前回は「場を回す力」の実践法をお伝えしました。
第5回となる今回は、グループディスカッション(以下、GD)をより活性化し、メンバー全員が楽しみながら結論を導き出すための具体的なテクニックをお伝えします。
なぜGDを"楽しく"することが重要なのか
「就活のGDで"楽しく"なんて、そんな余裕ないよ……」と思う方も多いかもしれません。 しかし、緊張感に包まれた硬い議論よりも、適度な"遊び心"のある活き活きとした議論の方が、はるかに質の高い結論を導き出せることが多いのです。
また、面接官の視点からは立場からすると、「この人がいると場が明るくなる」「この人がいると議論が楽しくなる」という印象は、非常に重要な評価ポイントとなります。
それは、入社後のチームワークやプロジェクトでの活躍が想像できるからです。
リアクションで場を明るくする技術
1.共感的な「返し」のテクニック
(メンバーA)「新商品のターゲットは、朝の通学時間に忙しい大学生です」
→「まさに私たちですね。一限の授業に間に合わない仲間たちの救世主になりそうです」
(メンバーB)「このアプリは、毎日3回通知が来る設計です」
→「朝昼晩の食事のリズムみたいですね。そうそう、私も毎日その時間に使いそうです」
(メンバーC)「予算は50万円程度を想定しています」
→「ゼミの夏合宿の予算みたいな感じですね。結構現実的な金額だと思います」
2.さりげない「突っ込み」のテクニック
(メンバーA)「このサービスは24時間365日対応です!」
→「素晴らしいですね。開発チームのお昼休みだけは確保してあげましょうか」
(メンバーB)「私の友達100人に聞いたところ……」
→「100人! さすがインフルエンサー並みの人脈ですね」
(メンバーC)「この商品で、学生の悩みを全て解決できます」
→「全て解決!期末テストの範囲も教えてくれるんですね」
結論を輝かせる「おまけ提案」の技術
議論で結論が出た後、時間に余裕があれば、以下のような「おまけ提案」で場を盛り上げながら、プレゼンテーションをより印象的なものにできます。
1.キャッチーな一言を加える
Copy「この施策、キャッチコピーをつけるとしたら?」
「もし新聞の見出しになったら、どんなタイトルに?」
「一番のポイントを、ひとフレーズで表すと?」
2.ビジュアルで表現
Copy「この商品のロゴマークのイメージは?」
「シンプルなピクトグラムで表すと?」
「パッケージデザインのイメージカラーは?」
3.お客様目線で表現
Copy「使ったお客様の笑顔の一言は?」
「SNSでシェアするときの投稿文は?」
「友達に勧めるときの決め台詞は?」
4.CMで表現
Copy「15秒CMの最後のシーンは?」
「どんな曲調のCMソングが似合う?」
「どんな場面から始まるCM?」
5.ネーミングで遊ぶ
Copy「この施策の愛称をつけるとしたら?」
「プロジェクトの略称、考えてみません?」
「覚えやすいニックネームをつけると?」
「おまけ提案」を成功させるコツ
タイミングを見極める
結論が固まった後に提案する
時間に余裕がある場面を選ぶ
全員が一息ついた瞬間を狙う
参加は自由という空気を作る
「もし良ければ」と柔らかく切り出す
全員参加を強制しない
短時間で終われる提案にする
結論を輝かせる
出た結論をより魅力的に見せる
メンバー全員の貢献を活かす
最後に印象的な締めくくりを作る
まとめ:楽しい議論が生む高評価
適度な"遊び心"で場を和ませることは、決して評価を下げる要因にはなりません。
むしろ、メンバー全員が前向きに参加できる雰囲気づくりは、重要な評価ポイントとなります。 ただし、それは議論の本質を損なわない範囲で行うことが大切です。
状況を見極めながら、適切なタイミングでこれらのテクニックを活用していきましょう。
次回予告(最終回)
第6回:普段の学生生活で磨く! 「回す力」トレーニング法
「回す力」を磨く3つのステージ
就活直前期の実践的トレーニング
内定後~入社後を見据えて
就活生へのメッセージ ~その先の未来に向けて~