東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏が、月曜~金曜(休日は除く)の東京株式市場を振り返って解説します。

株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏((C) サコカメラ)


経済キャスターの鈴木ともみです。東京株式市場の今週一週間の相場動向についてお伝えします。日経平均株価の今週末(終値)は前週末比-408円10銭となりました。

今週の高値は6日(月)の1万5970円65銭、一方、安値は10日(金)の1万5221円83銭。高安の値幅は748円82銭でした。今週は世界的にリスクオフの動きが広がる相場展開となりました。

では、具体的にこの一週間を振り返ってみましょう。

6日(月)の東京株式市場は続伸しました。前週末に発表された9月の米雇用統計で、失業率が5.9%と6年2カ月ぶりに5%台に低下したほか、非農業部門雇用者数の7月、8月分が上方修正されるなど好調な内容だったことから、米国市場は大幅高となりました。その流れを引き継いだ東京市場も、序盤から買いが先行。その後は日銀金融政策決定会合後の黒田総裁の会見や週末のオプションSQ(株価指数オプションとミニ日経平均先物10月物特別清算指数)算出を前に、一進一退の展開となりました。後場に入ると、日経平均株価は一時、+262円まで上昇し、堅調に推移するなか、終盤はやや伸び悩んで大引けを迎えています。TOPIX業種別指数では、非鉄金属、その他金融、機械、電気機器、ゴム製品など32業種が上昇。一方、鉱業の1業種のみが下落。

日経平均株価、TOPIXともに続伸となっています。

7日(火)の東京株式市場は3日ぶりに反落しました。前日の米国市場が終盤にかけて買いが失速し、為替も円安に一服感がでてきたことから、東京市場は朝方から売りが先行しました。その後は大引け後の黒田日銀総裁の記者会見を前に一進一退となり、前場はプラスで終了したものの、後場は終盤にかけて売り直される展開となりました。日経平均株価は大引けにかけて下げ幅を拡大し、-107円で取引を終えています。

TOPIX業種別指数では、保険、空運、電気・ガスなど7業種が上昇。一方、非鉄金属、その他金融、証券、機械、建設など26業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに3日ぶりの反落となっています

8日(水)の東京株式市場は続落しました。IMF(国際通貨基金)がドイツや日本の2014年成長率見通しを大きく引き下げたことを受け、世界的にリスクオフの動きが広がりました。米10年債利回りが再び2.3%台に下落し、東京市場も朝方からほぼ全面安の展開となりました。終始軟調に推移するなか、後場はやや持ち直す形で大引けを迎えています。TOPIX業種別指数では、水産・農林の1業種のみが上昇。一方、輸送用機器、精密、機械、電機な32業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに続落となっています。

9日(木)の東京株式市場は3日続落しました。前日の米国市場でダウ工業株30種平均株価が+274ドルと、今年最大の上げ幅を記録したことから、東京市場も序盤は買いが先行しました。ただ、買いの勢いは続かず、昼休み中に為替が円高に振れると、後場は幅広い銘柄に売りが広がり、先物主導で下落基調となり、終盤にかけて下げ幅を拡大させました。日経平均株価は9月1日以来、約1ヵ月ぶりに節目の1万5500円を割り込んで大引けを迎えています。

TOPIX業種別指数では、水産・農林の1業種のみが上昇。一方、建設、金属製品、電機、機械、卸売など32業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに3日続落となっています。

10日(金)の東京株式市場は4日続落しました。前日の米国市場でダウ工業株30種平均株価が今年最大の下げ幅を記録し、その流れを引き継いだ東京市場も前場から幅広い銘柄に売りが広がりました。後場に入ってからも、下げ幅を広げ、日経平均株価は一時、-257円となる場面もありました。世界的にリスクオフの流れが出始めるなか、3連休を前に持ち高を調整する売りも膨らみ、結局、軟調な展開のまま大幅安で大引けを迎えています。日経平均株価は1万5300円と、8月中旬以来、約2カ月ぶりの水準まで下落しています。TOPIX業種別指数では、鉱業、非鉄、銀行、機械、鉄鋼、その他金属などを中心に全33業種が下落。

日経平均株価、TOPIXともに4日続落となっています。

来週の予定です。13日(月)は祝日のため東京市場は休場となります。15日(水)には中国で9月分のCPI(消費者物価指数)、PPI(工業生産者出荷価格指数)が発表されます。また米国では米地区連銀経済報告(ベージュブック)が公表されます。16日(木)には、東証1部にリクルートホールディングスが新規上場します。いずれもぜひチェックしておきたいところです。

執筆者プロフィール : 鈴木 ともみ(すずき ともみ)

経済キャスター・ファィナンシャルプランナー・DC(確定拠出年金)プランナー。著書『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスター。中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、現・ラジオNIKKEIに入社。経済番組ディレクター(民間放送連盟賞受賞番組を担当)、記者を務めた他、映画情報番組のディレクター、パーソナリティを担当、その後経済キャスターとして独立。企業経営者、マーケット関係者、ハリウッドスターを始め映画俳優、監督などへの取材は2,000人を超える。現在、テレビやラジオへの出演、雑誌やWebサイトでの連載執筆の他、大学や日本FP協会認定講座にてゲストスピーカー・講師を務める。