子どもの進学はうれしいが、ぐうたら主婦にとっては余計な家事が増えるというマイナス面もある。それは、早起きとか、帰宅時間が遅いとか、食べる量が増えて食費が上がったとか、そういう問題ではない。では何が問題なのかというと、それは制服。衣服に関することである。
中学校になると、制服になる学校が多い。女子中学生になったぐうたら家の娘もそうだ。制服姿の娘を見ると、ちょっとだけ女の子っぽくなったなぁなどと感じる時がある。小学校のときは、毎日ジーンズにTシャツだったのに、いまやスカートをはいているのである。だが、ぐうたら主婦にとって、制服には決定的な欠点がある。
それはシワがつきやすいことだ。しかも、問題はスカートがプリーツスカートといって、ヒダになっている形である点だ。すぐにヒダが伸びるし、お尻があたる部分やスソがシワになってしまうのだ。ということで、ご想像のとおり、今回の商品はアイロンである。しかも、パワーで選びたい。強力なスチームで、一気にスイスイシワが伸びるやつがいい(要するに、短時間でアイロンを終わらせたいということだっ)。
そこで、候補にあがったのが、デロンギのボイラー内蔵型スチームアイロン「6299/2N」である。ボイラーが内蔵されているアイロンってどんなだ? 普通、ボイラーって、だだっ広い工場でつくられ、できあがったものはものすごく大きいというイメージがある。アイロンがそこまでドデカイはずがない。どんなアイロンなんだろうと思いながら到着を待った。
家事の時間短縮に貢献
アイロンが届いたので、箱を開けてみたら、大きさは普通だった。コードレスでもない。ボイラーはこの小さなボディの中に組み込まれているという。さっそく、水を入れてみた。付属品のジョウゴがかわいいのである。
電源を入れてしばらくすると、点灯していたランプが消えて、適温になったことを示す。そして、今まで閉じていたスチーム・ボタンを開けると、プッシュゥゥゥーーーっという音とともに、一気にスチームが出てくる。
ビックリである。このかなり強力なスチームの働きで、シャツは一回すーっとかけるだけでシワが伸びるという噂だ。そんな簡単にシワが伸びるはずないと思って、アイロンをシャツの上に置いて右から左へ動かしてみる。噂通り、すっきりとシワが伸びるではないか。疑って悪かった。アイロンによっては、軽くて、同じところを行ったり来たりさせなければならないモノもあるが、このアイロンは一回でOKだ。
すごいのは、面倒なシャツのボタンまわりのアイロンがけだ。通常なら、ボタンの付近は、細かく腕を左右に動かして、クネクネとボタンの間を這うように、アイロンをかけていかなければならない。ところが、このアイロンは、裏面からアイロンをかけるだけで問題ない。通常、ボタンまわりのアイロンがけは面倒である。これなら、手間暇がかからない。
とにかく、パワーは抜群。ささっとアイロンをあてるだけで、ピンとシワが伸びるので、通常のアイロンがけよりも2割くらい時間短縮になった。ぐうたら向きのアイロンだといえる。
パワーがあるからシワが伸びる
もう一つ、魅力的なのは、垂直スチームである。洋服をハンガーにかけたまま、スチームを一気にあてるのである。するとあら不思議、シワがちょっとだけ伸びるのである。煙草の臭いがついたので取り去りたいといった場面でも活躍する。
ただし、スカートのヒダをピシッと折り目正しく仕上げたいときは垂直スチームよりも、通常の直接布にあてるアイロンのかけ方のほうがおすすめ。でも、ちょっとシワを手早くごまかしたいときは、これで十分である。
皆様にオススメするうえで、お知らせしたいこともある。それは、日本のメーカーと海外メーカーとの設計思想の違いだ。
たとえば、温度調節ダイヤルが熱くなる点など。もちろん取説には注意事項として挙げられているし、慣れてしまえば何でもないことなのだが、普段、"親切丁寧"な日本製品に囲まれているとビックリしてしまう恐れもあるだろう。
そんなわけで、日本とイタリアの設計思想の違いを楽しめることもこの製品の一つの特徴かもしれない。
価格は、マイコミジャーナル価格情報で11,300円~13,140円。サッとかけて、ピンとシワが伸びる。この快感が味わいたい人におすすめできる。
イラスト:YO-CO