成行、指値という注文方法の基礎を学んださとしとまゆみは、いよいよ株を購入してみることに。今回は、イートレード証券の実際の画面を利用して注文の出し方を説明します。また、注文出す直前に必ず確認しておきたいポイントや注文を出した後にチェックしておきたい画面などについても知っておくと便利です。
主な登場人物
舞込さとし(32歳)・まゆみ(28歳) 結婚3年目に突入した舞込夫婦。そろそろ子どもも欲しいけれど、お金もかかるし面倒か……と、ついつい会社以外ではぐうたらと過ごしてしまう2人。 |
マイカブ君(年齢不詳) 舞込夫婦のパソコンから突如として現れたネット株の妖精(?)。ネット株の便利さを伝えるために奔走しているが、お化けと間違えられる日々。 |
※この物語はフィクションであり、実在の人物、団体とは関係がありません。
実際に株を購入する手順もしっかり覚えよう!
なんとか注文方法の使い分け方も把握したさとしとまゆみは、ようやく株を買ってみることに! とはいえやはり、初めての注文は緊張するものらしく、思うように進めることのできない。2人は、マイカブ君に一緒に注文を出してくれるように頼むが……?
さとし、いよいよ株を買うわよ~!
う、うん!! って……まゆみ、まだ入金ができてないよ~?
あ~そっか。えっと……とりあえずいくら入れればいいんだっけ?
現在の株価が900円で単元が100株なら、9万円になるのかな~?
コラコラ! また勝手なこと言って~!
ちょうどいいところにマイカブ君! でも、9万円じゃなんでダメなの?
まったくもぅ。買い注文を出す時には、口座に購入に必要なお金と手数料に相当する金額を入れておく必要があるのは、わかるよね?
うんうん。でも、手数料はそれほどかからないハズだから~、10万円入れておけばいいってことかな?
う~ん、もう少し細かく説明するとね。イー・トレード証券で現在値が9万円の株を指値注文で買う場合、もし前日の終値が8万円だったとしたら、前日の終値から制限値幅の上限を計算してみると10万円になるカブ。手数料は約定代金が10万円以下の場合なら、イー・トレード証券のスタンダードプランなら200円、アクティブプランなら0円になるから、10万200円は買い付け余力として口座に入金しておいたほうが安全だってことなんだ。
その「制限値幅」ってなんなのかしら?
いい質問だね。そもそも指値注文は、値段を指定できる注文ではあるけど、どんな値段でもいいわけじゃないんだ。
う~ん、というと?
株を買うときには、下の表のように「呼値」と呼ばれる1株あたりの売買金額(単位)が決められているんだ。さらに、1日の間に大幅な株価の上下がないように、「制限値幅」も決められている。だから、その制限を超えた指値注文はだせないようになっているカブ。
なるほど~! ってことは、9万円の株なら10万円を超える指値注文は出せないってことなのね?
大正解~!
よし。フンパツして15万円入金したわよ~!
これで準備万端だね!
ログインして、買い付け余力に入金した金額が反映されたら、早速買ってみようか?
まかせて~! って、マイカブ君どうすればいいかしら~?
まったくもぅ。じゃ、手順を説明するからやってみてね?
頑張れまゆみ~!!
注文入力画面が表示されたら株数や価格、期間、預り区分などの項目を入力して、取引パスワードに任意のパスワードを入力。「注文確認画面へ」をクリックしよう |
最後に注文内容が表示されたら、間違いがないかを確認して「注文発注」をクリックすれば終了だね! |
最後に注文内容が表示されたら、間違いがないかを確認して「注文発注」をクリックすれば終了だね!
きゃ~!! できた!
さすが、まゆみ~!
お~い! 注文は終わりだけど、これで全部じゃないんだって!!
え~!? なんでよ?
注文は、約定してはじめて取引が成立したことになるんだよ!
約定……?
マイカブ君の言う通り、注文発注ボタンを押しても作業は終了ではありません。オンライントレードの場合、インターネット経由で証券会社にデータを送信するため、なんらかの理由で注文が送信されていない場合もあるのです。また、取引時間外や指値注文の場合などには「発注状況」が「注文中」と表示され、取引が成立していない場合もあります。「注文中」は注文を出している状態ではありますが、取引が成立したことを表す「約定」ではありませんので、注意しましょう。ですから、注文を出したら、必ず注文照会をするクセをつけましょう。また、証券会社によって手順が異なる場合もありますので、各社のホームページなどで最新情報を確認しておくといいでしょう。
なんだ~取引が成立してるわけじゃないのね~?
もちろんすぐに約定できる場合もあるけど、注文内容を照会するのは大切なんだカブ!
よぉし! 約定するまで見届けるぞ~!
さとし~! 約定したら教えてね~!
えぇ~!? また~!?
予告
ようやく株を購入できた2人は、どんどん株に興味がでてきた様子。次回はスクリーニング機能にも登場する覚えておきたい株用語について、マイカブ君が解説!
※「株式用語の基礎知識」では、株式投資に関する疑問や質問などを随時募集しています。こちらから気軽にお送りください。
イラスト : 岩井勝之