東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏が、月曜~金曜(休日は除く)の東京株式市場を振り返って解説します。
経済キャスターの鈴木ともみです。東京株式市場の今週一週間の相場動向についてお伝えします。日経平均株価の今週末(終値)は前週末比+372円88銭となりました。
今週の高値は19日(金)の1万6364円08銭、一方、安値は16日(火)の1万5871円12銭。高安の値幅は492円96銭でした。日経平均株価、TOPIX、JPX日経インデックス400、いずれも年初来高値を更新して週末を迎えています。
では、具体的にこの一週間を振り返ってみましょう。
16日(火)の東京株式市場は6日ぶりに反落しました。先週末まで5日続伸したこともあり、短期的な過熱警戒感が意識された他、為替がやや円高に振れたこともあり、東京市場は朝方から売りが先行しました。FOMC(米連邦公開市場委員会)の結果を見極めたいと、積極的な売買も手控えられるなか、後場はやや下げ渋る場面があったものの、総じて軟調に推移し、日経平均株価は-37円で大引けを迎えています。TOPIX業種別指数では、情報通信、空運、精密、卸売など10業種が上昇。一方、不動産、保険、ゴム製品、銀行、非鉄金属、ガラス・土石など22業種が下落。その他金融だけが変わらずでした。
日経平均株価、TOPIXともに6日ぶりの反落となっています。
17日(水)の東京株式市場は続落しました。前日の米国市場が大幅高となり、この流れを引きついだ東京市場も序盤は反発しました。日経平均株価は一時、+57円まで上昇する場面もありました。ただ、週末にかけて、スコットランドの住民投票、アリババの上場など、注目イベントが続くことから、その後は様子見気分が強まり、次第に売り優勢の展開となりました。前日まで上昇していたソフトバンクが反落したことも相場全体のムードの下押し要因となりました。
TOPIX業種別指数では、鉱業、小売、医薬品の3業種が上昇。一方、海運、不動産、その他金融、機械、銀行など30業種が下落。鉱業、小売、日経平均株価、TOPIXともに続落となっています。
18日(木)の東京株式市場は3日ぶりに反発しました。FOMCによる政策金利の利上げ時期が早まるのではないかとの見方も強まり、為替市場でドル高・円安が加速しました。為替相場が1ドル=108円台後半まで円安に振れると、自動車、機械など輸出関連株に買いが広がり、日経平均株価は1万6000円台を上回る水準で推移しました。後場に入ってからは、スコットランドの住民投票を控えて、やや様子見ムードとなったものの、円安につれて堅調な展開は続き、結局、日経平均株価は1月8日以来、約8ヵ月ぶりに終値ベースで1万6000円台を回復しました。TOPIX、JPX日経インデックス400は年初来高値を更新しています。
TOPIX業種別指数では、機械、輸送用機器、保険、精密、銀行など31業種が上昇。一方、空運、建設の2業種が下落。
日経平均株価、TOPIXともに3日ぶりの反発となっています。
19日(金)の東京株式市場は続伸しました。前日の米国市場でダウ工業株30種平均株価とS&P500種株価指数が過去最高値を更新し、その流れを引き継いだ東京市場も朝方から買いが先行しました。為替が109円台まで円安が進み、主力の輸出関連株を中心に上昇する展開となりました。前場中ごろから、スコットランドの住民投票で、独立反対派が優勢との開票速報が伝わると、英国景気の先行き不透明感が払拭されるとの見方から、円安・株高の流れが強まりました。後場に入ってからも序盤から堅調に推移し、日経平均株価は昨年の大納会につけた高値(1万6320円)を上回り、1万6364円と+300円近い上げ幅となる場面もありました。その後、後場中ごろにスコットランドの住民投票で「独立否決が確実」との報道が伝わると、材料出尽くし感から日経平均株価は伸び悩んだものの、大引けは昨年来高値を上回る水準を維持して取引を終えています。
結局、日経平均株価、TOPIXは昨年来高値を更新、JPX日経インデックス400は年初来高値を更新しました。
TOPIX業種別指数では、機械、金属、保険、鉄鋼、輸送など29業種が上昇。一方、鉱業、空運など4業種が下落。
日経平均株価、TOPIXともに続伸となっています。
来週の予定です。22日(月)に国内で8月分の食品スーパー、全国スーパー、コンビニエンスストアの売上高が発表されます。23日(火)には9月分のユーロ圏PMI速報値が発表となります。24日(水)には米国で8月分の新築住宅販売件数が発表されます。26日(金)には国内で8月分の全国CPI(消費者物価指数)、9月分の都区部CPIが発表となります。いずれもぜひチェックしておきたいところです。
執筆者プロフィール : 鈴木 ともみ(すずき ともみ)
経済キャスター・ファィナンシャルプランナー・DC(確定拠出年金)プランナー。著書『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスター。中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、現・ラジオNIKKEIに入社。経済番組ディレクター(民間放送連盟賞受賞番組を担当)、記者を務めた他、映画情報番組のディレクター、パーソナリティを担当、その後経済キャスターとして独立。企業経営者、マーケット関係者、ハリウッドスターを始め映画俳優、監督などへの取材は2,000人を超える。現在、テレビやラジオへの出演、雑誌やWebサイトでの連載執筆の他、大学や日本FP協会認定講座にてゲストスピーカー・講師を務める。