次々に新しい料理や食材などが登場するとあって、『食のトレンド』は刻一刻と移り変わっていく。しかし、クライアントや職場の同僚と「あれ食べた?」という話になることはよくある。そんなときに「……聞いたこともない」というのは、かなりマズい。この連載では、ビジネスマンが知っておけば一目おかれる『グルメの新常識』を毎回紹介していく。第18回は「チャコールフード」。

  • 「BOTANIST Tokyo」(東京都・原宿)の「チャコールワッフル×チョコミントアイス」(税込1,200円)

「チャコールフード」って何?

近ごろ、さまざまな飲食店のメニューで見かけるようになった「チャコールフード」とは、食用の竹炭を使った食べ物や飲み物のこと。もともと健康意識の高いニューヨーカーの間でブームになり、その人気が日本に飛び火した。炭には体に良い作用があるともいわれるため、デトックス効果を期待して摂取する女性も多い。

チャコールフードの最大の特徴はインパクトのある真っ黒な見た目で、これが目新しく、またSNS映えもすると人気を集めている。竹炭自体は無味無臭なので、料理に使いやすいのも提供店が広がっている理由だろう。ドリンクであれば竹炭パウダーをそのままよく混ぜるのが一般的だ。

料理の場合はメニューによって違う。たとえば東京・原宿の「BOTANIST Tokyo」にて7月15日まで期間限定で提供されている「チャコールワッフル×チョコミントアイス」(税込1,200円)は、竹炭パウダーをワッフル生地に入れ込んで黒い色を出している。また、付け合わせの生クリームにも竹炭パウダーを混ぜてある。同メニューはとくに女性に人気で、おやつではなく食事がわりに注文する人もいるそうだ。

「チャコールフード」はどこで食べられる?

チャコールフードは、カフェのドリンクやスイーツメニューに多いが、最近はカフェ業態以外にも広がっている。

  • 「手作り居酒屋 甘太郎」「黒レモンサワー」(税別499円)

全国に約50店舗を展開する「手作り居酒屋 甘太郎」では今年5月から、国産竹炭100mgを配合した「黒レモンサワー」の提供をはじめた。「チャコールダイエットなどはじめとした最近の竹炭ブームの影響もあり、体に良い作用があるといわれる竹炭を使用した商品を打ち出して健康にも配慮した商品を作ろうと考え開発しました」(同店を運営するレインズインターナショナル CWカンパニーPR担当の来栖龍也さん)。レモンサワー本来の爽快感と自家製はちみつレモンの甘酸っぱさのバランスが良く、新商品ながら全6種のレモンサワーカテゴリ内ですでに2番人気で、女性からもよく注文が入るそうだ。

  • 「L.A.Juice」の「SHINY CHARCOAL」(税別1,000円)

竹炭を使ったコールドプレスジュース(低温低圧圧縮方式という製法で絞ったジュース)もある。東京・広尾のコールドプレスジュース店「L.A.Juice(エルエージュース)」では竹炭パウダーを使ったコールドプレスジュース「SHINY CHARCOAL(シャイニーチャコール)」を販売。竹炭パウダー・レモン・アガベシロップ・アルカリ水をミックスしたコールドプレスジュースで、野菜ジュースに抵抗がある男性客に人気が高いそうだ。見た目に驚く人も多いが一度試すとリピート率が高く、同店の人気メニューのひとつになっているという。清涼飲料水のようにすっきり飲めるので、これからの季節にとくにおすすめだという。

  • 「ベジエ 菌活美人の炭クレンズ」(税別900円)

自宅で気軽に摂れる粉末タイプもある。ベジエシリーズ「菌活美人の炭クレンズ」は粉末タイプの炭で、200~300mlの水に溶かすだけでレモネード味のチャコールジュースが完成する。1袋1回分なので使いやすく、オフィスや外出先ではペットボトルにそのまま入れて飲むことができる。

「チャコールフード」を体験してみた

今年3月に東京・自由が丘にオープンしたラテ専門店「LATTE BEANS & ROASTERS(ラテビーンズ&ロースターズ)」で、チャコールフードを体験してみた。

  • LATTE BEANS & ROASTERSの「カラーラテ」全6種。下段中央が竹炭を使った「ラテ・バンブー・チャコール」

同店は70種類以上のラテを提供。その中でも人気メニューのひとつが「カラーラテ」。レッドビーツや抹茶を使ったカラフルな6色のラテのひとつとして、「ラテ・バンブー・チャコール」を用意している。竹炭をパウダー状にしたものとサトウキビのシロップを合わせてベースを作り、そこにミルクを注いだものだ。

  • LATTE BEANS & ROASTERS「ラテ・バンブー・チャコール」(税別600円)

注文すると、この日はかわいいパンダのラテアートで、思わずにっこり。ホットだが、ガラスのグラスで提供されるので、側面も見えて楽しい。竹炭は無味無臭だがシャリシャリした繊細な食感があり、シルキーなミルクの食感の小気味いいアクセントになっている。やさしい甘さで疲れた体に染みる味だ。なお竹炭パウダーは口元にもつきやすいので、飲んだあとは口元を拭くのを忘れないようにしよう。ちなみに「ラテ・バンブー・チャコール」を注文するのはほとんどが女性で、年齢層は20代後半~40代前半と広めとのこと。

カフェや居酒屋など男性が行きやすい店でも提供されているチャコールフード。見かけたらぜひ試してみてはいかがだろうか。