東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏が、月曜~金曜(休日は除く)の東京株式市場を振り返って解説します。
経済キャスターの鈴木ともみです。東京株式市場の今週一週間の相場動向についてお伝えします。日経平均株価の今週末(終値)は前週末比+102円34銭となりました。
今週の高値は11月25日(月)の1万7490円39銭、一方、安値は11月27日(木)の1万7212円48銭。高安の値幅は277円91銭でした。手掛かり材料難から外部環境に振らされやすい相場展開となりました。
では、具体的にこの一週間を振り返ってみましょう。
11月25日(火)の東京株式市場は続伸しました。前日の米国市場が上昇した流れを引き継ぎ、東京市場も朝方から買いが先行しました。中国の金利引き下げや、ECB(欧州中央銀行)が追加金融緩和を実施するとの期待からリスクオンの動きが広がりました。ただ、後場に入ってからは、高値警戒感や総選挙を控え様子見ムードも強まり、日経平均株価は伸び悩むなか、大引けを迎えています。TOPIX業種別指数では、保険、ゴム、機械など24業種が上昇。一方、医薬品、不動産など9業種が下落。日経平均株価は3日続伸、TOPIXは5日続伸となっています。
26日(水)の東京株式市場は反落しました。為替相場で円安基調が一服したことから日経平均株価は朝方から軟調に推移しました。高値警戒感から利益確定売りが優勢となるなか、下値では押し目買いも入りやすく、前場に下げ渋ったことから、後場は日経平均株価、TOPIXともに上昇に転じる場面もありました。ただ、その後は手掛かりとなる材料不足から今一度伸び悩み、結局、日経平均株価は-24円で大引けを迎えています。TOPIX業種別指数は非鉄、海運など14業種が上昇。一方、鉱業、不動産など19業種が下落。
日経平均株価は4日ぶりの反落、TOPIXは6日ぶりの反落となっています。
27日(木)の東京株式市場は続落しました。
為替相場で円安が一服するなか、東京市場は朝方から軟調に推移しました。手掛かりとなる材料不足から輸出関連銘柄を中心に利益確定売りが広がりました。感謝祭で米国市場が休場となるため、海外勢の動きも鈍く、東証1部全体の7割以上の銘柄が値下がりし、結局、日経平均株価は-135円で大引けを迎えています。一方、小型株への物色意欲は続き、東証2部指数は7日続伸となっています。TOPIX業種別指数は変わらずの海運を除き、不動産、銀行、証券など32業種が下落。
日経平均株価、TOPIXともに続落となっています。
28日(金)の東京株式市場は3日ぶりに反発しました。前日の米国市場が感謝祭で休場だったなか、OPEC(石油輸出国機構)が27日の総会で原油の減産を見送ったことから、東京市場は朝方から海運や空運など原燃料安が業績改善につながりやすい銘柄への買いが先行しました。為替相場が円安に振れ、アジア市場も堅調な展開となったことから、後場に入ってからも日経平均株価は堅調に推移し、終盤は終始1万7400円を超える展開のまま大引けを迎えています。TOPIX業種別指数では、空運、海運、保険、輸送など30業種が上昇。一方、鉱業、石油・石炭、紙・パルプなど3業種が下落。
日経平均株価、TOPIXともに3日ぶりの反発となっています。
来週の予定です。12月1日(月)は、国内で7月~9月期の法人企業統計が発表されます。米国では11月分の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数が発表となります。また、2日(火)は衆議院選挙の公示日です。4日(木)はECB(欧州中央銀行)理事会の結果が発表されます。5日(金)は、米国で11月分の雇用統計が発表となります。いずれもぜひチェックしておきたいところです。
執筆者プロフィール : 鈴木 ともみ(すずき ともみ)
経済キャスター・ファィナンシャルプランナー・DC(確定拠出年金)プランナー。著書『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスター。中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、現・ラジオNIKKEIに入社。経済番組ディレクター(民間放送連盟賞受賞番組を担当)、記者を務めた他、映画情報番組のディレクター、パーソナリティを担当、その後経済キャスターとして独立。企業経営者、マーケット関係者、ハリウッドスターを始め映画俳優、監督などへの取材は2,000人を超える。現在、テレビやラジオへの出演、雑誌やWebサイトでの連載執筆の他、大学や日本FP協会認定講座にてゲストスピーカー・講師を務める。