新しい洗濯機が我が家にやってきた。乾燥機の調子が悪くなったので、買い換えたのだ。購入したのはナショナル「NA-VR1200R」。しかしだ。ぐうたら主婦は少しも嬉しくなかった。なぜなら、この洗濯機を選んだのは夫。私が欲しかった洗濯機は別にあったのだ。
以前、こちらのコラムでドラム式洗濯乾燥機を紹介したとき、私はナショナルと東芝の製品を紹介した。自宅用に買うときも、この両社のどちらかがいいと思っていた。でも、どちらかというと、私は東芝の冷暖房機能付きの洗濯機が欲しかったのだ。東芝のドラム式洗濯乾燥機「TW-3000VE」は冷暖房機能が付いている。冬の寒い脱衣所がほんのり暖かく、夏のブローは汗まみれにならずに快適に……! 洗面所に洗濯機を置く我が家にとって、洗濯機の冷暖房機能は重宝する。
しかも低騒音性能も優れている。最近、洗濯は夜に、と言う女性が増えているようだ。働く女性はもちろん、何かと主婦の昼間は忙しいのである。夜10時過ぎでもマンションの住民に迷惑にならない静かさは魅力なのだ。洗濯は空いた時間に気兼ねなくしたい、という願いを東芝の洗濯機は叶えてくれる。ただ、私が東芝の洗濯機を欲しいと思った一番の理由は機能性ではない。
女は見た目だけでは選ばない
ところで、男性と女性では家電製品を選ぶ基準が違うと言われている。以前、マイコミジャーナルでトレンダーズのアンケート結果が掲載された。そこには、男性の家電選びに対して、「機能性ばかりでなくデザイン(周りの家具との調和)も重視して欲しい」という女性の声があった。確かに、男性は機能、女性はデザインで選ぶことは良くあると思う。ただし、各社製品のデザインで差がつかない時、何を基準にするのか。それはメーカーのブランドイメージ、って答える女性は多いのではないだろうか。例えば、ぐうたら主婦がそうだ。今回、私が東芝の洗濯機を欲しがったのは、私が東芝というメーカーを好きだからだ。
東芝は、「地味だけど実力のある会社」である。人間にたとえると、服装など、見た目は偉い人のようには見えないけれども、実は仕事ができる。でも、口喧嘩は滅法弱い、というようなイメージを私は東芝に対して抱いている (もちろん私見)。だからこそ、私が東芝が好きなのだ。
縮みにくいところがすごい
ナショナル「NA-VR1200R」は夫が全額お金を出した。にもかかわらず文句を言うぐうたら主婦。そんなに不満なら使わなければいいのに、ちゃっかり使っている。よくよく考えると、実に大人気ない行為である。加えて、救いようがないことに、使ってみたら気に入ってしまったのだ。あれだけ東芝製品を欲しがっていたのにも関わらず、である。
気にしていた騒音だが、使ってみると思ったよりも静かなのである。夜、使っても気にならないレベルの音だ。しかも、ナイトコースが用意されている。こちらは省エネという点では他コースと比べて劣るが、その分かなり音は静か。部屋のドアを閉めていると、洗濯機を回していることを忘れてしまうくらいである。
操作パネル。見やすい色が使われている。色もきれい |
何より嬉しいのは、乾燥機に入れても衣類の縮みや傷みが少ないところ。今までは、靴下やTシャツなどは縮むのがイヤで、乾燥機を使わずに干していた。手で洗濯物を干すのって、憂うつな作業だ。そのうっとうしさから解放されるのだ。NA-VR1200Rはなぜ、洗濯物を乾燥機に入れても傷まないのか。それは、ヒートポンプ乾燥方式といって、除湿したカラッと乾いた空気で洗濯物を乾かす方式を取っているからだ。これまでのヒーターで温度を上げる方式は100℃近い熱風で乾かしていた。高温を衣類に当てるから傷むのだ。「ヒートポンプ乾燥方式」はドラム内の温度は65℃前後にしか上がらない。従来と同様、絹などは乾燥できない。だが、これまで熱に弱いから手で干していた靴下などが乾燥機で乾かせるようになった。それもこれもヒートポンプ乾燥方式のおかげなのである。
それはそうと、先のトレンダーズの記事では男性の家電選びに対して、「高ければいいものと思っているようなところもちょっと……」と書いてあったことを思い出した。たしかに、"高ければいいもの"という思い込みはある。とはいえ、ナショナルNA-VR1200はいいものには違いない。私がこの洗濯機に満足した理由を次回続けてお伝えしたい。
イラスト:YO-CO