東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏が、月曜~金曜(休日は除く)の東京株式市場を振り返って解説します。

株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏((C) サコカメラ)


経済キャスターの鈴木ともみです。東京株式市場の今週一週間の相場動向についてお伝えします。日経平均株価の今週末(終値)は前週末比-91円31銭となりました。

今週の高値は25日(木)の1万6374円14銭、一方、安値は26日(金)の1万6087円95銭。高安の値幅は286円19銭でした。一週間のうち、上昇したのは25日(木)のみとなりました。

では、具体的にこの一週間を振り返ってみましょう。

22日(月)の東京株式市場は3日ぶりに反落しました。前週末の米国市場が高安まちまちの展開になったこともあり、東京市場はやや売り先行でのスタートとなりました。前週末に昨年来高値を更新し、約6年10カ月ぶりの高値を付けたことから、先物が下落するのにつれて主力株にも利益確定売りが広がりました。アリババの上場でいったん材料出尽くしとなったソフトバンクも大幅下落し、日経平均株価の下押し要因となりました。

TOPIX業種別指数では、鉱業、空運、銀行、卸売など16業種が上昇。一方、情報・通信、海運、食品、電気機器など17業種が下落。

日経平均株価、TOPIXともに3日ぶりの反落となっています。

24日(水)の東京株式市場は続落しました。「イスラム国」に対する空爆開始により、地政学リスクが高まったことから、前日の米国市場は軟調に推移しました。その流れを引き継いだ東京市場も朝方から売りが先行し、取引時間前に為替が円高に振れたことも嫌気され、日経平均株価の下げ幅は一時、110円を超える場面もありました。ただ、訪米中の安倍首相が外交問題評議会との懇談会でGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)に言及したことが伝わると、その後は買い戻しが広がりました。終盤は、9月・中間期末を前に配当取り目的の買いも入り、下げ渋る展開のなか大引けを迎えています。

TOPIX業種別指数では、建設、倉庫、陸運など10業種が上昇。一方、ゴム、証券、保険、情報・通信、海運など23業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに続落となっています。

25日(木)の東京株式市場は3日ぶりに反発しました。前日の米国市場が上昇したことから、東京市場も朝方から買いが先行しました。前場の段階でTOPIXに続き日経平均株価も年初来高値を更新するなど、総じて堅調な展開となりました。9月・中間期末を迎え、配当などの権利確定日ということもあり、大引けにかけては配当分の再投資に伴う買いが入り、日経平均株価、TOPIX、JPX日経インデックス400、いずれも高値引けとなりました。

TOPIX業種別指数では全33業種が上昇。値上がり率上位は鉱業、不動産、保険、輸送用機器、機械など。

日経平均株価、TOPIXともに3日ぶりの反発となっています。

26日(金)の東京株式市場は反落しました。9月・中間期末配当の権利落ち分による株価への下押し要因もあるなか、前日の米国市場が大幅に下落したこともあり、東京市場は日経平均株価の始値が-286円と、大幅安で始まりました。序盤は為替がやや円高に振れたこともあり、主力の輸出株を中心に売りが広がりました。ただ、その後は下げ幅を縮小し、始値の水準が下値となる底堅い展開が続き、結局、日経平均株価は-144円で取引を終えました。配当の権利落ち分を考慮すると、実質の下落幅は-54円ほどとなっています。

TOPIX業種別指数では、不動産のみ1業種が上昇。一方、卸売、証券、鉱業、銀行、陸運、機械など32業種が下落。

日経平均株価、TOPIXともに反落となっています。

来週の予定です。29日(月)に臨時国会が召集されます。30日(火)には8月分の家計調査、鉱工業生産指数などの経済統計が発表されます。10月1日(水)には中国でPMI(中国製造業購買担当者景気指数)が発表となります。2日(木)には、ECB(欧州中央銀行)の結果発表、3日(金)には米国で雇用統計が発表されます。いずれもぜひチェックしておきたいところです。

執筆者プロフィール : 鈴木 ともみ(すずき ともみ)

経済キャスター・ファィナンシャルプランナー・DC(確定拠出年金)プランナー。著書『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスター。中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、現・ラジオNIKKEIに入社。経済番組ディレクター(民間放送連盟賞受賞番組を担当)、記者を務めた他、映画情報番組のディレクター、パーソナリティを担当、その後経済キャスターとして独立。企業経営者、マーケット関係者、ハリウッドスターを始め映画俳優、監督などへの取材は2,000人を超える。現在、テレビやラジオへの出演、雑誌やWebサイトでの連載執筆の他、大学や日本FP協会認定講座にてゲストスピーカー・講師を務める。