外科医であり、母であり、漫画家でもあるさーたりさんが、ドクターとしての日常を描きながら健康に役立つ情報などをお届けする4コマ漫画連載「オペ室より愛をこめて」。今回は焼き肉と外科医にまつわるお話です。
電気メスを使うと焼き肉のにおいが……
私は胃腸などの消化器専門の外科医なのですが、よく「手術の後って焼き肉なんて食べる気おきないでしょ? 」と聞かれます。ですが、むしろ逆です! 食べたいです!
前回ご紹介したように、夜遅くに仕事が終わると居酒屋か焼き肉屋しか選択肢がないことが多く、なんとなく「仕事後は焼き肉」という流れになっていることも食べたい理由の一つではあります。
他に理由を挙げるならば、体力を使う手術の後はがっつりと食べたいですし、「手術中に使う電気メスで患者を切開する際、焼き肉屋でかぐようなにおいがするので食べたくなる」ということもあります。不謹慎と思われるかもしれませんが、一種の"生理現象"みたいなものでしょうか?
そして焼き肉屋に行くと、今回のお話のような会話が一度は繰り広げられます。もつ鍋屋でもそうですね。腸管を食べる気になるかどうかは、医師によって意見の分かれるところです。
「グリソン」は肝臓の中の肝動脈・門脈・胆管の集まっているところです。レバーをよく見るとわかります。ちなみに、「肝臓はキレイなの! 」と言っていますが、「便の通り道ではない」というだけで寄生虫などがいるため、十分に加熱してくださいね。
医師や看護師は慣れていても、おいしく焼き肉をつついている最中にこんな会話が隣のテーブルから聞こえてきたら嫌ですよね……反省。
筆者プロフィール: さーたり
某大学病院勤務の消化器外科医。2児の母の生活、外科医の日常、漫画・アニメへの溢れる愛を描き散らしたブログ「腐女医が行く!!~外科医でママで、こっそりオタク~」を絶賛随時更新中。