つらいつらい「花粉症」。全国の多くの地域で悩む人が増えるシーズンに突入したようです。毎年悩まされている人も最近デビューした人も、今一度基本をおさらいしておきましょう。医師の甲斐沼孟氏に聞きました。
——花粉症の症状が出たときの治療薬(処方薬・市販薬)にはどんなものがありますか?
花粉症を悪化させないためには、病院で診察を受けて治療することが大切です。
一般的に、軽度の症状や一時的な症状であれば、市販の抗ヒスタミン剤や鼻スプレーなどの薬を利用して自己治療を行うことができます。
特に、症状が長期間続いている、あるいは呼吸困難、喘鳴、発熱などの重度症状が出ている場合には、早急に専門医療機関を受診して相談しましょう。
眼科では、目のかゆみや充血、涙目、目のかすみ、まぶたの腫れなど花粉症による目の症状の診療を受けることができ、目のかゆみや充血を抑える「点眼薬」が処方され、症状によっては「洗眼液」が処方される場合もあります。
薬物療法としては、抗ヒスタミン薬や抗ロイコトリエン薬の内服や鼻噴霧用ステロイド薬が中心です。
——花粉症の症状が出たときの治療法にはどんなものがありますか?
レーザー治療を行うのは花粉症のシーズン前で、花粉飛散期に行うことはなく、レーザー治療は繰り返して実施することが可能であり、ある程度花粉症の症状は改善しますが、花粉症そのものを根治させることはできません。
また、原因物質によってはアレルゲン免疫療法が検討されることもあり、アレルゲン免疫療法は症状の改善や流行期の薬剤使用量の減少が期待できる治療方法ですが、数年間以上の長期間の継続治療が必要となります。
アレルゲン免疫療法とは、アレルギーの原因となる抗原を投与することによって原因物質に対する過敏性を抑えることで、症状を和らげる治療方法であり、特にスギ花粉症に対する免疫舌下療法が広く知られています。
花粉症の原因物質(アレルゲン)であるスギ花粉のエキスを少しずつ体の中に取り込んで、徐々にスギ花粉に体を慣らして、症状が起こらないように体質を改善していく治療法となります。
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