東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏が、月曜~金曜(休日は除く)の東京株式市場を振り返って解説します。
経済キャスターの鈴木ともみです。東京株式市場の今週一週間の相場動向についてお伝えします。日経平均株価の今週末(終値)は前週末比+242円16銭となりました。
今週の高値は25日(金)の1万5457円87銭、一方、安値は24日(木)の1万5232円14銭。高安の値幅は225円73銭でした。週末は、日経平均株価、TOPIXともに大幅反発し高値引けとなっています。
具体的にこの一週間を振り返ってみましょう。
22日(火)の東京株式市場は4日ぶりに反発しました。地政学的リスクを嫌気した米国市場の下落が一服したことから東京市場も買い先行でスタートしました。買い戻しが入りやすい展開のなか、後場に入ると、日経平均株価は一時、+150円超となる場面もありました。その後、終盤に入ると、利食い売りも出始め、結局、日経平均株価は+127円で大引けを迎えています。TOPIX業種別指数では、鉄鋼、非鉄金属、建設、精密、電気機器など29業種が上昇。一方、海運、その他金融など4業種が下落。
日経平均株価、TOPIXともに4日ぶりの反発となっています。
23日(水)の東京株式市場は反落しました。前日の米国市場が上昇したことから東京市場も、序盤は堅調に推移しました。ただ、買い一巡後は、1万5400円手前になると買いの勢いが続かず、こう着感を強める展開となりました。新興市場へと資金が向かうなか、東証1部の主力銘柄への買いは見送られ、後場はじりじりと下落するなか大引けを迎えています。TOPIX業種別指数では、ガラス・土石、保険、卸売など11業種が上昇。一方、その他金融、情報・通信、証券、銀行など21業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに反落となっています。
24日(木)の東京株式市場は小幅に続落しました。前日の米国市場では、ダウ工業株30種平均株価が8日ぶりに終値ベースで過去最高値を更新。その流れを引き継いだ東京市場も序盤から買いが先行しました。7月分のHSBC中国製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値が18ヵ月ぶりの高水準になったとの報道が伝わると、中国関連銘柄が買われ日経平均株価は一時、+100円近くまで上昇する場面もありました。ただ、後場に入ると、先物に売りが出るのにつれて現物の日経平均株価も下落し、終始マイナス圏で推移するなか、終盤にはやや下げ渋る形で大引けを迎えています。
TOPIX業種別指数では、空運、輸送用機器、証券など9業種が上昇。一方、鉄鋼、その他製品、情報・通信、非鉄金属、不動産など24業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに続落となっています。
25日(金)の東京株式市場は3日ぶりに反発しました。為替がやや円安に振れたことを好感し、東京市場は朝方から買いが先行しました。ただ、その後は新規の材料にも乏しく、日経平均株価は狭いレンジ内での展開が続き、前場の高安の値幅はわずか45円あまりとなりました。後場に入ってからも、膠着した相場展開が続いたものの、後場中ごろから急に先物に買いが入り始め、先物主導で上昇基調となり、結局、日経平均株価、TOPIXともに高値引けで取引を終えています。ただ、商いは膨らまず、東証1部の売買代金は、17日連続で2兆円を下回りました。
TOPIX業種別指数では、証券、その他金融、紙・パルプ、倉庫、建設など32業種が上昇。一方、空運のみ1業種が下落。
日経平均株価、TOPIXともに3日ぶりの反発となっています。
来週の予定です。29日(火)に6月分の有効求人倍率、完全失業率、商業販売統計速報が発表されます。8月1日(金)には黒田日銀総裁が講演します。また、日米ともに主要企業の決算発表が続く一週間となります。いずれもぜひチェックしておきたいところです。
執筆者プロフィール : 鈴木 ともみ(すずき ともみ)
経済キャスター・ファィナンシャルプランナー・DC(確定拠出年金)プランナー。著書『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスター。中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、現・ラジオNIKKEIに入社。経済番組ディレクター(民間放送連盟賞受賞番組を担当)、記者を務めた他、映画情報番組のディレクター、パーソナリティを担当、その後経済キャスターとして独立。企業経営者、マーケット関係者、ハリウッドスターを始め映画俳優、監督などへの取材は2,000人を超える。現在、テレビやラジオへの出演、雑誌やWebサイトでの連載執筆の他、大学や日本FP協会認定講座にてゲストスピーカー・講師を務める。