東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏が、月曜~金曜(休日は除く)の東京株式市場を振り返って解説します。

株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏((C) サコカメラ)


経済キャスターの鈴木ともみです。東京株式市場の今週一週間の相場動向についてお伝えします。日経平均株価の今週末(終値)は前週末比+51円67銭となりました。

今週の高値は17日(木)の1万5465円74銭、一方、安値は18日(金)の1万5110円45銭。高安の値幅は355円29銭でした。週末には緊迫化する中東情勢を受けて、海外市場、東京市場いずれも大幅安の展開となりました。

では、具体的にこの一週間を振り返ってみましょう。

14日(月)の東京株式市場は6日ぶりに反発しました。前週末の米国市場の株高を受けて、東京市場も買い先行でスタートし、日経平均株価はプラス圏で推移しました。ただ、為替が円高に振れると上値は抑えられ、前場は小幅高の水準で推移する展開となりました。その後、後場に入ると午後1時過ぎから先物の買いが膨らみ、現物の日経平均株価も次第に上げ幅を広げました。後場中ごろ以降は100円を超える上げ幅を維持し、終盤も堅調な展開のまま大引けを迎えています。

TOPIX業種別指数では、情報・通信、電気・ガス、ゴム、精密、医薬品など27業種が上昇。一方、海運、その他金融、不動産など6業種が下落。

日経平均株価、TOPIXともに6日ぶりの反発となっています。

15日(火)の東京株式市場は続伸しました。前日の米国市場でダウ工業株30種平均株価が5日ぶりに1万7000ドル台を回復した流れを引き継ぎ、東京市場も買いが広がる展開となりました。日経平均株価は前場で+144円まで上昇し、前日の+132円と合算して先週の5日続落分の-273円を取り戻す場面もありました。ただ、節目となる1万5500円手前の水準では、一段の上値追いにはつながらず、こう着感が強まる展開となりました。夕方の黒田日銀総裁の記者会見や夜のFRB(米連邦準備制度理事会)イエレン議長の議会証言を見極めたいとする向きもあり、後場は次第に上値が重くなるなか大引けを迎えています。

TOPIX業種別指数では、ゴム製品、その他金融、不動産、保険、非鉄金属など32業種が上昇。一方、石油・石炭の1業種のみが下落。

日経平均株価、TOPIXともに続伸となっています。

16日(水)の東京株式市場は3日ぶりに反落しました。前日のFRBイエレン議長による議会証言では、ゼロ金利政策の継続が示されたものの、従来通りとの見方から市場の反応は限定的なものとなりました。その後の東京市場は、利食い売り先行でスタートし、午前11時に発表された中国の4月-6月期のGDP(経済成長率)が市場予想とほぼ同水準の7.5%だったことから材料出尽くし感も漂い、後場中ごろまでは、方向感に乏しい展開が続きました。ただ、下値では押し目買いも入りやすく、日経平均株価は前日の終値を挟んでもみあい、終盤はやや下げ幅を広げる形で大引けを迎えています。

TOPIX業種別指数では、電気・ガス、不動産、空運、輸送用機器など17業種が上昇。一方、保険、その他金融、非鉄金属、機械など16業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに3日ぶりの反落となっています。

17日(木)の東京株式市場は小幅続落となりました。前日の米国市場では、好決算銘柄を始めとする主力銘柄に買いが広がり、ダウ工業株30種平均株価が8日ぶりに終値ベースで過去最高値を更新しました。その流れを引き継いだ東京市場も、序盤は買いが先行し、日経平均株価は一時、+86円まで上昇する場面もありました。ただ、節目の1万5500円に接近すると、持ち高調整の売りが出やすく、上げ幅が縮小する展開となりました。後場に入ると下げに転じ、主力企業の決算発表を見極めたいとするムードが漂うなか、結局、小幅安で大引けを迎えています。

TOPIX業種別指数では、鉱業、建設、陸運、小売など15業種が上昇。一方、証券、海運、鉄鋼、不動産、輸送用機器など18業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに続落となっています。

18日(金)の東京株式市場は3日続落となりました。前日の米国市場では、ウクライナ東部でマレーシア航空機が墜落したニュースや、緊迫化する中東情勢を受けて、ダウ工業株30種平均株価が5日ぶりに大幅反落しました。その流れを引き継いだ東京市場も朝方から売り先行で始まり、終始マイナス圏で推移しました。三連休前の週末ということもあり、後場に入ってからは、持ち高調整の売りが出やすい一方、下値では押し目買いも入りやすく、マイナス圏でこう着感を強めました。終盤も薄商いで方向感に乏しい展開が続くなか、結局、日経平均株価は-154円で大引けを迎え、売買代金は13日連続で活況の目安となる2兆円割れとなっています。

TOPIX業種別指数では、鉱業、陸運の2業種のみが上昇。一方、倉庫、保険、ガラス・土石、証券、紙・パルプなど31業種が下落。

日経平均株価、TOPIXともに3日続落となっています。

来週の予定です。21日(月)は祝日のため国内の市場は休場です。三連休明けの22日(火)からは、東京証券取引所が主要な100銘柄(TOPIX100構成銘柄)の株価の刻み幅を縮小するため、1000円以下の株価は10銭刻みとなります。24日(木)には中国で、HSBC中国PMI(製造業購買担当者景気指数)が発表されます。また週末の25日(金)から8月4日まで、安倍首相が中南米(ブラジル・メキシコなど)を訪問します。いずれもぜひチェックしておきたいところです。

執筆者プロフィール : 鈴木 ともみ(すずき ともみ)

経済キャスター・ファィナンシャルプランナー・DC(確定拠出年金)プランナー。著書『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスター。中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、現・ラジオNIKKEIに入社。経済番組ディレクター(民間放送連盟賞受賞番組を担当)、記者を務めた他、映画情報番組のディレクター、パーソナリティを担当、その後経済キャスターとして独立。企業経営者、マーケット関係者、ハリウッドスターを始め映画俳優、監督などへの取材は2,000人を超える。現在、テレビやラジオへの出演、雑誌やWebサイトでの連載執筆の他、大学や日本FP協会認定講座にてゲストスピーカー・講師を務める。