ダイキンのエアコンで、オンリーワン機能といえば、前回紹介した4方気流が新しい。これだけでなく、以前からあったオンリーワン機能は「加湿」である。ダイキンといえば湿度。この調湿技術の特徴は「給水不要」にある。水を入れるタンクがないのに加湿してくれる。なんとも優秀である(←タンクに水を入れるのが面倒くさいぐうたら主婦)。それはそうと、メリットはそれだけではない。
適度な湿度がもたらすものは「うるおい」。つまり、お肌はいつもしっとり(注:個人差あり)するのだという。どうせ、同じ空気を吸うのなら、肌にいい方がいいに決まっている。女性にとって、「美肌効果」は、心が動くキーワードである。ただ、ぐうたら主婦のわがままをいえば、美肌だけでなく、肌の汚れも落としてくれる洗顔機能も付いていればいいのにとも思う。なぜなら、肌の手入れで一番面倒なのは顔を洗うこと。座っているだけで、面倒な洗顔をしなくてもいい機能があったら、ぐうたら主婦は即座に買うことを決めてしまうだろう(←現時点では無理な機能です)。
そんなぐうたら主婦のわがままは置いておき、最近では、男性にも、美肌を意識する層が一定数いるらしい。ぐうたら主婦のまわりには男性の数が少ないからだろうか、美肌を意識する人をみかけたことはないが、どうも、「美」を意識する人が増えているらしい。そのような方には、ぜひおすすめしたい機能である。
リモコンは使わないボタンで占められている
日本の家電は優秀で、たくさんの機能がこれでもかっというほどついている。高齢者の中には、このようなごちゃごちゃしたものをとかく嫌う人がいる。若い人にとっても、わかりにくくなるくらい、ボタンがいっぱいのリモコンはウンザリだ。
そこで、ダイキンでは、リモコンのボタンを整理して、細かい機能は、扉の奥にまとめ、表に、よく使う機能のみを集めた。表に出ている大きなボタンは、「運転/停止」ボタン(これがなくなったら大変だっ)に、「切タイマー」「温度・湿度の上下」そして、「快適エコ運転」がある。ボタンを少なくしたことで、ディスプレイ画面を大きくすることができ、文字がくっきり極めて見やすい表示になっている。
相手を立てながら自分の意思をだしてみる
そのなか、よく使われる「快適エコ運転」は、おすすめ機能である。文字通り、「エコなんだけど快適」というモードであるが、ONにしておくと、エアコンが自分で考えて、温度湿度の設定を自分でしてくれるという。しかも、去年よりも、きめ細かで、ちょっとだけ利口になっているのだという。たとえば、風がずっと止まったままだと、空気が淀んで、暑さを感じるものだ。そこで、一定時間が経つと、ちょっとだけフラップが揺れて、対流が起こるようにしているのだという。
そして、何よりおすすめなのが、自動復帰モード「入」設定によって、30分後(時間は任意設定可能)には、強制的に「快適エコ運転」にすることができる点である。つまり、最初に、温度設定で20度などと、とてつもない低い温度に設定した人がいても、30分経つと、自動的に快適エコ運転になってくれるというのだ。
通常、女性は寒がりが多く、冷房の温度は高めが好きという人が多い。だが、ぐうたら家の娘は女子であるが、暑がりなのである。先日も、気がつくと、室温が17度に設定されていた。
「ちょっと寒すぎない?」
「ぜんぜん」
などという答えが返ってくる。こっそり、27度に温度設定し直すのだけれど、いつの間にか、また17度になっているのである。彼女の脳みその中は、「地球温暖化防止」よりも、今を涼しく過ごしたいという願望で占められているようだ。私が何をいっても、聞く耳をもたないのである。
そんなとき、「快適エコ運転」に設定しておけば、娘がどんなに室温が下げても、30分後には、元のエコ運転に戻っているという具合だ。本人は、自分が室温を決めているような気持ちになっているが実は違う。というのが快適エコ運転のありがたいところである。
それにしても、温度とか、テレビのチャンネルとか、会社でのアレコレとか、人間は、どうしても自分が支配者になりたがる。そんな生き物なのだ。娘も室温を下げたがるのは暑がりだという理由もあるが、その奥には「自分が部屋の温度を決める人でありたい」という心理が働いているんだろう。自分が支配者になりたいのである。でも、結局全てのものを支配することはできないし、無理に自分が神様みたいに支配者になろうとすると争いが生じてしまう。結局、自分が神様になろうとするから、人と人は争うのである。
そんなわけで、みんなが仲よく、幸せに暮らしていくために有効な「快適エコ運転」。おすすめである。ただし、自動で快適エコ運転に戻ることは内緒にしておかなければならないことは言うまでもない。
うるるとさららシリーズは6畳程度から23畳程度まで、幅広くラインアップされている。機能も、基本機能のみのEシリーズから、フル機能装備のRシリーズまでさまざま。ちなみに、マスコミジャーナル価格情報では、Rシリーズの「AN22LRS-W」が15万2,000円~。ダイキンのエアコンのいいところは、エアコンへの自社の譲れない思想が製品のスミズミにまで現れているところだ。とかく、予定調和に妥協することがよいとされる今、これだけ、自分の意思を貫いていく姿が意外と新鮮でさわやかに感じてしまうのである。
イラスト:YO-CO