前回にひき続き紹介する富士通ゼネラルの脱臭機「DAS-301R」は、花粉などのアレル物質を除去する空気清浄機能も備え、これからの花粉の季節に頼もしい一品である。既に強力脱臭を実現する構造のうち、第一番目のフィルターの仕組みに触れたが、今回はのこり二つの脱臭の仕掛けを紹介したい。

第二の仕掛けは「UVデオドラントユニット」。金属酸化触媒ハニカムフィルター、3波長発生UVランプ、光触媒プレート、オゾン分解触媒フィルターからなっているユニットがニオイを分解し、脱臭してくれる。光触媒プレートが持つ酸化作用を利用してニオイの分解を進めることなどにより、ペットや玄関のニオイ、排水溝の悪臭、カビのニオイを除去してくれるのだ。これで、ドアを開けると嫌なニオイがプーンと漂う玄関も改善できる。だいたい玄関が汚いとか、臭いのは「私は家事を手抜きしています」と客人に言っているようなものだ。事実なんだから仕方ないという突っ込みは置いておいて、玄関は良い匂いにしておきたい。

脱臭を実現させる機能の三つめが、消臭成分の放出。スメルアタッカーという独自の消臭成分を室内に放出し、繊維に染み付いたニオイをもとから分解、脱臭する。確かに、パワフル運転をしているとき、プールの消毒薬のようなニオイが漂うときがある。ただし、これは運転終了後、時間が経つと消えて気にならなくなる。

プレフィルター。水洗い対応

集塵フィルター。水洗い対応

適用床面積は20畳(33m2)までで、価格はオープン。マイコミジャーナルの価格情報では27,980円~53,800円となっている (2008年2月中旬)。大手メーカーが発売している空気清浄機で、機能が充実しているものは3万円前後のものが主流だ。強力脱臭の機能がついている点を考慮すると高いとはいえない。ランニングコストは、1日の電気代が約2.7円で、意外と安く済む。しかも、寝るときや赤ちゃんのいる部屋でも使えるよう、「静音運転」のモードがついている。

梱包箱の予想外の大きさには驚いたが、本体は幅27.4×高さ65.3×奥行22.1cmで、重さは6.4kg。運ぶのもラクにできるので、自分ひとりでも部屋に置くことができた。

そして、なによりすごいのはフィルター交換不要であるところだ。フィルターを新しく買う必要がないのでお金も節約できる。フィルター交換の手間が省けるのも嬉しい。搭載される金属酸化触媒ハニカムフィルターはヒーターユニットが加熱運転をすることで、低下した脱臭能力を再度元の実力まで再生するというのだ。

ただ、プレフィルターと集塵フィルターは、掃除機でホコリを吸い取る必要がある。汚れがひどいときは水洗いも必要だ。集塵フィルターの水洗いは、薄めた中性洗剤に30分くらい漬け置きする。面倒くさいといえば、そうである。この製品に限らず、出来ればエアコンのお掃除ロボットのような自動でフィルター掃除をしてくれる機能が空気清浄機や脱臭機にもあると、ぐうたら主婦は嬉しい。今後に期待である。

意外と奥行きがある

前面のカバーを外したところ

人のニオイに対する感覚は千差万別だ。私はコーヒーのニオイが好きだ。昔ながらの喫茶店に入ると、気のきいた音楽が耳に入り、コーヒーとトーストの香りが漂ってくる。家でコーヒーを飲むときは、ペーパードリップでいれることが多い。部屋中にコーヒーの香りが行き渡って、喫茶店にいるような気持ちになる。そこに好みの音楽とケーキを合わせれば、最高の楽しみなのである。しかし、娘はコーヒーのニオイはイマイチ好きになれないと言う。まだ、小学生で、コーヒーよりも甘くてミルクがたっぷり入ったココアのほうが美味しいと感じる彼女。コーヒーのニオイが好きじゃないのもわかる。しかし、私がコーヒーを入れると、「臭い、臭い」というのには困る。そんなときにも、このDAS-301Rは便利だ。"誰か"が嫌いなニオイを除去できるDAS-301Rは、やはり偉いといえる。

イラスト:YO-CO