東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏が、月曜~金曜(休日は除く)の東京株式市場を振り返って解説します。

株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏((C) サコカメラ)


経済キャスターの鈴木ともみです。東京株式市場の今週一週間の相場動向についてお伝えします。日経平均株価の今週末(終値)は前週末比+244円09銭となりました。

今週の高値は9月3日(水)の1万5829円38銭、一方、安値は9月1日(月)の1万5440円99銭。高安の値幅は383円39銭でした。内閣改造前の週前半は政策期待から3日続伸し、第2次安倍改造内閣発足後は材料出尽くし感から続落する展開となりました。

では、具体的にこの一週間を振り返ってみましょう。

9月1日(月)の東京株式市場は3日ぶりに反発しました。前週末の欧米市場が上昇し、東京市場も朝方から買いが先行しました。ただ、米国市場がレーバーデーで休場となる上、内閣改造や日銀金融政策決定会合、ECB(欧州中央銀行)理事会、米雇用統計など、重要イベントを控えて、その後は様子見ムードの強い展開となりました。

日経平均株価の高安の値幅は37円78銭と、1年9カ月ぶりの小ささとなっています。

一方、東証2部株価指数は14連騰と、今年の最長続伸記録を更新しました。

TOPIX業種別指数では建設、ガラス・土石、非鉄金属、不動産、鉄鋼など27業種が上昇。海運、情報・通信、食品など6業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに反発となっています。

2日(火)の東京株式市場は続伸しました。前日の米国市場が休場のなか、ECBの緩和観測から為替が円安に振れ、東京市場は序盤から堅調なスタートとなりました。その後も先物に断続的な買いが入り、現物の日経平均株価にも買いが広がりました。翌日に内閣改造を控え、政府や日銀による政策期待も高まるなか、日経平均株価は1月23日以来、約7カ月ぶりの高値で大引けを迎えています。一方、東証2部株価指数は15連騰と、今年の最長続伸記録を連日で更新しました。

TOPIX業種別指数では、鉱業、不動産、非鉄金属、建設、証券など23業種が上昇。情報・通信、その他製品、精密など10業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに続伸となっています。

3日(水)の東京株式市場は3日続伸しました。政策期待などを背景に円安が進み、先物が上昇するなか裁定買いが入り、日経平均株価は上昇する展開となりました。後場に入ってから日経平均株価の上げ幅は一時、160円を超える場面もありました。午後2時頃に菅官房長官が内閣改造に伴う閣僚名簿を発表すると、週初から内閣改造後の追加的な経済対策に期待が寄せられてきたこともあり、いったん材料出尽くしの売りが出て、伸び悩むなか大引けを迎えています。

一方、東証2部株価指数は16日ぶりに反落しました。TOPIX業種別指数では、海運、その他金融、銀行、証券、電気機器など20業種が上昇。一方、その他製品、鉄鋼、医薬品など13業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに3日続伸となっています。

4日(木)の東京株式市場は4日ぶりに反落しました。前日の欧州市場が上昇したものの、第2次安倍改造内閣が正式に発足したことで材料出尽くし感から、東京市場は朝方から利食い売りが先行しました。その後も軟調な展開が続くなか、昼休みに、日銀が金融政策決定会合で金融政策の現状維持を決めたとの報道が伝わると、一時、先物に売りが広がりました。後場に入るとやや売りの勢いが強まり、終盤にかけてじり安となるなか大引けを迎えています。

TOPIX業種別指数では、鉱業、電気・ガス、食品など7業種が上昇。一方、建設、海運、その他金融、鉄鋼、機械など26業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに4日ぶりの反落となっています。

5日(金)の東京株式市場は続落しました。ECBによる追加の金融緩和決定を受けて為替相場がユーロ安・ドル高となるなか、対ドルで円安が進みました。円安を好感した東京市場は朝方から買いが先行したものの、日本時間夜の米雇用統計発表を前に利益確定売りが出始め、日経平均株価の上げ幅は前引けにかけて縮小し、TOPIX、JPX日経インデックス400はマイナスに沈む展開となりました。後場に入ると円安の一服につれて、日経平均株価も下げに転じるなか、その後は前日の終値を挟んでプラスマイナスを上下する展開が続き、結局、小幅安で大引けを迎えています。

TOPIX業種別指数では、輸送、ガラス・土石、ゴム製品、水産、保険など8業種が上昇。一方、鉱業、その他金融、不動産、銀行、陸運など25業種が下落。

日経平均株価、TOPIXともに続落となっています。

来週の予定です。8日(月)には国内で4月~6月期のGDP(国内総生産)改定値、7月分の国際収支が発表されます。9日(火)には日銀金融政策決定会合の議事要旨、8月分の消費動向調査が発表となります。11日(木)には中国で8月分のCPI(消費者物価指数)、PPI(卸売物価指数)が発表されます。12日(金)はメジャーSQ(株価指数先物とオプション9月物の特別清算指数)が算出されます。いずれもぜひチェックしておきたいところです。

執筆者プロフィール : 鈴木 ともみ(すずき ともみ)

経済キャスター・ファィナンシャルプランナー・DC(確定拠出年金)プランナー。著書『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスター。中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、現・ラジオNIKKEIに入社。経済番組ディレクター(民間放送連盟賞受賞番組を担当)、記者を務めた他、映画情報番組のディレクター、パーソナリティを担当、その後経済キャスターとして独立。企業経営者、マーケット関係者、ハリウッドスターを始め映画俳優、監督などへの取材は2,000人を超える。現在、テレビやラジオへの出演、雑誌やWebサイトでの連載執筆の他、大学や日本FP協会認定講座にてゲストスピーカー・講師を務める。