東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏が、月曜~金曜(休日は除く)の東京株式市場を振り返って解説します。
経済キャスターの鈴木ともみです。東京株式市場の今週一週間の相場動向についてお伝えします。日経平均株価の今週末(終値)は前週末比+283円25銭となりました。
今週の高値は3月13日(金)の1万9335円80銭、一方、安値は10日(火)の1万8577円06銭。高安の値幅は758円74銭でした。週末の日経平均株価は2000年4月14日以来、約15年ぶりの高値、TOPIXは2007年11月6日以来、7年4カ月ぶりの高値で取引を終えています。
では、具体的にこの一週間を振り返ってみましょう。
9日(月)の東京株式市場は3日ぶりに反落しました。前週末の米国市場は、2月分の米雇用統計が市場予想を上回ったことから、6月の利上げ観測が高まり、大幅に下落しました。この流れを引き継いだ東京市場も朝方から売りが先行し、寄り付き前に発表された2014年10月~12月期のGDP改定値が下方修正されたことも嫌気され、日経平均株価は一時、-238円まで売られる場面もありました。ただ、下値では確実に押し目買いが入り、その後は下げ渋る展開となりました。結局、日経平均株価は-180円で大引けを迎えています。TOPIX業種別指数は、ゴム、小売、サービス、卸売の4業種が上昇。一方、医薬品、電気・ガス、不動産、鉄鋼、情報通信、精密など29業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに3日ぶりの反落となっています。
10日(火)の東京株式市場は続落しました。前日の米国市場が大幅反発したことから東京市場も朝方から買いが先行し、日経平均株価は序盤に+133円となる場面もありました。ただ、1万8900円台にのせると、利食い売りも出やすく、その後は上値の重い展開となりました。後場に入ると、先物にまとまった売りが出始め、週末のメジャーSQ(株価指数先物とオプション12月物の特別清算指数)を見据えたポジション調整もあり、日経平均株価は一気に-213円となる流れに変わりました。終盤はやや持ち直したものの、結局、100円を超える下げ幅で大引けを迎えています。TOPIX業種別指数は、ゴム、陸運、空運、その他金融、機械、自動車など8業種が上昇。一方、鉱業、紙・パルプ、銀行、水産、サービス、保険など25業種が下落。
日経平均株価、TOPIXともに続落となっています。
11日(水)の東京株式市場は反発しました。前日の米国市場でダウ工業株30種平均株価が今年最大の下げ幅を記録したことから東京市場も朝方は売りが先行しました。ただ、その後は先物主導で買いが進み、日経平均株価もプラス圏へと浮上しました。後場に入ってからも指数寄与度の高い銘柄を中心に上げ幅が拡大し、日経平均株価は一時、+171円となる場面もありました。終盤はやや利食い売りに押され、上げ幅を縮小しつつ大引けを迎えています。TOPIX業種別指数は、その他金融、空運、建設、医薬品、不動産、陸運、倉庫など15業種が上昇。一方、鉱業、小売、石油・石炭、非鉄、ガラス・土石、水産、その他製品など18業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに3日ぶりの反発となっています。
12日(木)の東京株式市場は続伸しました。前日の米国市場が小幅安となったものの、東京市場は買い優勢でスタートしました。企業業績の好調さや、大企業の賃上げの流れが出てきたことから、主力株中心に買いが広がりました。後場に入ると、日経平均株価は一時、1万9008円13銭まで上昇し、2000年4月21日以来約15年ぶりに1万9000円台に乗せる場面もありました。その後は達成感からやや上げ幅を縮小したものの、メジャーSQの算出日を前に、先高感も相場を後押しし、日経平均株価は終盤に再度、節目となる1万9000円台に乗せ、結局、節目手前の1万8991円11銭で大引けを迎えています。TOPIX業種別指数は、石油・石炭、紙・パルプを除く31業種が上昇。上昇率上位は、保険、空運、不動産、海運、銀行、医薬品、金属、陸運など。日経平均株価、TOPIXともに続伸となっています。
13日(金)の東京株式市場は続伸しました。前日の米国市場が大幅上昇した流れを引き継ぎ、東京市場も朝方から買いが先行しました。メジャーSQ算出に伴う売買がやや買い越しになったことや、大手企業の賃上げ観測も高まり、相場全体に買いが広がりました。後場に入ると、日経平均株価は1万9300円を挟んで堅調に推移し、結局、大引けは1万9254円25銭(+263円14銭)と、2000年4月14日以来、約15年ぶりの高値で取引を終えています。TOPIXは2007年11月6日以来、7年4カ月ぶりの高値となっています。
TOPIX業種別指数では、不動産、鉱業、その他金融、機械、電気・ガスなど30業種が上昇。一方、医薬、空運、水産など3業種が下落。
日経平均株価、TOPIXはともに3日続伸となっています。
来週の予定です。3月16日(月)~17日(火)には日銀金融政策決定会合が、17日(火)~18日(水)には米国でFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されます。19日(木)には欧州でEU(欧州連合)首脳会議が開かれます。20日(金)には国内で、2月分の全国コンビニエンスストア売上高が発表となります。いずれもぜひチェックしておきたいところです。
執筆者プロフィール : 鈴木 ともみ(すずき ともみ)
経済キャスター・ファィナンシャルプランナー・DC(確定拠出年金)プランナー。著書『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスター。中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、現・ラジオNIKKEIに入社。経済番組ディレクター(民間放送連盟賞受賞番組を担当)、記者を務めた他、映画情報番組のディレクター、パーソナリティを担当、その後経済キャスターとして独立。企業経営者、マーケット関係者、ハリウッドスターを始め映画俳優、監督などへの取材は2,000人を超える。現在、テレビやラジオへの出演、雑誌やWebサイトでの連載執筆の他、大学や日本FP協会認定講座にてゲストスピーカー・講師を務める。