世界最小級パーソナルユースのカラオケボックス、Hi-kara(ハイ・カラ)。他者に気を使うこともなく、一人でカラオケができるところが素晴らしい。練習を重ねていくうちに、歌も上手くなる。この成果を誰かに聴かせたい。そんな思いが高まっても大丈夫だ。裏面にはヘッドセットの端子が二人分ついている。ヘッドセットを2つつなげれば、二人でカラオケもできるのだ。交互に歌ってもいいし、デュエットもいい。もちろん、片方の人が一方的に歌うことも許される。
前回も触れたが、あらかじめ10曲が入ったカートリッジ「ベストヒットコレクション」を利用すると、簡単に曲が選べる。が、このカートリッジ、商品説明には〈小学生からローティーンをターゲットに人気曲をセレクトした〉、と書いてある。カートリッジは6種類。例えばVol.1に入っているミュージシャンはHey! Say! JUMPやYUI、大塚愛、Perfume、EXILE、そして羞恥心だ。と、書きながら、実はこれらのミュージシャン、アイドルのうち、私は半分も知らない。だいたい普段から、テレビは見ないし、音楽といえばジャズばかり聴いている私だ。アイドルに詳しいはずもない。とはいえ、カートリッジに入っているアイドルやグループは子どもたちにとっては有名人のようである。なぜ、そうだとわかったのか? それは、先日、私がハイカラを使っていたときのことだった。
曲数は増加中
話は変わるが、20代の女性の中には、将来明るい家庭を築きたいと言う人が少なくない。いつも笑い声が響いているような、にぎやかな家が夢だという。ならば、子どものいる家庭がおすすめだ。子どもがいると、とにかく笑顔が絶えない。
娘は小学5年生になったのだが、学校が終わると友だちが遊びに来ることがよくある。彼女たちは、まずWiiやDSで遊ぶ。『マリオカート』ではアカこうらをぶつけられ、『大乱闘スマッシュブラザーズ』ではピカチュウの雷に打たれて飛ばされる。熱くなるし、大騒ぎである。にぎやかを通り越して、どちらかというとうるさい領域に入っている。私が隣の部屋で仕事しているなんて、お構いなしなのである。
子どもたちはゲームに飽きると、私が仕事をしているところにやってくる。その日、娘の友人は私の仕事部屋に入って来て、ハイ・カラに向かって一人で歌っている私を目にした。
「これ、仕事ですから……」
言い訳するように状況を説明するぐうたら主婦。娘と友人は私が触っている小さな箱がカラオケボックスだと知ると、「使ってみたい」と言い出した。娘はあまり曲を知らないようだったが、その友だちは、よく知っているのである。歌う、歌う。次々と歌っていくのである。カートリッジに入っているアイドルは小学生にとって、やはり有名な人たちだという。
娘の友人は多いときで5、6人来ることがある。そんなときはハイ・カラをテレビにつなげば大丈夫だ。しかも、別売のマイクがある。これを使えば、リビングが本格的なカラオケボックスになる。盛り上がること間違いなしだ。
カートリッジの曲は娘の年齢層に合っている。では、大人向けの曲は歌えないのか。というと、大丈夫である。専用ダウンローダーを使えば、サイトに用意されている曲を歌うことができる。サザンオールスターズ、Every Little Thing、B'zなどのJ-POP、そのほか外国曲や演歌まで、10月8日時点で3,000件以上。すでに、リリース予定に40曲以上があがっている。今後も曲数は増えていくようだ。
花見などの野外パーティでも活躍
ダウンロードした曲の課金は、プリペイドカートリッジを利用すると面倒がない。「プリペイドカートリッジ 10曲」を買っておけば、あらかじめ10曲分のお金を支払ったということになり、10曲まで好きな曲をダウンロードできる。10曲で足りなさそうな人は最初から「プリペイドカートリッジ 20曲」を買えばいい。曲数が足らなくなったら、追加して買える。
テレビがない部屋でも、別売のスピーカーを用意すればカラオケパーティーが開ける。このスピーカーは花見など、野外で楽しむときに活躍しそうだ。電源はACアダプターを別売で購入するか、電池を入れるか、2つの方法がある。
価格は、本体とマイク付ヘッドセットのセットで1万500円。本体、ヘッドセットに専用ダウンローダーがセットになったものが1万2,600円となっている。そのほか、カートリッジ、カラオケマイク、スピーカーなどが単体で買える。意外と価格は手ごろである。
ハイ・カラは子どもの誕生日プレゼントにもいいかも知れない。親によって考え方はさまざまだが、小学生が子ども同士でカラオケに行くのはまだ早いという声が強い。でも、家で楽しく歌うのなら、健全だし良いことだ。ハイ・カラは親にとって安心な商品だといえる。とはいえ、親が子どもを守りすぎると、子どもの自立が遅れるという向きもある。自立させることは親の義務なのである。
という一方で、最近は、「子どもが早々と自立しなくてもすむように、何歳になるまで保護幕を張ってやれるか、それが親の実力」と言っている教育ジャーナリストもいる。子どもを育てていると、迷うことも多いが、さまざまな意見に触れる機会がある。子育ては柔軟でいられる秘訣になるのだ。そんなわけで、話は元に戻るが、私は子どものいる家庭にすべきか、迷っているのなら、ぜひともおすすめしたいのである。
イラスト:YO-CO