家庭用の浄水器、整水器の価格は幅広い。安いものだと数千円で買えるが、据え置き型やビルトインタイプだと、ウン十万円もする高価なものがある。私はどうしても、低価格の浄水器を買う気になれなかった。なぜなら、その多くは活性炭などで塩素を除去しておいしい水を作るタイプなんだけど、塩素を抜きたいのなら浄水器でなくてもいいからだ。たとえば、ポットを用意して、そこに水を入れて放置しておけば、少し時間はかかるが塩素は抜ける。つまり、お金を出して浄水器を買わなくても、十分においしい水が飲めると考えていた。でも、最近、ポットに水をためて飲むことが少なくなった。どうしてかというと、面倒くさいのである(またコレかっ)。

ポットに水を入れて浄水するには、半日くらいかかる。その間に冷えた水が欲しくなったら、水道水を飲むしかないのだ。以前はそれでもよかった。ぐうたら主婦は絶対的な味覚は持ち合わせていないが、最近は浄水された水を飲む機会が増えた。これに慣れると水道水に違和感を覚えるようになる。カルキ臭さが気になってしまう。ので、ぐうたら主婦としては、早くできて、おいしい水が飲めるようにしたいと考えるようになった。そこで、浄水器が欲しいと思った次第である。

カバーだけでこうも違うのか

高機能機になると、水をアルカリ性にしたり、酸性にしたりできるようになる。アルカリ性の水は胃に優しいといわれている。他方、洗顔に利用する水は酸性が向いているといったことを耳にする。でも、どの程度効果があるのか、試してみたことはない。しかも、ぐうたら主婦は浄水器を初めて使うのだから、まずは安価で、塩素を除去する程度のもので十分だ。ということで、今回、手にとってみたのは、ゼンケンのvikura(ビクラ)浄水器「VF‐A1」。私のような浄水器初心者にお勧めしたいシンプルなものだ。

vikura浄水器「VF‐A1」。カラーはグリーン、ブルー、ピンク、オレンジ、イエローの5色

最初、目にしたとき、「コレいいな」と感じた。世に出回っている浄水器はデザインが優れない。たいてい工夫のない円柱形をしており、色は白色であることが多い。このビクラ浄水器もこれといって変わった形をしているわけではない。カートリッジは白い円柱。美しいとはいえない。でも、ほかとちょっと違うのは、カートリッジにカバーがついているところ。このカバーのおかげで、だいぶ印象が違うように思える。

よく見ると、カバーの形は円筒ではなく、上のほうが少しだけ大きくなっている。しかも、色がパステルカラーの青(ほかにも黄、ピンク、緑などがあって、どれも美しい)、毒々しい青ではなく、淡く儚い青、これがいいのである。このおしゃれなカバーをありきたりのカートリッジにかぶせるだけで、まったく印象が変わる。それだけで、とても高級そうに見えるからこのビクラ浄水器はカバーで得をしているといえる。

蛇口に取り付けたところ

浄水器初心者にお勧めしたいもう一つの理由には、取り付けが簡単なこともあげられる。設置は「取り付け用付属品」がついているので、その中から、自身の蛇口にあった部品を選んで取り付ければいい。もうちょっとくわしくいうなら、蛇口についている泡沫金具を取り外して、代わりに、浄水器用のキャップと付属の部品を取り付けておしまいだ。我が家はGROHEというドイツメーカーの蛇口が取り付けられている。このメーカーの日本国内のシェアはTOTOなどと比べたら圧倒的に低いので、もしかしたら浄水器は取り付けられないのではないかと心配していた。でも、大丈夫だった。たいていのメーカーのものには対応している。ただし、センサーがついている蛇口やシャワーノズルがついている蛇口など、いくつか取り付けられないものもあるので、事前に確認しておいたほうが無難だ。

エコバッグを利用するならマイボトルも一緒に

そえいえば、先日、「水」に関するイベントに参加してきた。環境という視点で水について考えるイベントだった。環境問題というと、CO2削減が声高にいわれているが、ほかにも解決しなければならない問題はたくさんある。その中の一つが水問題なんである。日本は水が豊富にあるため、水に対する危機感はさほど強くない。でも、世界全体を見渡すと、そうも言っていられない現状がある。具体的に何が問題なのかは「水問題」をキーワードにググると、たくさん出てくるので、興味のある方はご覧いただきたい。

ともかく、「水」はさまざまな問題を抱えている。有識者の中には、「そのうち、水が足りなくなって、世界各国で、水を奪い合って戦争が起こる」とか、「水がタダで飲めるのは今だけ。そのうち、高値がつくようになる」とか、言っている人もいるが、日本ではあまり問題になっていないというのが現状だ。

カバーは外せる。カバーがないとこれといって特徴がないような……

それでも、このイベントに好感が持てたのは、スタッフが水問題について触れるとき、参加者を脅したり、恐怖心をあおったりしないで、さらりと問題に触れている点だ。ネガティブな話は誰も口にしない。参加者はペットボトルに名水を入れて、都心の水にゆかりのある地を歩くのだ。楽しみながら、水に触れるように工夫されているところが私はいいと感じた。

環境問題に熱心になるあまり、「節水」などの決まりごとで、自分自身を縛り付ける様を目にすることがある。それ自体は悪いことだとは思わないが、私個人としては、むしろ節約に偏るよりも、誰かが新しい環境技術を生み出して、今までと同じように豊かな生活を保ちつつ、環境へも配慮するというやり方が好きだ。

カートリッジを外したところ

原水のシャワーもあり

私はエコバッグは使っているが、マイボトルはあまり使ったことがなかった。でも、そのイベントに参加したら、意外とマイボトルにおいしい水を入れて、持ち歩くのも悪くないと感じた。それには、マイボトルにふさわしい水が欲しくなる。そんなとき、このビクラ浄水器はお勧めだ。味は水道水から出てくる水と比べるとかなり飲みやすい。購入はvikura公式サイトで可能。価格は19,980円だ。カートリッジは1年を目安に交換。価格は7,890円になっていた。安くはないが、何もかも、おしゃれなところがいいのだ。デザイン、色、そして、マイボトルで水を飲む意識の高い私。自分の生き方に「美しさ」というこだわりがある人にとって、この「ビクラ浄水器」はきっと満足する商品だと私は思う。