こんにちは! パーソナルトレーナーの片岡です。今回は、カッコいい身体を手に入れるためのトレーニング法をお伝えします。

背中を鍛えずしてボディメイクは成功しない

皆様は自分の後ろ姿を見たことがありますか? 後ろ姿はその方の運動習慣を表しています。女性であれば、お尻・くびれ、男性であれば、背中から肩周り。身体がカッコいい男女は、後ろ姿まで美しいのです。その中で皆様に特に鍛えてほしい筋肉、それが「背中」です。

美しい背中を作り上げる際、「どんなトレーニングをしているのか? 」と疑問に思う方も多いと思います。「この種目だけやれば間違いなし! 」ということはありません。さまざまな角度から背中に刺激を与え、かつ、追い込む必要があります。

美しい背中をした方がメインに取り入れている種目が 「ラットプルダウン」という種目です。私も普段のトレーニングで毎回行っていますが、初心者の方こそ取り組んでほしい種目となります。それだけラットプルダウンは美しい背中を作るうえで、可能性を秘めているのです。ラットプルダウンに限った話ではないですが、特に背中のトレーニングでは、どこをターゲットにしているのかを明確にし、意識することが大変重要となります。

ただやみくもに引き続けるだけでは片寄った筋肉の付き方になってしまいます。自分から見えない部位だからこそ、カラダで感じるイメージが必要です。背中の筋肉がまだついていない人にとっては、非常に意識しにくいことですが、やり方のポイントを押さえることにより、段々と意識できるようになってきます。対象部位を意識して取り組むことで、次の日にも気持ちいいくらい筋肉痛がくると思います。それをつかめば、バランスよく背中を鍛えていけるでしょう。

厳密に言えば、背中にはもっとたくさんの筋肉があり、鍛える必要がありますが、あくまで今回は「効率よく逆三角形の背中を手に入れること」にポイントをおいて、ラットプルダウンの解説をしていきます。

背中の筋肉を理解する!

背中のトレーニングで全てに共通することが「腕を使って引かないこと」「肩甲骨の動きを意識すること」です。

その上で背中の筋肉を解説していきます。

広背筋、大円筋

広背筋は背中の下部から脇の下にかけて広がる、人体で最も面積の大きい筋肉です。主に腕を前方や上方から引く動きの際に作用します。また、大円筋は脇の下に位置し、肩甲骨から上腕骨へつながる筋肉になり、主に広背筋の腕を引く働きを補佐する役割を持っています。これらの部位を鍛えることにより、カッコいい逆三角形のボディを最短で手に入れることが可能です。

僧帽筋上部、中部

僧帽筋は背中の中央から上部にかけて広がる大きな筋肉です。背中と聞くと広背筋というイメージがありますが、僧帽筋もとても大きな筋肉のため、必ず鍛えておく必要があります。特に僧帽筋上部は首の付け根にある部分で、一般的に「僧帽筋といったらここ! 」という部位です。

後述する動画は「フロントラットプルダウン」という手法ですが、頭の後ろに引く「ビハインドネック」のラットプルダウンでは、主に背中上背部をメインに鍛えるトレーニングとなります。肩をすくめるようにビハインドネックラットプルダウンをすると、僧帽筋上部に刺激が入ります。ただ、疲れてくると勝手に効いてしまう部位となりますので、あくまで上背部をメインで収縮させる意識で行うと効果的です。

僧帽筋中部、下部

背中の中央で、僧帽筋の中部から下部にかけての筋肉です。肩甲骨を寄せる動きの際に強く収縮をしますので、フロントラットプルダウンでも、ビハインドラットプルダウンでも両方刺激が入る部位です。

中上級者の人は、ラットプルダウンのほかにバーベルやダンベルの種目を取り入れ、よりさまざまな角度から違う刺激を入れるのも効果的ですが、対象部位を意識して取り組むことにより、ある程度バリエーション豊かにラットプルダウンだけでも鍛えることができると思います。

また、まだ背中の筋肉に意識ができない初心者の人は、ラットプルダウンで背中の筋肉を使う感覚を養ってから、バーベルやダンベルのトレーニングを取り入れることにより、より効果的に背中を鍛えることができるのです!

正しいラットプルダウンをマスターする

「ラットプルダウン」の正しいトレーニング法をお伝えします。

この種目は広背筋・大円筋を集中的に鍛えていきます。今回は、身体の前で引く「フロントラットプルダウン」の説明です。

(1)バーを順手で握り、親指は外しておく。開始ポジションで座ったときに肩が上がらないようにする

  • バーを順手で握り、親指は外しておく

    バーを順手で握り、親指は外しておく

  • 開始ポジションで座った時に肩が上がらないように

    開始ポジションで座ったときに肩が上がらないように

(2)身体をやや後方に傾けながら、バーを胸に近づけるように引く

  • 身体をやや後方に傾けながら、バーを胸に近づけるように引く

    身体をやや後方に傾けながら、バーを胸に近づけるように引く

(3)引く際には意識的に肩甲骨を寄せるようにする

  • 引く際には意識的に肩甲骨を寄せるように

    引く際には意識的に肩甲骨を寄せるように

各10回3セットが目標です。

あなたのダイエットのきっかけとなれば幸いです。

執筆者プロフィール: 片岡 弘道(かたおか ひろみち)

パーソナルジムH-BASE代表

1989年茨城県生まれ。大学在学中にフィットネスクラブのトレーナーとしてフィットネス業界のキャリアをスタート。その後パーソナルトレーナー、スタジオインストラクターを経て2017年に独立。「運動嫌いでも通えるジム」をテーマとして2017年、吉祥寺に「パーソナルジムH-BASE」を立ち上げる。月間200本のセッションを担当する人気パーソナルトレーナー。2019年4月にエイチベース新宿店をオープン。