テレビ大好き芸人の橋爪ヨウコです。学生時代はテレビをたくさん見ているというだけで地位を確立し、現在も睡眠時間3時間、テレビ視聴時間12時間の“テレビを愛し!テレビにはまだそんなに愛されていない女…!”そんな私橋爪がとにかく熱い!と思っているドラマをご紹介していく連載シリーズ「こじらせハスキー・橋爪ヨウコの三度の飯よりテレビが好き!」。

今期は面白いドラマが多く、語りたいものがあり過ぎて迷いに迷ったのですが、「やはり我々は池井戸潤さんが好き!」と再確認させてくれる『ノーサイド・ゲーム』(TBS系、毎週日曜21:00~)をご紹介したいと思います!

  • 松たか子(左)と大泉洋=9月15日放送の最終話より (C)TBS

■演技未経験者をキーパーソンに起用

『ノーサイド・ゲーム』は、『半沢直樹』『下町ロケット』『陸王』などの池井戸潤さんの小説が原作。大手自動車メーカー「トキワ自動車」で働く君嶋隼人(大泉洋)は、常務の滝川桂一郎(上川隆也)が推し進める企業買収案件に対し反発をしてしまったせいで工場に左遷され、興味のない自社の崖っぷちラグビーチーム「アストロズ」のGMを兼務することに。君嶋自身とラグビーチームを重ねながら再起に挑んでいくストーリーです。

池井戸潤さん原作のドラマは「ハズレなし!」と言っていいほど、毎回面白く今回も放送前から楽しみにしていたのですが、内容がラグビーの話がメインということで、今まで34年間ラグビーに興味を示さずに生きてきた身としては果たして入り込めるかな?と心配していました。それでも、回が進むごとに「ラグビーのルール覚えたい! 生で観てみたい!」とラグビーを調べ始め、前は軽くスルーしながら観ていた『アメトーーク!』の「ラグビー芸人」の回をもう一度見直すほどドハマり。

しかも、毎回迫力あるラグビーシーンを観て「めちゃくちゃリアルで、本当の試合観てるみたいだなぁ」と呑気に思っていたら、アストロズのメンバーは、トップレベルのラグビー経験者が演じているではありませんか! 「そりゃリアリティあるはずだわい!」とデカめの声で叫んでしまうほど驚きました。

さらに、ラグビー経験者の俳優さんだけではなく、演技経験のない日本代表キャプテン経験者・廣瀬俊朗さんなどを起用し、それもラグビーシーンだけの脇役ではなく、セリフが沢山あるキーパーソンな役どころを任せています。これは、演出の福澤克雄さんと廣瀬さんが、学年は違えど同じ慶應大学ラグビー部出身だったことから直々にオファーして実現したものだそうですが、視聴者の1人としては演技経験のない方を起用するって怖くなかったのかなぁ?と勝手に心配しますよね。

でも、そんな心配などご無用!と言わんばかりの存在感を発揮していて、この『ノーサイド・ゲーム』には絶対に廣瀬さんが居なくちゃダメだ!と思わせる欠かせないキャストなんです。

  • 『ノーサイド・ゲーム』(TBS系、毎週日曜21:00~)
    15日放送の最終話は、カザマ商事買収の一件を収束させて常務に昇進した脇坂(石川禅)はこれまでの態度を一変させ、ラグビー部廃止を公言。次の取締役会でアストロズの予算削減案を提案するという。君嶋(大泉洋)は日本蹴球協会の専務理事・木戸(尾藤イサオ)にプラチナリーグの改革案を持ち込むが…。一方、アストロズはサイクロンズとの全勝対決に向けてハードな練習に励む。ブレイブス戦でヒザを負傷した浜畑(廣瀬俊朗)も懸命なリハビリを続けていた。そしてついに決戦の日を迎える。
    (C)TBS

■狩野伸太郎が成長して帰ってきた!

そういった話題性のあるエピソードがこのドラマには沢山あります。出演予定がなかった、ラグビー経験者の濱田岳さんが、テレビを観て「ぜひとも出演したい!」と熱望したところ、同じくTBSの『3年B組金八先生』で演じた役柄と同じ「狩野伸太郎」の名で出演が実現するのです! それも、演出の福澤さんが、濱田さんが出演していた『金八先生』も演出していていたこともあり、「『金八先生』の狩野伸太郎が成長して帰ってきた!」とドラマファンとしては大興奮の出来事でした。

福澤さんはこれまでも、『半沢直樹』で上戸彩さん、『陸王』で風間俊介さんと、『金八先生』の生徒を大事な役柄で起用していて、何年経ってもずっとかわいがっているんだなと、ほっこりしてしまいます。

そしてまたすごいのが、廣瀬さんが『ノーサイド・ゲーム』の番宣で局の垣根を超えて、日テレ『しゃべくり007』に出演するという前代未聞の出来事まで起きているのです! 観ていて、それってタブーじゃないの!?とザワザワしつつも、今年はラグビーワールドカップが日本開催ということで、ライバル局同士ではあるけれど、面白いものは面白い!とスポーツマンシップにのっとり、正々堂々と称えつつ戦っている感じもして、勝手に感動してしまいました。

内容が面白いのはもちろんですが、こういった話題性のあるエピソードも面白い『ノーサイド・ゲーム』。前話では君嶋が、カザマ商事買収の一件でずっと敵だと思っていた滝川常務が実は敵ではなく、味方だと思っていた脇坂(石川禅)が本当の敵だと気づいてしまいました。一方、ブレイブス戦でヒザを負傷してリハビリ中の浜畑(廣瀬)はどうなるのか、そして決勝戦は!?

兎にも角にも、今夜放送の最終回が待ち遠しい!独身34歳。彼氏いない歴はもう覚えていない、女としてノーサイド気味な私が『ノーサイド・ゲーム』のノーサイド(最終回)を見届けたいと思います!

■プロフィール
橋爪ヨウコ
1985年生まれ、群馬県出身。2014年に、ドイツみちことお笑いコンビ「こじらせハスキー」を結成し、『ウチのガヤがすみません!』(日テレ)などに出演。ピンでも『新・週刊フジテレビ批評』(フジ)に出演し、1日12時間のテレビ視聴をノルマと課す超テレビっ子。現在、「サッポロ一番」のCMにも出演中。

ツイッター「@dumeko」
ブログ「橋爪ヨウコの群馬大好きなんさー」

FMがいや『こじらせハスキーのおっとろしやラジオ』毎月第1・3日曜日18:00~(再放送21:00~)

『太田プロJrライブG4』
【日程】9月22日(日)
【時間】開場15:00/開演15:30
【料金】前売1,000円
【場所】西新宿ハーモニックホール