東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏が、月曜~金曜(休日は除く)の東京株式市場を振り返って解説します。

株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏((C) サコカメラ)


経済キャスターの鈴木ともみです。東京株式市場の今週一週間の相場動向についてお伝えします。日経平均株価の今週末(終値)は前週末比-149円38銭となりました。前週末の7日(金)から祝日の11日(火)をはさんで12日(水)まで、今年初の3日続伸となったものの、13日(木)には大幅反落、14日(金)も大幅続落。週後半の2日間で480円を超える下げ幅となりました。今週の高値は12日(水)の1万4874円79銭、安値は14日(金)の1万4243円17銭、高安の値幅は631円62銭となっています。

では、具体的にこの一週間を振り返ってみましょう。

10日(月)の東京株式市場は続伸しました。7日(金)に米国で発表された1月の雇用統計は、非農業部門雇用者数の増加幅が市場予想に届かなかったものの、失業率は6.6%に低下し、この結果を受けて米国市場は上昇。米株高の流れを引き継いだ東京市場も朝方から主力株を中心に幅広い銘柄に買いが入りました。ただ、休前日ということもあり、前場中ごろには持ち高調整の売りから上値が抑えられる場面も見られました。しかし、後場に入ると堅調なアジア市場につれて再び買いの勢いが強まり、日経平均株価、TOPIXともにこの日の高値近辺で終了しています。

TOPIX業種別指数では、その他製品、情報・通信、精密、電気機器、小売など31業種が上昇。一方、保険、電気・ガスの2業種が下落。

日経平均株価、TOPIXともに続伸となりました。

12日(水)の東京株式市場は3日続伸。FRB(米連邦準備制度理事会)のイエレン議長が米下院証言において、雇用情勢について慎重な見方を示したことから、過度な金融緩和縮小観測が後退。前日の米国市場では、ダウ工業株30種平均株価が今年最大の上げ幅を記録しました。これを受けて、休日明けの東京市場は買いが先行し、幅広い銘柄が物色される展開となりました。とは言え、このところ急ピッチで戻りを試していることから一服感も意識され、後場に入ると、利益確定売りが出始め、結局、伸び悩む流れのまま大引けを迎えています。

尚、日経平均株価が3日続伸するのは今年に入って初めて。また、一日の高値と安値の値幅は105円と、今年最小となっています。

TOPIX業種別指数では、ゴム製品、保険、電気・ガス、非鉄金属、海運など32業種が上昇。一方、証券の1業種が下落。

日経平均株価、TOPIXともに3日続伸となっています。

13日(木)の東京株式市場は4日ぶりに大幅反落。前日の米国市場が反落した流れを引き継ぐなか、国内でも主要企業の2013年4月~12月期の決算発表が大方終了し、手がかり難から買いは手控えられました。前場から幅広い銘柄に売りが先行し、後場に入ると、先物売りから一段安となり、徐々に下げ足を速める展開に。大引け13分前の日経平均株価は、下げ幅が300円を超え、終盤にかけて軟調な流れのまま、この日の安値圏で大引けを迎えています。

TOPIX業種別指数では全33業種が下落。値下り率上位は不動産、鉄鋼、その他製品、空運、非鉄金属など。

日経平均株価、TOPIXともに4日ぶりの反落となっています。

14日(金)の東京株式市場は大幅続落。前日の米国市場でダウ工業株30種平均株価が反発したこと受けて、東京市場も朝方は反発してスタートし、日経平均株価は一時、143円高まで上昇しました。しかしその後は、徐々に上げ幅を縮小し、前場の後半には一気にマイナスに転じました。後場に入り為替が円高に振れると、日経平均株価はさらに下げ幅を拡大し、一時、290円安となる場面もありました。その後はやや持ち直す展開が見られたものの、利益確定目的の先物売りは止まらず、終盤も軟調な流れのまま、200円を超える下げ幅で大引けを迎えています。

TOPIX業種別指数では、石油のみ1業種が上昇。一方、その他金融、不動産、紙・パルプ、証券、鉄鋼、非鉄、水産など32業種が下落。

日経平均株価、TOPIXともに続落となっています。

来週の予定です。17日(月)は米国市場が休場、国内では2013年10月~12月期のGDP(国内総生産)速報値が発表されます。また、日銀の金融政策決定会合が17日(月)~18日(火)に開かれます。19日(水)には、米国でFOMC(米連邦公開市場委員会)1月(28日~29日)分の議事録が公開となります。週末22日(土)~23日(日)には、G20(20カ国・地域)財務相・中央銀行総裁会議がオーストラリアのシドニーで開催されます。いずれもぜひチェックしておきたいところです。

執筆者プロフィール : 鈴木 ともみ(すずき ともみ)

経済キャスター・ファィナンシャルプランナー・DC(確定拠出年金)プランナー。著書『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスター。中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、現・ラジオNIKKEIに入社。経済番組ディレクター(民間放送連盟賞受賞番組を担当)、記者を務めた他、映画情報番組のディレクター、パーソナリティを担当、その後経済キャスターとして独立。企業経営者、マーケット関係者、ハリウッドスターを始め映画俳優、監督などへの取材は2,000人を超える。現在、テレビやラジオへの出演、雑誌やWebサイトでの連載執筆の他、大学や日本FP協会認定講座にてゲストスピーカー・講師を務める。