空気清浄機はお持ちだろうか。ぐうたら家には一台あるが、実は1点だけ不満がある。安ものということもあって機能が少ないのだが、もの足りなさは機能ではない。もちろん、イオンが飛んでウイルスを抑制してくれるとか、フィルターの寿命が長いとか、すぐれた機能があればうれしいが、安ものにそんな高価な機能を期待するほうが間違いというものである。では、なにに不満を感じているのか。
ずばり、デザインである。そもそも、日本の家電メーカーが製造する空気清浄機はどうしてみんなデザインが似たり寄ったりなんだろう。ちょっとステキなデザインを見つけると、たいていは外国メーカーのものだったりする。
そこで、みつけました! これなら、納得というデザインの空気清浄機。それは、象印「空気清浄機 PA-DA08」である。なにしろ、色がいいのである。リビングに置く家電は、グレーは避けたい(気分が暗くなるから)。白は無難だが、面白味がない。できればこの空気清浄機のような、赤色がソファーやほかの家具との相性がいいのである。デザインをよくよく眺めてみると、手前側よりも奥の方が、少しだけ狭まっているのがわかる。きっと、正方形だと、どてーんと居座っている感じがして、おしゃれとはいえなくなってしまうのだろう。そんなちょっとした工夫に好感がもてる。
形と色がおすすめ
遠近法を利用した形、ワインのような深みのある赤色。それでいてコンパクト。浄化された空気の中で、コーヒーを飲みながら音楽を聴く。この空気清浄機にはJazzが似合うのである。最近は『ワルツ・フォー・デビイ』(ビル・エヴァンス)ばかり聴いている。
一般に、生きているといろんなことがあるもので、レンガで頭を殴られるくらいショックな出来事にも遭遇するものだ。それでも、きれいな空気の中で音楽を聴いていると、重くのしかかる悲しみや不安な気持ちさえも、受け入れられそうな気になってくる。つまり、この空気清浄機を利用して感じるのは、もはや消費者が家電に求めるものは機能だけでなく、使っている場面も含めた安らぎだということ(←年々、要求が高まっている)。それができるのは、デザインのよさだったり、使い勝手にちょっとした優しさが込められている家電だったりするのである。その点で、私はこのPA-DA08はいいと思う。
しかもだ。小さい割には、意外としっかり機能が充実している。その一つが「光センサー」だ。この空気清浄機は「標準」モードでも、そんなにうるさいわけではないが、夜寝静まると、音が気になる人はいるだろう(←ぐうたら主婦のような人はへっちゃらだが…)。そのような繊細な人のために、光センサーは部屋が暗くなると自動で「静音」モードに切り替わるのだ。こういう思いやりの機能が使う人にとってはうれしい。
なにはなくとも、花粉対策機能は外せない
この商品は、フィルターに付着したウイルスは抑制できるが、高機能の空気清浄機のように、イオンが飛び散って、積極的にウイルスをやっつけるという機能は残念ながらない。 これから、寒い季節となる。風邪も流行るだろう。昨年は新型インフルエンザが流行り、大変なことになっていたが、ぐうたら家は、娘も私もほとんど風邪をひかない体質だ。
昨年、娘は塾をサボろうとして、親に内緒で、わざわざインフルエンザにかかった友人宅に見舞いに行ったことがある。しかし、努力のかいなくインフルエンザはうつらず、塾をサボることはできなかったのだ。
私も調子がすぐれず寝てしまうことはあるが、ここ数年の間、高熱が出て、何日も仕事ができない状態になったことはない。そんな家なので、わざわざ高いお金を出して、ウイルス対策機能付きの空気清浄機は必要ないのである。
むしろ、大切なのはアレルギー。花粉対策である。搭載されている「きれいモニター」は、センサーが花粉を検知すると、ランプが赤くなり、風量が「急速」に変わって、標準モードよりも急速で部屋の空気を入れ替えてくれる。くわえ、「自動運転 花粉」モードに設定しておくと、スイッチオンにした後、「急速17分」→「静音43分」、その後は「標準35分」と「静音25分」を繰り返す運転となる。こうすることで、標準よりもたくさん花粉を吸ってくれるというわけだ。
フィルターは「Ag+除菌&ポリフェノール空気清浄フィルター」といい、ウイルス、雑菌、カビ菌をキャッチし、また、花粉やダニの死骸の作用を抑制してくれるものだ。もちろん、活性炭によるニオイの除去も可能だ(といっても、一瞬でニオイを取り去るほど強力というほどではない)。
価格はメーカー希望価格が21,000円。マイコミジャーナル価格情報(2010年9月29日)では最安値が8,480円になっていた。価格は実に手頃である。コンパクトサイズなので寝室・子供部屋用として、部屋の雰囲気も空気もキレイがいいという、デザイン重視の方にはきっと満足いただけるに違いない。