FP協会認定講座にてゲストスピーカー・講師を務める。