今年は東日本在住の花粉症患者にとって辛い年になりそうだ。環境省によると、東日本では花粉飛散量が去年と比べて1.5倍から3倍になるらしい。例年と比べると例年並みかやや多くなると予測されている。西日本はほぼ昨年並みらしいが、私は東京都在住。しかも、毎年スギ花粉に悩まされている。

この時期、花粉症の人間の必需品といえば、マスク、薬。そして空気清浄機だ。春先になるとクローゼットの奥から取り出して使う。空気清浄機は家電量販店に足を運ぶと、松下、東芝、シャープなど、家電メーカー各社から発売されている。それぞれ、セールスポイントが異なり迷ってしまうのだが、皆様は空気清浄機を選ぶとき、どのような基準で選んでいるのだろうか。花粉やハウスダストなどのアレル物質を除去する機能、ウイルスをも撃退する除菌力など、力の入れどころがメーカーによって違う。
ホームページなどのうたい文句を見ると、
東芝は「Picode(ピコデ)除菌」+「たっぷり加湿」
日立は「強力ダブル脱臭」+「本格ヘルシー加湿」
松下は「ナノイー気流ロボットでハウスダストを約2倍とる」
といった具合で、各社特徴をアピール。ますます迷ってしまう。

富士通ゼネラル 脱臭機DAS-301R

話は変わるが、人によって、ニオイに対する好き嫌いは異なるものだ。納豆のニオイが苦手だという人もいれば、全く気にしない人もいる。悪臭ではないのに、気になりだすとなんともイヤなニオイに感じてしまうのは調理臭ではないだろうか。ある日曜日、私は昼にカレーを作った。野菜や肉を煮込んでいるときに漂ってくる香りが私は好きだ。匂いをかぐと、スープに具の旨みが染み出ていることが伝わってきて嬉しくなる。ルーを入れた後のもう少しでカレーが出来上がりますよ、と言いたげな匂いも好きなのである。その日、カレーは無事に出来上がり美味しくいただいた。少しあまったので、そのまま鍋をキッチンに放置した。が、ずっとカレーのニオイをかいでいると、くどさが鼻につくのである。お腹いっぱいで、カレーに対する食欲はない。なのに、ニオイだけはずっと消えない。夕方、娘は私に言った。
「カレー、くさいよ」
あわてて、鍋を冷蔵庫にしまった。でも、まだニオイは残っている。そんなとき、強力脱臭機があれば、便利である。

多数ある空気清浄機売り場で私の目に留まったのは、富士通ゼネラルのDAS-301Rだ。通常の空気清浄機能として、ダニや花粉、ホコリなどのアレル物質を集じんフィルターで除去してくれる。その上、除菌力もあるのでウイルスの撃退もしてくれるのだ。ただし、こちらDAS-301Rは「脱臭機」と銘打たれている。脱臭力がウリの商品なのだ。パンフレットによると、「空気清浄機の最大約150倍の脱臭力」があるらしい。同社の空気清浄機と比較実験をした結果、生ごみや食品臭、し尿臭などの項目で差が出たようだ。

パワフル運転のときは全面のランプが光る

小さい子どもがいる方にとって、静音運転はうれしい

同じ空気をきれいにする機械なら、ニオイまで取ってくれたほうが嬉しい。自分の体臭が気になるように、家のニオイって気になるものだ。外出先から戻って家のドアを開けたとき、不快なニオイが鼻についたことはないだろうか。ぐうたら家はよくある。家の中にいると感じないのだが、外から帰ってくると我が家が臭いことに気づくのである。原因はわかっている。キッチンのシンクだ。私は排水溝の網にかかった生ごみを数日間も放置することがよくある。これが元で、なんともいえない悪臭が漂ってしまうのだ(って、これはウチだけにあてはまることか?)。家事の手抜きによる悪臭が漂うのはぐうたら家だけだとしても、ペットのニオイやカーテンに染み付いたニオイが気になるという人もいるだろう。また、介護臭にも対応しているので、これからの時代、この製品はますます出番が増えるのではないだろうか。

さっそく、試してみた。夕食を食べた後、後片付けを終えた頃にスイッチを入れる。まだ調理臭が残っているときに試したかった。この脱臭機は通常の運転のほか、パワフル運転モードというものがある。風量も最大になり、強力に脱臭するという。一番能力の高いモードで試したい、ということで、パワフル運転4時間に設定した。しばらくすると、ニオイはなくなっていた。通常の生活で出てくるようなニオイなら、問題なく除去できるようだ。強力な脱臭は3つのデオドラントシステムによって実現している。

一つは、脱臭フィルター&ヒーターユニットだ。金属酸化触媒ハニカムフィルターがニオイを吸着し、分解。そのとなりにあるヒーターユニットが加熱運転をすることで、ニオイの分解を促進するようになっている。さらに、特殊吸着フィルターについている無数のトンネルにニオイを取り込んで脱臭する仕組みになっている。ペットのウンチ、生ごみ、汗や体臭、たばこのニオイや焼肉のニオイも強力脱臭してくれる。そのほかにも二つの仕掛けがあり、これらを組み合わせて、強力に脱臭しているのだ。残りの二つのデオドラントシステムについては、次回ゆっくりと紹介したい。

イラスト:YO-CO