もうすぐ師走である。たしか、去年、このコラムで充電式の電気カイロを紹介したと記憶している。ポケットに入れておくと、服を通り越して伝わってくる温かさがいいんである。もう、手放せない。だが、ぜいたくをいえば、腰や腹周りだけでなく他の部分も温めたい。とくに、女性の場合、襟もとが開いている服を着ると首周りが寒いのである。首の冷たさを何とかしたいと思う人は少なくないだろう。
そこで、今回紹介するのは、充電式ネックウォーマー「ENW-NW1S」。お腹を温かくするのが「腹巻」なら、こちらは「首巻」。しかも、電気で温めるのである。充電式という文字を見て、首巻の中に小型の充電式カイロを2、3個入れておくような製品を想像する人もいるのではないだろうか。ところが、商品を手にしてみると、そうではなかった。
すぅすぅする首周りを温めてくれる熱源はたった一本の線。これがヒーターになっていて、首の後ろの部分を温める。見た目には細くて頼りないのだが、スイッチを入れると、三分もしないうちにほんのり温かさが伝わってくる。実力十分なヒーターだ。充電式なので、電源コードもなく、いつでも、どこでも、何回でも使えるところが便利である。しかも、電源部をネックウォーマーの指定の場所に収めて、線をつなぐだけ。使い方も簡単である。
もちろん充電操作も簡単。ACアダプターに電源部を取り付け、コンセントに差し込むだけである。青いランプが約1.5秒おきに点滅したら充電がうまくいっている証拠だ。約7時間で充電が完了。周囲の温度が0℃~20℃なら、約5時間使えるという。今、この原稿を書いている間も、ネックウォーマーを着けている。温かくて、快適である。
"電気"首巻だけど洗える
色はホワイトグレーとチャコールグレーの2色。前のファスナーを少し開けると、裏地が少し見えるところもいい。今、チャコールグレーを着けているが、オレンジ色が少し見えておしゃれな感じになっている。カジュアルなデザインなので、スキーウェアとの相性もいいだろう。スキー場の寒さが苦手という人には、とてもありがたい商品であることに間違いはない。
ぐうたら主婦としては、仕事中の寒さを和らげるものとして、さらには、買い物など、ちょっと外に出かけるときに利用したい。
電源部は軽量リチウムイオン電池を採用しているので、充電器にもなるのだ。充電はUSBケーブルを利用できるので、パソコンなどからも充電ができる。温かくなったら、スイッチを切ることもできる。
一つ心配だったのは、お手入れの仕方だ。ヒーターが付いているのに、どうやって洗うのだろう。とくに、スノーボードなど、汗をかくスポーツで使った場合、放置しておいたら臭くなる。これも心配無用。このネックウォーマーはヒーター部分と電源部分は取り外しができる。ネットに入れて、毛布洗いコースを選べば洗濯機で洗ってもいいのだ。さすがに脱水、乾燥機は避けたほうがいいようで、洗った後は、浴槽のフチなどに水が垂れなくなるまでかけ、水が切れたあとは風通しのいい日陰に干せば洗濯は完了する。
気になる価格は、この原稿を書いている時点(2009年11月24日)のマイコミジャーナル価格情報には5,366円~7,980円で出ていた。1万円未満で買いやすい価格になっている。
襟の高さは調節可能
話は変わるが、先日「親知らず」を抜いた。歯科医師が「歯の根っこがなかなか抜けなかった」と言うくらい、予想以上に抜くのに時間がかかったようだ。そのせいか、左の頬が飴玉を入れたように膨らんでしまった。買い物に出たとき、スーパーで知り合いに会ったら、ものすごく驚かれるに違いない。口が開かないのに、痛みをこらえて立ち話をする場面が頭に浮かんできて、出かけるのが億劫な気分になった。
そのとき、このネックウォーマーが目に入った。ファスナーを閉じて襟を高く引き上げることで、頬が隠れるのである。さっそく着けてみた。顔半分、顎部分を隠せるのだ。これならば、頬の腫れに気づかれない。顔の半分を隠すので、なんだか悪いことをしている人みたいで怪しくはあったけど便利である。
もちろん、ファスナーを下げれば、顎をすっきり出すこともできるので、首周りが閉まると気持ち悪いという人は緩くすることもできる。
話はそれるが、親知らずの抜歯後、ぐうたら主婦は二週間くらい苦しんだ。抜いた歯だけでなく、顎と頭が物凄く痛かったのだ。痛み止めを飲んでごまかしていたら、今度は胃の痛みも加わってきた。どうにも我慢できなくなって、久しぶりに寝たり起きたりの生活を過ごした。
痛むとか、熱で苦しいとか、吐き気がするといったことが人間にはある。ぐうたら主婦はここ何年か大きな風邪をひくこともなかったので、そんな当たり前のことを忘れていたことに気づく。それだけでなく、健康であることのありがたみすら忘れていた。どうしても、いい状態が続くと、それが当たり前のようになってしまうし、自分が恵まれていることへの感謝を忘れがちになる。それだけでなく、まるで自分の力で結果を出したような気になってしまうこともよくあることだ。今は痛みが治まりつつあるし、この原稿がアップされる頃には全快しているだろう。かなり重い痛みだったし、顔が腫れてひどいことになっていた。でも、自分の道の軌道修正というところで、よかったのかもしれない。顔の腫れは、ネックウォーマーが隠してくれたことだし。
イラスト:YO-CO