東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏が、月曜~金曜(休日は除く)の東京株式市場を振り返って解説します。

株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏((C) サコカメラ)


経済キャスターの鈴木ともみです。東京株式市場の今週一週間の相場動向についてお伝えします。日経平均株価の今週末(終値)は前週末比-274円59銭となりました。

今週の高値は3月23日(月)の1万9778円60銭、一方、安値は27日(金)の1万9099円87銭。高安の値幅は678円73銭でした。3月期末決算銘柄の権利落ち日となった週末27日(金)は乱高下の激しい相場展開となりました。

では、具体的にこの一週間を振り返ってみましょう。

3月23日(月)の東京株式市場は続伸しました。前週末の欧米市場は全面高となり、米国市場でもナスダック総合株価指数が再び5000ポイントの大台に乗せました。その流れを引き継いだ東京市場でも朝方から買いが先行し、先物主導で上昇基調となりました。主要企業の業績の上方修正や増配、ROE向上などの発表が相次いでいることも買い意欲につながり、日経平均株価は総じて1万9700円台、TOPIXも1590ポイント台と昨年来高値圏で推移し、終盤も堅調な展開のまま、結局、日経平均株価は+194円で大引けを迎えています。

TOPIX業種別指数は、医薬品、倉庫、自動車、その他金融、卸売、金属など27業種が上昇。一方、海運、不動産、銀行、サービス、水産、電気ガスの6業種が下落。

日経平均株価、TOPIXともに続伸となっています。

24日(火)の東京株式市場は反落しました。前日の欧米市場が下落した流れを受けて東京市場も朝方から売りが先行しました。主力銘柄を中心に過熱感が漂い始めたことから利食い売りが広がり、3月分のHSBC中国製造業PMIの速報値が49.2(-1.5)と伝わると、日経平均株価は-108円となる場面もありました。ただ、下値には押し目買いが入りやすく、徐々に下げ幅が縮小するなか、結局-40円で大引けを迎えています。TOPIX業種別指数は、鉱業、医薬品、電気・ガス、非鉄金属、石油・石炭、不動産など10業種が上昇。一方、海運、その他金融、倉庫、その他製品、空運、機械、自動車など23業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに3日ぶりの反落となっています。

25日(水)の東京株式市場は反発しました。前日の米国市場は軟調に推移したものの、東京市場は小幅高で始まりました。その後、買いが一巡すると、日経平均株価はマイナス圏に転じ、後場に入ってからは、先物主導で下落基調となりました。ただ、下値では押し目買いや翌日の権利付き最終売買日を控えて配当取りの買いが入りやすく、日経平均株価は今一度プラスに転じ、結局、+32円で大引けを迎えています。TOPIX業種別指数は、繊維、その他製品、不動産、食料品、電気・ガス、建設、化学など25業種が上昇。一方、鉱業、医薬品、海運、ゴム、石油・石炭、その他金融など8業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに反発となっています。

26日(木)の東京株式市場は反落しました。前日の米国市場が大幅に下落した流れを引き継ぎ、東京市場も朝方から売りが先行しました。全面安の展開となるなか、前場中ごろに、日経平均株価は-349円となる場面もありました。3月期末の権利付き最終売買日ということもあり、権利取りの動きが期待されたものの、相場を押し上げる流れは生まれず、結局日経平均株価は-275円で大引けを迎えています。下落幅は1月14日(-291円75銭)以来約2カ月半ぶり、今年2番目の大きさとなりました。TOPIX業種別指数は、鉱業、石油・石炭の2業種のみが上昇。一方、海運、その他金融、空運、倉庫、その他製品、精密、証券など31業種が下落しました。日経平均株価、TOPIXともに反落となっています。

27日(金)の東京株式市場は続落しました。前日の米国市場が下落したことや3月期末の権利落ち分もあり、東京市場は売り先行で始まりました。ただ、その後は企業の好業績や賃金上昇期待から押し目買いが入り始め、後場の序盤には、+118円となる場面もありました。しかし、13時過ぎから流れは一変し、日経平均株価は急速に売りが膨らみ、14時過ぎには一気に-371円まで下げ幅が拡大しました。その後はやや下げ幅を縮小しながらも軟調な展開が続き、結局、日経平均株価は-185円で大引けを迎えています。

TOPIX業種別指数では、サービス、小売の2業種のみが上昇。一方、海運、卸売、空運、水産、石油・石炭、鉄鋼、銀行など31業種が下落。日経平均株価、TOPIXはともに続落となっています。

来週の予定です。3月30日(月)には2月分の鉱工業生産指数の速報値が発表されます。4月1日(水)には名実共に新年度相場入りとなります。1日(水)には3月分の日銀企業短期経済観測調査が発表となります。3日(金)には米国で雇用統計が発表されます。いずれもぜひチェックしておきたいところです。

執筆者プロフィール : 鈴木 ともみ(すずき ともみ)

経済キャスター・ファィナンシャルプランナー・DC(確定拠出年金)プランナー。著書『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスター。中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、現・ラジオNIKKEIに入社。経済番組ディレクター(民間放送連盟賞受賞番組を担当)、記者を務めた他、映画情報番組のディレクター、パーソナリティを担当、その後経済キャスターとして独立。企業経営者、マーケット関係者、ハリウッドスターを始め映画俳優、監督などへの取材は2,000人を超える。現在、テレビやラジオへの出演、雑誌やWebサイトでの連載執筆の他、大学や日本FP協会認定講座にてゲストスピーカー・講師を務める。