東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏が、月曜~金曜(休日は除く)の東京株式市場を振り返って解説します。

株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏((C) サコカメラ)


経済キャスターの鈴木ともみです。東京株式市場の今週一週間の相場動向についてお伝えします。日経平均株価の今週末(終値)は前週末比+342円13銭となりました。

今週の高値は7月4日(金)の1万5490円37銭、一方、安値は6月30日(月)の1万5052円34銭。高安の値幅は438円03銭。米国市場でダウ工業株30種平均株価が初めて1万7000ドル台に乗せ、過去最高値を更新するなか、東京市場も堅調に推移しました。

では、具体的にこの一週間を振り返ってみましょう。

6月30日(月)の東京株式市場は反発しました。前日の米国市場が、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数を中心に、堅調に推移した流れを引き継ぎ、東京市場も買い先行でスタートしました。ただ、その後は為替が円高に振れたことが重しとなり、主力銘柄の上値が抑えられる展開となりました。翌日の日銀短観や週末の米雇用統計など注目イベントを控えて様子見気分が広がるなか、小型株には買いが入る流れとなり、底堅さを保ちつつTOPIXはこの日の高値圏で大引けを迎えています。TOPIX業種別指数では、その他金融、ガラス・土石、小売、食品、建設など31業種が上昇。一方、鉱業、証券の2業種が下落。

日経平均株価、TOPIXともに反発となっています。

7月1日(火)の東京株式市場は続伸しました。朝方に発表された6月の日銀短観(企業短期経済観測調査)で大企業製造業のDI(業況判断)が市場予想を下回り、新たな手掛かり材料にならなかったことから、東京市場の序盤は小幅高でスタートしました。ただ、その後は先物にまとまった買いが入り、日経平均株価は一時200円を超える上げ幅となりました。後場に入り、やや利食い売りが出たものの、1万5300円近辺では押し目買いも入り、主力大型株だけでなく、割安の小型株にも買いが広がるなか、東証1部の小型株指数は年初来高値を更新しています。

TOPIX業種別指数では、鉱業、精密、機械、電気機器、非鉄金属など32業種が上昇。一方、水産・農林の1業種のみが下落。

日経平均株価、TOPIXともに続伸となっています。

2日(水)の東京株式市場は3日続伸。前日の米国市場でダウ工業株30種平均株価が過去最高値を更新し、ナスダック総合株価指数も約14年3カ月ぶりの高値を付けたことから、東京市場も買い先行で始まりました。日経平均株価は序盤に一時、+118円まで上昇し、6月23日に付けた直近高値を上回る場面もありました。ただ、節目の1万5500円近辺では利益確定売りが出やすく、終盤は伸び悩んで大引けを迎えています。TOPIX業種別指数では、ゴム製品、海運、その他金融、情報・通信、銀行など26業種が上昇。一方、鉱業、ガラス・土石、建設など7業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに3日続伸となっています。

3日(木)の東京株式市場は4日ぶりに反落しました。前日の米国市場が上昇したことを受けて、東京市場も買い先行で始まりました。ただ、日本時間の夜に、米雇用統計とECB(欧州中央銀行理事会)の開催を控えて、上値追いには慎重なムードが広がり、日経平均株価は結局、この日の始値が高値となりました。

前日まで3日続伸していたため、前場中ごろから利食い売りが出る一方、下値では押し目買いも入りやすく、下げ幅は限られるまま大引けを迎えています。TOPIX業種別指数では、電気・ガス、非鉄金属、機械など12業種が上昇。一方、石油・石炭、小売、証券、銀行、輸送用機器など21業種が下落。

日経平均株価、TOPIXともに4日ぶりの反落となっています。

4日(金)の東京株式市場は反発しました。前日の米国市場では、雇用統計で非農業部門の雇用者数が前月から28万8000人増加し、市場予想を大きく上回ったことから、ダウ工業株30種平均株価が初めて1万7000ドルの大台に乗せ、過去最高値を更新しました。その流れを引き継いだ東京市場も買い先行でスタートしたものの、買い一巡後はやや伸び悩み、日経平均株価は前日同様に始値がこの日の高値となりました。総じて始値を上回ることはなく、1万5450円近辺でもみ合う展開が続きました。後場に入ってからも、こう着状態は続き、後場の日経平均株価の高安の値幅はわずか29円程度と、値動きの乏しい展開のまま大引けを迎えています。

TOPIX業種別指数では、非鉄、鉄鋼、空運、精密など27業種が上昇。一方、鉱業、保険、石油・石炭など6業種が下落。

日経平均株価、TOPIXともに反発となっています。

来週の予定です。8日(火)に国内で5月分の国際収支が発表されます。9日(水)には米国でFOMC(米連邦公開市場委員会)の議事要旨が公表されます。10日(木)には5月分の機械受注統計が発表となります。11日(金)にはオプションSQ(株価指数オプションと日経平均先物7月物の特別清算指数)が算出されます。いずれもぜひチェックしておきたいところです。

執筆者プロフィール : 鈴木 ともみ(すずき ともみ)

経済キャスター・ファィナンシャルプランナー・DC(確定拠出年金)プランナー。著書『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスター。中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、現・ラジオNIKKEIに入社。経済番組ディレクター(民間放送連盟賞受賞番組を担当)、記者を務めた他、映画情報番組のディレクター、パーソナリティを担当、その後経済キャスターとして独立。企業経営者、マーケット関係者、ハリウッドスターを始め映画俳優、監督などへの取材は2,000人を超える。現在、テレビやラジオへの出演、雑誌やWebサイトでの連載執筆の他、大学や日本FP協会認定講座にてゲストスピーカー・講師を務める。