東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏が、月曜~金曜(休日は除く)の東京株式市場を振り返って解説します。

株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏((C) サコカメラ)


経済キャスターの鈴木ともみです。東京株式市場の今週一週間の相場動向についてお伝えします。日経平均株価の今週末(終値)は前週末比+539円97銭となりました。

今週の高値は14日(木)の1万5338円85銭、一方、安値は11日(月)の1万4973円71銭。高安の値幅は365円14銭でした。今週は5日続伸となったものの、薄商いが続き、全ての日で売買高・20億株割れ、売買代金・2兆円割れとなっています。

では、具体的にこの一週間を振り返ってみましょう。

11日(月)の東京株式市場は大幅に反発しました。前週末の米国市場は、ロシアがウクライナ情勢の緩和に乗り出すとの報道から、地政学リスクが後退するとの見方が広がり、反発しました。その流れを受けた東京市場も朝方から買いが先行し、業績予想を大幅に増額修正したミクシィを始め、ネット関連株など、幅広い銘柄に買いが広がりました。後場に入ってからも、先物の買いが継続し、結局、日経平均株価は+352円と大幅高で大引けを迎えています。

TOPIX業種別指数では、保険、食品、建設、倉庫などゴム製品を除く32業種が上昇。一方、ゴム製品の1業種のみが下落。日経平均株価、TOPIXともに反発となっています。

12日(火)の東京株式市場は続伸しました。

ウクライナ情勢や中東での地政学リスクが後退し、独や英国など、前日の欧州市場が反発し、米国市場でも金融緩和継続期待が台頭したことから、モメンタム銘柄が上昇しました。その流れを受けた東京市場も朝方から買いが優勢となり、日経平均株価は一時、+105円まで上昇する場面もありました。ただ、後場に入ると、薄商いのなか買い意欲は限られ、増税の影響で大幅な落ち込みが予想されている翌日の4-6月期GDP(国内総生産)成長率の発表を前に、様子見ムードが強まりました。後場中ごろから終盤にかけては先物主導の売り物に押され、伸び悩む展開で大引けを迎えています。

TOPIX業種別指数では、ガラス・土石、精密、電気・ガス、卸売、医薬品など30業種が上昇。一方、情報・通信、その他金融、繊維製品の3業種が下落。

日経平均株価、TOPIXともに続伸となっています。

13日(水)の東京株式市場は3日続伸しました。前日の欧米市場が下落したのを受けて、東京市場は朝方に小幅安となったものの、午前8時50分に発表された4-6月期GDP成長率が前期比-6.8%(年率換算)と市場予想(-7.2%)ほど悪化しなかったことから、すぐに買い安心感が広がりました。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)などの公的年金が日本株の保有割合を増やすとの思惑も、相場を下支えしました。後場に入ると、終盤にかけて買いが優勢となり、堅調さを保ったまま大引けを迎えています。

TOPIX業種別指数では、海運、その他金融、鉄鋼、不動産、銀行など30業種が上昇。一方、鉱業、医薬品、電気・ガスの3業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに3日続伸となっています。

14日(木)の東京株式市場は4日続伸しました。前日の米国市場が堅調に推移した他、寄り付き前に発表された6月分の機械受注統計が前月比+8.8%と市場予想(+16.2%)を大幅に下回ったものの悪材料視されず、東京市場も朝方から買いが先行しました。後場に入ってからも、目新しい材料がないなか薄商いは続き、日経平均株価、TOPIXともにプラス圏を維持したまま大引けを迎えています。一日を通した日経平均株価の高安の値幅は、わずか66円ほどとなっています。

TOPIX業種別指数では、紙・パルプ、海運、情報・通信、医薬品など28業種が上昇。一方、不動産、その他金融、非鉄金属など5業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに4日続伸しています。

15日(金)の東京株式市場は5日続伸しました。前日の米国市場が上昇した流れを引き継いだものの、東京市場は朝方で買いが一巡し、前場は小幅安の展開が続きました。市場参加者が少なく売買は限られ、後場に入ってからも、狭いレンジでの推移が続きました。終盤はやや持ち直し小幅高となったものの、日経平均株価の高安の値幅は前場の52円ほどのレンジ内におさまり、方向感の乏しい展開のまま大引けを迎えています。

TOPIX業種別指数では、海運、不動産、医薬品、金属製品など16業種が上昇。一方、鉱業、石油・石炭、水産など17業種が下落。

日経平均株価、TOPIXともに5日続伸となっています。

来週の予定です。18日(月)には中国で7月分の中国主要70都市の新築住宅価格動向の統計が発表されます。19日(火)には国内で7月分の全国百貨店売上高が、20日(水)には7月分の貿易統計が発表されます。21日(木)~23日(土)には、米国でカンザスシティー連銀主催の経済シンポジウムが開催され、22日(金)には、FRB(米連邦準備制度理事会)のイエレン議長がジャクソンホールで講演します。いずれもぜひチェックしておきたいところです。

執筆者プロフィール : 鈴木 ともみ(すずき ともみ)

経済キャスター・ファィナンシャルプランナー・DC(確定拠出年金)プランナー。著書『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスター。中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、現・ラジオNIKKEIに入社。経済番組ディレクター(民間放送連盟賞受賞番組を担当)、記者を務めた他、映画情報番組のディレクター、パーソナリティを担当、その後経済キャスターとして独立。企業経営者、マーケット関係者、ハリウッドスターを始め映画俳優、監督などへの取材は2,000人を超える。現在、テレビやラジオへの出演、雑誌やWebサイトでの連載執筆の他、大学や日本FP協会認定講座にてゲストスピーカー・講師を務める。