株の信用取引を利用して、よりアクティブな投資を楽しもう!(その1)

まゆみ、なんだか最近は冴えないニュースばっかりで嫌になっちゃうね。

本当よね! 株価が下がって買いやすくなっているとはいえ、投資に対する不安は加速しているし……。

こんな時だからこそ、じっくり慎重に様子見たほうがいいのかなぁ?

なに言っているのよ! こんな時だからこそ積極的に投資しなきゃ!!

な、なんかすごいやる気だね?

だって～、投資できる資金は制限されているんだから、安い時に優良銘柄をチェックしなきゃ!!

確かにそうだよね。よぉし、頑張ろう!

2人とも、だんだん投資家らしい顔になってきたカブ。

マイカブ君ものんきなこと言ってないで、ちゃんと指導してよね!!

まゆみ、落ち着いて!

はーい。で、マイカブ君、今日はどうしたの?

うん。今日は頑張っている2人に新しい取引方法について教えてあげようと思ってきたんだよ!

新しい取引方法……?

なになに? 最近できた取引方法なの?

残念ながら、前からある取引方法なのだけど、ある程度経験を積まないとちょっと難しいから、今まで内緒にしていたんだよね。

なによそれ～!! 信用されていなかったってこと!?

ちがうよ～! その取引方法は、証券会社から投資に必要な資金を借りて株を売買するものだから、申し込み時にはある程度の経験や資金が必要になるし、株の知識も重要なんだ。

マイカブ君、それ詳しく教えて!

もちろん! そもそも株の取引には「現物取引」と「信用取引」とがあるカブ。現物取引は、いままで2人がやっていたような資産内での株の売買だけど、信用取引は「委託保証金」と呼ばれる担保を預けることで、証券会社から売買に必要な資金や株券を借りて、売買をする取引のことなんだ。

それって、証券会社に借金をするってこと?

簡単に言うとそうだね。だから利用制限や返済期限など、細かく条件が決められているんだよ。

なるほど……。だから、ある程度の知識や経験も必要になるってことだね?

その通り! 初心者がむやみに手を出すのは危険だし、証券会社側もしっかり調べてからでないと口座を作らせてくれない仕組みになっているよ!

それなら仕方ないわよねぇ。

あと、これは証券会社によって取り扱いが異なるのだけど、信用取引は2種類あるカブ。

どんな違いがあるの?

まずは「一般信用取引」。これは、金利や品貸料、返済期限などを投資家と証券会社の間で自由に決めることのできる信用取引なんだ。決済までの期間を無期限にできたり、上場初日から取引できたりするなどのメリットがあるけど、金利が高めで、証券会社によって条件も異なるから、あらかじめ調べておく必要があるよ。残るは「制度信用取引」だね。これは、証券取引所、日本証券業協会の規則によって決済期限や品貸料の金額が一律に決められている信用取引のことなんだ。取引可能な銘柄（制度信用銘柄）が決まっていて、決済の期限も売買成立から6カ月と決められているから、期限内に必ず決済をしなければならないカブ。

どちらを選ぶとおトクとかってあるのかな?

その判断はちょっと難しいかな。証券会社によって条件が異なるという理由もあるけど、それぞれにメリット・デメリットがあるから、自分の投資スタンスに合わせて選ぶのが一番だよ!

なんだか不安かも……。信用取引のメリットについても詳しく知りたいわ!

うん、メリットも重要だよね。まずは「レバレッジ効果」かな。このレバレッジというのは「てこの原理」のことで、てこを使うことで何倍もの力でものを動かすことができるカブ。それと同様に、証券会社に委託保証金を預けることで、通常の約3倍の資金で取引できるようになるんだ。

3倍ってことは……、50万円あれば、約150万円の取引が可能になるってこと!?

そう! つまり、買った株で儲けられれば、利益も約3倍にできるってことなんだよ。

すごーい!! 3倍の利益かぁ……。

もちろんそうなるよね。だから、過度な取引は禁物カブ。

はーい、気を付けます。

というわけで、今回はここまで!!

え～!! このほかにもメリットがあるんでしょう?

うん、次回はメリットのほかに、信用取引の注意点についても説明するからね!

注意点……?

金融商品には、メリットとデメリットがつきもの。リスクを把握しておくことが大事でしょ?

はい! よろしくお願いします。

復習しておきまーす。