東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏が、月曜~金曜(休日は除く)の東京株式市場を振り返って解説します。
経済キャスターの鈴木ともみです。東京株式市場の今週一週間の相場動向についてお伝えします。日経平均株価の今週末(終値)は前週末比+149円45銭となりました。
今週の高値は3月31日(火)の1万9607円25銭、一方、安値は4月1日(水)の1万8927円95銭。高安の値幅は679円30銭でした。日経平均株価は週半ばに1万9000円割れとなる場面があったものの、週末には1万9400円台を回復しています。
では、具体的にこの一週間を振り返ってみましょう。
3月30日(月)の東京株式市場は反発しました。前週末の米国市場が上昇した流れを引き継ぎ東京市場も買い優勢で始まりました。ただ序盤は2月分の鉱工業生産指数の速報値が前月比-3.4%と、市場予想(-1.8%)を大幅に下回ったことなどから、すぐにマイナスに沈み、その後また切り返すなど、前場はプラス圏とマイナス圏を行き来する展開となりました。後場に入ると、先物主導で上昇し、日経平均株価は一時、+188円まで上昇する場面もあり、堅調に推移しました。終盤にかけては日銀短観や米雇用統計の発表を控え、様子見ムードから伸び悩み、結局、日経平均株価は+125円で大引けを迎えています。
TOPIX業種別指数は、その他金融、食料品、ゴム、小売、電気・ガス、医薬品、水産など20業種が上昇。一方、石油・石炭、鉱業、繊維、非鉄、精密、金属、ガラス・土石など13業種が下落。
日経平均株価、TOPIXともに3日ぶりの反発となっています。
3月31日(火)の東京株式市場は反落しました。前日の欧米市場は軒並み高となったことから東京市場もほぼ買い先行で始まりました。ただ、年度末で日銀短観や米雇用統計を控えた様子見ムードも強く、日経平均株価は前引け前にマイナスに沈みました。後場に入ると、先物主導で売りが広がり、日経平均株価も下げ幅を拡大し、高安の値幅も401円とボラティリティの大きい展開となるなか、結局、安値引けとなっています。TOPIX、JPX日経インデックス400も安値引けで取引を終えました。TOPIX業種別指数は、ガラス・土石、金属、ゴム、電気・ガス、建設、鉱業、機械の7業種が上昇。一方、陸運、倉庫、不動産、銀行、食料品、医薬品、保険など26業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに反落となっています。
4月1日(水)の東京株式市場は続落しました。前日の米国市場が大幅安となった流れを引き継ぎ、東京市場も朝方から売りが先行しました。3月の日銀短観で大企業製造業のDI(業況判断)が市場予測を下回ったことから、先物主導で売りが広がりました。日経平均株価は約3週間ぶりに1万9000円を割り込む場面もあり、終始、軟調に推移するなか結局、-172円で大引けを迎えています。TOPIX業種別指数は、紙・パルプ、不動産、倉庫、陸運、保険、空運、銀行の7業種が上昇。一方、非鉄、ガラス・土石、医薬品、金属、化学、自動車、ゴムなど26業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに続落となっています。
4月2日(木)の東京株式市場は反発しました。前日の米国市場が下落したものの、東京市場は朝方から買いが先行しました。主力銘柄を中心に幅広い銘柄に買いが広がり、日経平均株価は上昇基調となりました。日本郵政がゆうちょ銀行の資産運用で国内の株投資を積み増す方針を発表したことに加え、後場に入るとGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が2015年度の運用計画で、個別物色型のアクティブ運用も採用する方針だと伝わると、一気に勢いが増し、日経平均株価は一時、+399円となる場面もありました。ただ、終盤は利食い売りも出始め、結局、日経平均株価は+277円で大引けを迎えています。TOPIX業種別指数はゴム、陸運、銀行、紙・パルプ、倉庫、情報通信、その他金融など32業種が上昇。一方、鉱業の1業種のみが下落。日経平均株価、TOPIXともに3日ぶりの反発となっています。
4月3日(金)の東京株式市場は続伸しました。前日の米国市場が上昇するなか、東京市場は小安く始まりました。ただ序盤にすぐに切り返し、しっかりの展開へと変わりました。日本時間の今晩は、米国市場を始め、ドイツや香港など主要市場が休場となるため、様子見ムードが強まる場面があったものの、その後も日経平均株価は先物主導で上昇し、運用が始まった国内株式型の投信設定による資金流入期待も相場全体を支え、大引けにかけて一気に上げ幅を広げました。結局、日経平均株価、TOPIXともに高値引けとなっています。TOPIX業種別指数はその他製品、ゴム、食料品、ガラス・土石、サービス、その他金融26業種が上昇。一方、銀行、電気・ガス、精密、卸売など7業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに続伸となっています。
来週の予定です。4月6日(月)には3月分と2014年度分の車名別新車販売台数、軽自動車販売台数が発表となります。7日(火)~8日(水)には日銀金融政策決定会合が開催されます。8日(水)には3月分の上中旬の貿易統計、2月分の国際収支が発表されます。9日(木)には3月末の東京都心オフィス空室率が発表となります。
いずれもぜひチェックしておきたいところです。
執筆者プロフィール : 鈴木 ともみ(すずき ともみ)
経済キャスター・ファィナンシャルプランナー・DC(確定拠出年金)プランナー。著書『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスター。中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、現・ラジオNIKKEIに入社。経済番組ディレクター(民間放送連盟賞受賞番組を担当)、記者を務めた他、映画情報番組のディレクター、パーソナリティを担当、その後経済キャスターとして独立。企業経営者、マーケット関係者、ハリウッドスターを始め映画俳優、監督などへの取材は2,000人を超える。現在、テレビやラジオへの出演、雑誌やWebサイトでの連載執筆の他、大学や日本FP協会認定講座にてゲストスピーカー・講師を務める。