次々に新しい料理や食材などが登場するとあって、『食のトレンド』は刻一刻と移り変わっていく。しかし、クライアントや職場の同僚と「あれ食べた?」という話になることはよくある。そんなときに「……聞いたこともない」というのは、かなりマズい。この連載では、ビジネスマンが知っておけば一目おかれる『グルメの新常識』を毎回紹介していく。第10回は、宴会シーズンにぴったりの「カラオケレストラン」。
「カラオケレストラン」って何?
その名の通り、カラオケもできるレストラン、あるいはカラオケ店で本格レストランの味が堪能できるのが「カラオケレストラン」。カラオケでの食事というと、気軽につまめるピザなどの軽食やスナック類をイメージする人が多いかもしれない。しかし、最近では食材や調理法にこだわり、プロのシェフが腕を振るうグルメなカラオケレストランが人気を呼んでいる。
カラオケレストランなら、防音仕様の個室で周りを気にせず盛り上がることができるので、秘密の話でも気兼ねなく話せる。また、ドレスコードなどを気にせずに本格的な料理が楽しめる。食事をしたら二次会はカラオケ店へ…という宴会でありがちな移動の手間も不要。店探しや予約をする幹事の負担も軽減できるのだ。
「カラオケレストラン」はどこにある?
銀座と六本木で展開している「FIORIA aria blu(フィオーリア アリアブル)」の特徴は、全室異なるテーマでデザインされた個室の数々だ。フィオーリアを運営するキューブコミュニケーションズ営業推進室の広報担当者は「主に女子会や会社の宴会が多く、特に女子会利用はここ数年で一気に増えたという印象です」と話す。非日常感を味わえるラグジュアリーな雰囲気が好評だという。
食事のみの利用で来店する人も多いほど、料理の味も確かなもの。ブランド牛などを使用した旬の食材の料理を楽しめるコースや、会席料理のように一人ずつサーブされる和食のコースなど、接待にも利用できる幅広さがフィオーリアの強みだ。
首都圏や関西圏を中心に展開するカラオケチェーン「パセラ」のアッパーブランド「パセラリゾーツ グランデ 渋谷店」も、料理にこだわるカラオケレストランの代表格だ。同じく渋谷にある系列店のレストラン「The Legian Tokyo(ザ・レギャン・トーキョー)」のシェフが料理を監修し、フォアグラを使ったメニューや専属パティシエ特製のデザートなど、フレンチやアジアンのテイストを盛り込んだ創作料理が味わえる。
総店長の清原将也さんは「女子会、誕生日などのお祝い、会社の集まりでのご利用が特に多いです」と話す。スタッフが部屋をバルーンなどで装飾するお祝いオプション(税込1000円)も好評で、サプライズ演出などで喜ばれているという。
「カラオケレストラン」の本格メニューを食べてみた
「フィオーリア銀座店」で、12月まで提供されている「山形県産米沢牛と三浦産有機野菜の極上ステーキコース」(2時間1名/税別4,800円、3時間1名/税別5,800円)の中から、素材にこだわった2品を食べてみた。
まずは「イタリア産プロシュート・サラミと三浦産有機野菜のグリーンサラダ」。ふんわりと盛られたレタスやブロッコリースプラウトなどの野菜は、神奈川県三浦市の契約農家から仕入れる朝採り有機野菜を使用。シャキシャキとした食感が新鮮な証拠だ。さらに有機栽培のミカンを使用した柑橘ドレッシングをかけると、爽やかな酸味でさっぱりした味わいに。サラミや生ハムはほのかな塩気が効いていて、ついお酒が進んでしまいそう!
続いて、「山形県産 米沢牛のステーキ グレービーソース」。繊細な肉質で知られる米沢牛の赤身肉を、表面はこんがり、中はジューシーなミディアムレアの状態で提供している。やわらかく舌ざわりのいいステーキは、噛むほどに肉の旨味がじゅわっと溢れ出す。牛肉・鶏肉のフォン(だし)を煮詰めたグレービーソースはほのかな甘みを感じる濃厚な味わい。米沢牛の上品な脂の旨味・甘みをさらに引き出してくれる絶品のソースで、満足感の高い一皿だ。
こちらのコースは12月までの提供となり、2019年1月からは新たに食材にこだわったコースが数種類スタートする予定。そのうちの一つ「ショコラコース」(3時間1名6,200円・税別)は、パティシエの辻口博啓氏が監修を務める。コース内のすべての料理にショコラが使われており、期待が高まる内容だ。
普通の飲み会じゃもの足りないという人も、幹事を任されて店選びに迷っているという人も、楽しく歌いながら絶品料理を堪能できるカラオケレストランを利用してみては。