蒸気レスの炊飯器「NJ-XS10J」がぐうたら主婦にとって、いかに魅力的であるかを先週お伝えした。NJ-XS10Jの最大の特徴は「蒸気レス」だが、炊飯器としての機能も充実している。おいしいご飯を炊くという基本機能のほか、玄米やもち米もおいしく炊ける。もちろん、予約機能だってある。しかも、食べたい時刻を設定する方式と、今から何時間後に炊きあげるかを設定する方式の二種類用意している。
ところで、調理用家電を購入する楽しみの一つに、レシピを眺めることがある。たいてい、取扱説明書の後ろのほうに調理例が書いてある。オーブンレンジなどには、レシピ集が別冊子になっている製品もあるくらいだ。メーカーにとって、レシピ集は自社製品を正しく使うマニュアルという役割を担っている。そのため、家電製品に付属しているレシピはたいていよくできていることが多い。製品の良さを引き出すよう、開発者の気持ちが込められているのだ。NJ-XS10Jの取扱説明書の最終部分にもレシピがついている。中でも、もっとも目をひいたのが「玄米のサラダ」。名前の通り、玄米のサラダなんである。
レシピ集がいい
玄米のサラダは、まず玄米を炊くところからスタートする。内釜に計量した玄米を入れて、「お米」ボタンを押して「玄米」を選択。炊きあがったら、冷ましておく。玄米を炊いている間に、ツナ、レーズン、ピーマン、玉ねぎ、トマトなどの具を用意。あとは冷ました玄米に具を混ぜ、仕上げにアーモンドを飾って出来上がり。フレンチドレッシングをかけていただくのである。玉ねぎ、ピーマンは湯通しするなり、レンジでチンしておかないと、キツい味が料理をだめにするのではないか。などと、思いながら、生のまま玄米と混ぜ合わせたが、やはりレシピどおりに作ってよかった。おいしいのである。玄米と野菜の「キツさ」がぶつかって、両方の「よさ」が口の中にひろがるのである。フレンチドレッシングはケチらずに価格の高めのものを選んだ。味に対する影響が大きいからだ。玉ねぎにフレンチドレッシングが合う。レシピ通り作るぐうたら主婦は、玄米を3合炊いた。娘はさすがに生のピーマン、玉ねぎは食べられない。1人で食べるには、かなりのボリュームだ。残った分を翌日の昼食に回したが、それでも体重は増加。後悔はない。だって、おいしかったから。
取扱説明書のレシピでは、おかゆのトッピングが4種類紹介されていた。「梅おろし」「めんたい豆腐」「七草がゆ」、そして「ひき肉と漬物」である。おかゆのトッピングといえば、うめぼしとか、せいぜい贅沢してしゃけとか、シンプルなものが一般的だ。めんたい豆腐なんて、おかゆに合うのだろうか。さっそく、作ってみた。木綿豆腐をほぐして、酒とともになべで煎り付ける。そこに中身をしごき出しためんたいことしょうゆを入れて、軽く煎る。これでできあがり。簡単である。味は、上々。明太子のピリッとした感じがおかゆのもわーっとした舌触りに似合う。おすすめである。調理器具のレビューの回は、毎回まちがいなくぐうたら主婦の体重は増加する。今回もそうだ。でも、それはNJ-XS10Jで作ったお料理がおいしいかったことの証拠でもある。ぐうたら主婦は幸せ者である。
手入れがラクになるような工夫がたくさん
NJ-XS10Jには、付属の計量カップが二つある。一つは通常の白米用。もうひとつは無洗米用だ。無洗米用は一回りサイズが小さい。なぜなら、無洗米は肌ヌカがとれている分、1カップに入る米の量が多くなる。だから、無洗米は専用のカップで計量したほうがいいのだ。NJ-XS10Jのおかげで初めて知った。いつも、ぐうたら主婦は米を買うとき、迷わず無洗米を選ぶ。初めて無洗米の存在を知ったとき、とがなくてもいいなんて、まるで「私のために作られた商品」だと感じた。そんな思い込みの商品、無洗米なのに、今まで私は白米の計量カップを利用していたのだ。NJ-XS10Jなら、無洗米用のカップで計量できるので、より無洗米をおいしく炊けるのである。
繰り返しになるが、この商品の特徴、「蒸気レス」はカートリッジによって、実現している。取扱説明書には、水タンクからカートリッジが伸びていて、内なべの上方に先端がかかっているようなイラストが載っている。しかし、ユーザーが水タンクにカートリッジを設置するわけでもなく、付属品にカートリッジもない。カートリッジはいったいどこにあるんだ? などと、不安に思っていたら、カートリッジはいた! 上の蓋のところにはまりこんでいたのだ。
どの炊飯器も同じだが、調理後は内なべを洗う。NJ-XS10Jはカートリッジや水タンク、放熱板といわれるものをきれいに洗う。カートリッジや放熱板を最初に見たときは、着脱が難しそうに感じた。外すのに力が要りそうだし、外した後、もとに戻すにも、上下を間違えそうだ。それより、元に戻せずに、炊飯器の前に、カートリッジなどの部品が並ぶことになったらどうしよう。などと、不安はあったが、外してみた。簡単である。カートリッジの中を開けるのもラクラクであった。洗うのも簡単だし、元に戻すのも上下の指示が書かれているし、間違ったところには入らないような設計になっている。
価格はマイコミジャーナルの価格情報で45,600円~63,800円。安くはないが、その分の使いやすさはOK、はなまるである。とくに、これまで蒸気のせいで炊飯器に不便を感じていた人に、間違いなくおすすめできる。デザインは申し分なし。テーブルの上に置いても違和感なし。炊飯器にありがちな白くて丸型のデザインにうんざりしていた人は、大満足できると思う。
イラスト:YO-CO