アイロンはコードレスとコード付きの2種類があるが、どちらをお持ちだろうか。ぐうたら家の初代アイロンはコード付きだった。数年使った後、壊れたのでコードレスのアイロンを買った。しかし、これが失敗だった。コードレスアイロンを選ぶときには、いくつかの落とし穴に注意しなければならない。

私がコードレスアイロンで失敗したのは、安物だったせいか、パワーが足りなかったのだ。充電台から取り外した直後は熱いのだが、すぐに熱が下がってしまい、結局何回も充電台にアイロンを戻さなければならなかった。コードレスは小回りが利くし、コードが邪魔にならない。便利だから選んで買ったのに、そうしょっちゅう充電台に戻していたら、せっかくのコードレスにした意味がない。しかも、軽いので、シワが充分伸びない。安物を買ったことを後悔した。コードレスアイロンを選ぶなら、充電後の熱持ちは大丈夫か。しっかりとシワを伸ばすだけの性能があるのか。これらをしっかりと確認して買わないと、ムダにお金を使う羽目になる。

実のところ、私が使っていた初代のコード付きアイロンのメーカーはティファール。おなべやフライパンなどで有名なあのティファールである。重かったから、出し入れには苦労したけれど、その分、しっかりとシワを伸ばしてくれた。アイロンとしての基本機能は高く、2代目のアイロンはティファールにしておけばよかったと後悔した。先日、このティファールから新しくアイロンが発売されたというのではないか。早速、使ってみた。

用途に合わせて「コードあり/なし」を選べる

ティファールの新商品はコードレスとコード付き、「どっちもあり」のアイロンだ。両方ありって、一体どんなアイロンだと思った方もいらっしゃるだろう。このアイロンは「2WAYコード」という名前がついている通り、コード付きとコードレス、両方のモードに切り替えることができる。一般のコードレスのアイロンで、熱持ちがいいとされるものには数分熱さが持続するものもある。でも、しょせんこれが限界。洗濯したワイシャツを何枚も連続でアイロンをかけるには足らない。

ティファール スチームアイロン2WAYコード

2WAYコードではしっかりと何枚もアイロンをかけたいときは、コード付きを選ぶ。ハンカチなどの小さなものを1枚だけアイロンしたいとき、あるいは出かけ前にさっと衣類のシワを伸ばしたいときはコードレスを選ぶことができる。

アイロンベースの背面についているレバーでコードあり/なしを選べる

操作はアイロンベースの後ろ側についているレバーを、「コードレスモード」「コード付きモード」「ロック」に切り替えるだけ。コードレスを選ぶと、コード部分がアイロンベースに残り、アイロン本体だけがコードなしの状態で切り離される。試しに、娘の弁当袋にアイロンをかけてみた。小さなものにアイロンをかけるのは、コードレスが向いている。シワの伸び具合は満足だ。

このすぐれた伸びの理由はスチームにあるらしい。ティファールによると、この2WAYコードのジェットスチームの噴射回数は、一般的なコードレスアイロンの約2倍になっているという。そのため、すーっとシワを伸ばしてくれるようだ。

コード付きの状態

コードレスの状態

スチームの量は驚異的

アイロンかけ面は特殊セラミックになっている

そもそも、ティファールのスチームのパワーは破壊的だ。ドライ/スチームの切り替えをスチーム側のmaxにすると、熱くなった水蒸気がシュワーッと音を鳴らして、どばーっと出てくる。その量と勢いには、ちょっと尻込みしてしまうほどだ。私は真ん中くらいに設定して使うのだが、シワの伸びはmaxのほうが優れている。重さはどちらかというと、重いほうだ。そのため、力を入れなくても自重でスムーズにアイロンをかけられるようになっている。滑りもいい。これにも理由がある。それはアイロンをかける面が写真のように特殊セラミックになっているからだ。この2WAYコードには、かけ心地が優れていて、使い手がストレスを感じないように工夫がたくさん施してある。

次にシャツをアイロンしてみた。こちらはコード付きのモードを選択。切り替えるには、アイロン本体をブロック部分にカチッというまで押し込む。最初は慣れなかったので、軽く乗せただけだったので、本体がはまらずに浮いてしまった。そのことに気づかないでいた私は、いつまでたってもアイロンが熱くならないので、おかしいと思った。壊れているのではないかと確認したら、しっかりとはまっていなかったことに気づく。間違っていたのは私のほうだったが、ユニバーサルデザインへの対応など細かい点に国内メーカーと海外メーカーの設計思想の違いが出てくると私は感じた。とはいえ、一度は間違ったけれど、次からは学習して、しっかり入れるようになるので、なんら問題はない。コード付きのパワーは言うまでもない。シャツ一枚、簡単にアイロンが仕上がった。

ワイシャツのアイロンがけはコード付きが向いている

ところで、シワが伸びるのは、適度な自重によるのだが、悪くいえば重い。収納場所からの出し入れが大変なのではないかと心配する人もいるかもしれない。その点は、キャリングケースが付いているので、持ち運びは簡単、便利になっている。

価格は希望小売価格15,750円。マイコミジャーナルの価格情報(2009年7月24日現在)では11,300円~12,800円で出ていた。コードレスアイロンは2WAYコードの半額以下で買えるものもある。でも、しっかりとシワを伸ばす安心感があるもののほうがいいと私は思うが皆さんはどうだろう。

イラスト:YO-CO