東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏が、月曜~金曜(休日は除く)の東京株式市場を振り返って解説します。
経済キャスターの鈴木ともみです。東京株式市場の今週一週間の相場動向についてお伝えします。日経平均株価の今週末(終値)は前週末比+460円60銭となりました。
今週の高値は12月5日(金)の1万7922円29銭、一方、安値は12月1日(月)の1万7474円27銭。高安の値幅は448円02銭でした。日経平均株価は連日で年初来高値を更新し、2007年7月24日以来7年4カ月ぶりの高値水準となっています。
では、具体的にこの一週間を振り返ってみましょう。
12月1日(月)の東京株式市場は続伸しました。為替相場が1ドル=119円近辺まで円安に振れたほか、原油価格も下落したことを好感し、東京市場は朝方から幅広い銘柄に買いが入りました。序盤の日経平均株価は上昇ピッチも速く、一時、+189円まで上げ幅を広げました。その後、後場に入ってからは上げ幅を縮小する場面があったものの、7~9月期の法人企業統計で、金融や保険を除く全産業の設備投資額が前年同期比+5.5%増と市場予測を上回ったことも支援材料となり、結局、日経平均株価は終値ベースで2007年7月26日以来、約7年4カ月ぶりに1万7500円台を回復して大引けを迎えています。TOPIX業種別指数は空運、保険、その他製品、精密、ゴムなど27業種が上昇。一方、鉱業、非鉄、石油、金融など6業種が下落。
日経平均株価、TOPIXともに続伸となっています。
2日(火)の東京株式市場は3日続伸しました。日経平均株価が連日で年初来高値を更新したこともあり、東京市場は朝方から利益確定売りが優勢となりました。ただ、前場を通して売りが一巡すると、後場に入ってからはプラスに転じ始め、円安や原油安を背景とした相場の先高感から、主力株を中心に買い戻しが広がる展開となりました。前日に米ムーディーズ・インベスターズ・サービスが財政健全化の不確実性などを理由に、日本国債を1段階引き下げ、各付けをA1としたものの、国内では消費増税先送りを表明した時点で格下げは織り込み済みとの見方も強く、特に売り材料視はされませんでした。TOPIX業種別指数は鉱業、精密、自動車、石油など26業種が上昇。一方、その他製品、食料品、不動産、陸運など7業種が下落。
日経平均株価、TOPIXともに3日続伸となっています。
3日(水)の東京株式市場は4日続伸しました。前場の東京市場は、為替が円安水準で推移したことや先物にまとまった買いが入ったことから日経平均株価が一気に上昇し、一時、+218円となる場面もありました。ただ、節目となる1万8000円に近づくと、利益確定売りも出やすく、後場に入ってからの上げ幅は縮小し、結局、日経平均株価は+57円で大引けを迎えています。水準としては年初来高値を更新しました。TOPIX業種別指数は鉄鋼、証券、繊維、精密、空運、非鉄など23業種が上昇。一方、紙・パルプ、陸運、保険、医薬品、情報通信、卸売りなど10業種が下落。
日経平均株価、TOPIXともに4日続伸となっています。
4日(木)の東京株式市場は5日続伸しました。朝刊各紙が衆議院選挙で与党が優勢だとする世論調査の結果を伝えたことから、為替相場が1ドル=119円台後半で推移し、円安につれて輸出関連銘柄を中心に買いが広がりました。日経平均株価は終始1万7800円を上回る水準で推移する展開となりました。ただ、ECB(欧州中央銀行)理事会や米雇用統計の結果を見極めたいとする向きも強く、節目となる1万8000円の水準を上回る場面は見られませんでした。結局、日経平均株価は+166円で大引けを迎え、連日で年初来高値を更新しています。
TOPIX業種別指数はゴム、紙・パルプ、空運、鉱業、保険、繊維、自動車など27業種が上昇。一方、水産、不動産、食料品、陸運など6業種が下落。
日経平均株価、TOPIXはともに5日続伸となっています。
5日(金)の東京株式市場は6日続伸しました。前日のECB理事会で量的金融緩和の導入を見送られたことから、欧米市場が下落した流れを引き継ぎ、東京市場も朝方から売りが先行しました。日経平均株価の下げ幅は一時、-127円となる場面もあり、前場は軟調に推移しました。ただ、売り一巡後は下げ幅を縮小し、後場に入ると主力株を中心に買いが広がり始め、プラス圏で推移する展開となりました。結局、日経平均株価は連日で年初来高値を更新し、2007年7月24日以来7年4カ月ぶりの高値で大引けを迎えています。
TOPIX業種別指数では、保険、金属製品、水産、機械、証券など21業種が上昇。一方、小売、陸運、精密、建設など11業種が下落。
日経平均株価、TOPIXともに6日続伸となっています。
来週の予定です。8日(月)には国内で7月~9月期のGDP(国内総生産)の改定値、10月分の国際収支、11月分の景気ウォッチャー調査が発表されます。10日(水)には10月~12月期の法人企業景気予測調査が発表となります。11日(木)には、10月分の機械受注統計が発表されます。12日(金)はメジャーSQ(株価指数先物とオプション12月物の特別清算指数)の算出日です。いずれもぜひチェックしておきたいところです。
執筆者プロフィール : 鈴木 ともみ(すずき ともみ)
経済キャスター・ファィナンシャルプランナー・DC(確定拠出年金)プランナー。著書『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスター。中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、現・ラジオNIKKEIに入社。経済番組ディレクター(民間放送連盟賞受賞番組を担当)、記者を務めた他、映画情報番組のディレクター、パーソナリティを担当、その後経済キャスターとして独立。企業経営者、マーケット関係者、ハリウッドスターを始め映画俳優、監督などへの取材は2,000人を超える。現在、テレビやラジオへの出演、雑誌やWebサイトでの連載執筆の他、大学や日本FP協会認定講座にてゲストスピーカー・講師を務める。