東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏が、月曜~金曜(休日は除く)の東京株式市場を振り返って解説します。

株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏((C) サコカメラ)


経済キャスターの鈴木ともみです。東京株式市場の今週一週間の相場動向についてお伝えします。日経平均株価の今週末(終値)は前週末比+28円25銭となりました。

GW連休の谷間であったため、売買高は膨らまず、東証1部の売買代金は週末まで14日連続で2兆円を下回っています。今週の高値は1日(木)の1万4493円03銭、一方、安値は28日(月)の1万4224円47銭。高安の値幅は268円56銭でした。

では、具体的にこの一週間を振り返ってみましょう。

4月28日(月)の東京株式市場は反落しました。前週末の米国市場が下落した流れを引き継ぎ、東京市場も朝方から売りが先行しました。為替も1ドル=102円台前半とやや円高で推移するなか、GW連休の谷間にウクライナ情勢不安が再燃したこともあり、投資家心理が悪化し、買い手控えムードの強い展開となりました。先物の売りが続き、日経平均株価の下げ幅は一時、200円を超える場面もありました。後場に入ってからは落ち着きを取り戻したものの、祝日前とあって、戻りは限定的なものとなりました。

TOPIX業種別指数では水産・農林、石油・石炭の2業種が上昇。一方、輸送用機器、その他金融、電気機器、証券、機械など31業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに反落となっています。

30日(水)の東京株式市場は小反発。28日、29日と海外市場が堅調に推移したことから、東京市場も朝方から主力株を中心に買いが先行しました。日経平均株価は一時、+132円まで上昇。ただ、日銀の金融政策決定会合やFOMC(米連邦公開市場委員会)の結果発表を前に、上値追いには慎重なムードとなりました。後場に入り、日銀が金融政策の現状維持を決めたことが伝わると、大方の予想通りの結果とあって、反応は限定的なものとなりました。その後、午後3時に発表された日銀の展望レポートのなかで、2016年度のCPI(物価上昇率)が2.1%に達成するとの予測が明示され、強気の見通しは追加の金融緩和を後退させるとの見方につながり、午後3時以降に先物の売りが膨らみました。

TOPIX業種別指数では陸運、医薬品、食品、不動産など18業種が上昇。証券、その他金融、海運、機械など15業種が下落。

日経平均株価、TOPIXともに反発となっています。

5月1日(木)の東京株式市場は続伸しました。前日の米国市場でダウ工業株30種平均株価が終値ベースで過去最高値を更新した流れを引き継ぎ、東京市場も朝方から買い戻しの展開となりました。国内企業の前期(2014年3月期)決算が好業績だった銘柄や、今期(2015年3月期)の業績見通しの明るい銘柄を中心に買いが広がりました。大引けにかけては、大型株の一角が一段高となり、TOPIXは高値引けとなっています。

TOPIX業種別指数では証券、その他金融、電気・ガス、海運、保険など32業種が上昇。一方、食品の1業種のみが下落。日経平均株価、TOPIXともに続伸しました。

2日(金)の東京株式市場はまちまちの展開となりました。

前日の日経平均株価が+181円と大幅高となった反動から、東京市場は朝方から利益確定売りが優勢となりました。ただ、4連休前、夜に米国の雇用統計の発表を控えていることから、様子見ムードが漂うなか、狭いレンジでの相場展開となり、前場の日経平均株価の高安の値幅は、わずか55円52銭ほどとなりました。後場に入ってからも、小安い水準でもみ合う展開が続いたものの、終盤には買い戻しの動きから日経平均株価は-11円まで下げ幅を縮小、TOPIXはプラスに転じて推移し連日での高値引けとなっています。

TOPIX業種別指数では不動産、その他金融、海運、銀行、紙・パルプなど14業種が上昇。一方、電気・ガス、非鉄、鉱業、水産・農林、鉄鋼、空運19業種が下落。

日経平均株価は3日ぶりの反落、TOPIXは3日続伸となっています。

来週の予定です。東京株式市場は、GW連休明けの7日(水)からのスタートとなります。7日(水)には日銀の金融政策決定会合の議事要旨が公開されます。8日(木)には中国で4月分の貿易統計が発表され、欧州ではECB(欧州中央銀行)の理事会が開催されます。いずれもぜひチェックしておきたいところです。

執筆者プロフィール : 鈴木 ともみ(すずき ともみ)

経済キャスター・ファィナンシャルプランナー・DC(確定拠出年金)プランナー。著書『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスター。中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、現・ラジオNIKKEIに入社。経済番組ディレクター(民間放送連盟賞受賞番組を担当)、記者を務めた他、映画情報番組のディレクター、パーソナリティを担当、その後経済キャスターとして独立。企業経営者、マーケット関係者、ハリウッドスターを始め映画俳優、監督などへの取材は2,000人を超える。現在、テレビやラジオへの出演、雑誌やWebサイトでの連載執筆の他、大学や日本FP協会認定講座にてゲストスピーカー・講師を務める。