東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏が、月曜~金曜(休日は除く)の東京株式市場を振り返って解説します。

株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏((C) サコカメラ)


経済キャスターの鈴木ともみです。東京株式市場の今週一週間の相場動向についてお伝えします。日経平均株価の今週末(終値)は前週末比-103円となりました。

今週の高値は13日(火)の1万4464円01銭、一方、安値は16日(金)の1万4016円49銭。高安の値幅は447円52銭でした。

今週は、手掛かり材料が見当たらず、週間の下落幅は100円強と、膠着感の強い相場展開が続きました。

では、具体的にこの一週間を振り返ってみましょう。

12日(月)の東京株式市場は3日ぶりに反落しました。ウクライナ情勢への懸念も拭えず、様子見ムードもあるなか、東京市場は売り先行で始まりました。その後はプラスに転じる場面があったものの、積極的に上値を買う手掛かり材料もないなか動意に乏しく、後場中頃までは、マイナス圏での軟調な展開が続きました。午後2時に発表された4月の景気ウオッチャー調査(街角景気)で先行き判断指数が5カ月ぶりに大きく改善したことから、今一度持ち直す場面もありましたが、買いの勢いは続かず、終盤は大型株に売り物が増え、TOPIXやJPX日経インデックス400指数は、安値引けとなっています。TOPIX業種別指数では、精密機器、食品など4業種が上昇。一方、ゴム製品、非鉄金属、情報・通信、不動産、輸送用機器など29業種が下落。

日経平均株価、TOPIXともに3日ぶりの反落となっています。

13日(火)の東京株式市場は大幅反発。前日の米国市場でダウ工業株30種平均株価が連日で最高値を更新したことから東京市場も、買い先行で始まりました。米長期金利の上昇を受けて為替もやや円安に振れたこともあり、先物や主力銘柄に買いが広がりました。日経平均株価は後場中ごろに一時、+314円まで上昇する場面もありました。終盤はやや上げ幅が縮小したものの、約3週間ぶりに25日移動平均線を回復し、大幅高で大引けを迎えています。

TOPIX業種別指数では、不動産、証券、非鉄金属、輸送用機器など32業種が上昇。一方、ゴム製品のみ1業種が下落。

日経平均株価、TOPIXともに反発となっています。

14日(水)の東京株式市場は小幅まちまちの展開となりました。ダウ工業株30種平均株価やS&P500種株価指数、ドイツDAX指数など、欧米の主要株価指数が直近高値を更新する一方、東京市場ではこの流れを引き継いだ買いは限られ、売り優勢のなかで取引がスタートしました。前日に大幅高となった反動から利益確定売りに押されるなか、売り一巡後は膠着感の強い展開となりました。ただ、大引けにかけてはトヨタ、ホンダなど大型株の一角に買いが入り、TOPIXは高値引けとなっています。TOPIX業種別指数では、不動産、その他金融、ゴム製品、証券など27業種が上昇。一方、建設、銀行、鉄鋼など6業種が下落。日経平均株価は反落、TOPIXは続伸となっています。

15日(木)の東京株式市場は下落。前日の米国市場で主要3指数がそろって下落し、為替もやや円高に振れたことから、東京市場も売り優勢でスタートしました。取引前に発表された1月-3月期のGDP(国内総生産)経済成長率が前期比年率+5.9%と、市場予想を大きく上回ったものの、駆け込み需要の効果との見方から、買い材料視されませんでした。日経平均株価は序盤に一時、-215円となる場面もあり、その後も軟調な展開が続きました。後場に入り、決め手となる材料不足から値動きの乏しい展開が続くなか、前日同様に、大引けにかけては買い戻しが入り、下げ渋る形で終了しています。TOPIX業種別指数では、石油・石炭、不動産、海運など11業種が上昇。一方、その他金融、証券、精密、保険、電気機器など22業種が下落。日経平均株価は続落、TOPIXは3日ぶりの反落となっています。

16日(金)の東京株式市場は続落しました。前日の米国市場でダウ工業株30種平均株価が約一カ月ぶりの下げ幅となったのを受け、東京市場も全面安の展開となりました。米長期金利が半年ぶりの低水準を記録した他、為替が101円台半ばまで円高に振れたこともあり、軟調な展開は続きました。後場に入ると、日経平均株価はさらに下げ幅を広げ-282円まで下落する場面もありましたが、その後は下げ渋り、大幅安の水準とは言え心理的な節目である1万4000円を維持しつつ大引けを迎えています。TOPIX業種別指数では情報・通信、石油・石炭、電気・ガス、その他金融、銀行、紙・パルプなど全33種が下落。

日経平均株価は3日続落、TOPIXは続落となっています。

来週の予定です。まずは国内で19日(月)に3月分の機械受注統計が発表されます。20日(火)~21日(水)には、日銀金融政策決定会合が開かれます。また、21日(水)には国内で4月分の貿易統計が、米国ではFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨が発表となります。

いずれもぜひチェックしておきたいところです。

執筆者プロフィール : 鈴木 ともみ(すずき ともみ)

経済キャスター・ファィナンシャルプランナー・DC(確定拠出年金)プランナー。著書『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスター。中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、現・ラジオNIKKEIに入社。経済番組ディレクター(民間放送連盟賞受賞番組を担当)、記者を務めた他、映画情報番組のディレクター、パーソナリティを担当、その後経済キャスターとして独立。企業経営者、マーケット関係者、ハリウッドスターを始め映画俳優、監督などへの取材は2,000人を超える。現在、テレビやラジオへの出演、雑誌やWebサイトでの連載執筆の他、大学や日本FP協会認定講座にてゲストスピーカー・講師を務める。