外科医であり、母であり、漫画家でもあるさーたりさんが、ドクターとしての日常を描きながら健康に役立つ情報などをお届けする4コマ漫画連載「オペ室より愛をこめて」。今回は医師の仕事納めにまつわるお話です。
年末年始に起きる病院内でのドラマ
お久しぶりの連載になります。先日3人目となる長男を出産して少しお休みをいただき、3児の母としてバタバタと忙しい毎日を送っております。
さていよいよ年の瀬ですが、年内最後の仕事を一般に「仕事納め」と呼びますよね? 外科などの手術をする科では、仕事納めとは別に年内最後の手術を「メス納め」と呼んでいます。基本は予定された手術の日をもって「メス納め」ですが、上の漫画のように年越しで緊急手術をすると「メス納め」と「メス始め」を一度に済ませてしまうことになります。
麻酔科も、年内最後の手術日を「ガス納め」の日として決めてはいますが、その日で年内最後になることはほとんどなく、年末年始もどこかの科から緊急手術の申し込みがあります……。
科によっては患者さんを少しでも早く手術しようと、年末年始を使って「緊急手術を装った予定手術」を毎日のように入れてくるので、年末が近くなると麻酔科の医者が各科の医者に「隠し玉(麻酔科に内緒で年末に手術予定を組んでいる人)はいないか? 」と探りを入れてくるのも、手術室の年末の風物詩です。
ところで「メス納め」「ガス納め」「カテ納め」のほかに面白い呼び方をしている科がないかと探しているのですが、私の知っているものはこの3つだけです。病理の「プレパラート納め」、放射線科の「透視納め」なんてあってもいいと思うのですが……。他にご存じの方がいらしたらぜひ教えてください! そして皆さん、よいお年を!!
筆者プロフィール: さーたり
某大学病院勤務の消化器外科医。3児の母の生活、外科医の日常、漫画・アニメへの溢れる愛を描き散らしたブログ「腐女医が行く!!~外科医でママで、こっそりオタク~」を絶賛随時更新中。2016年5月にコミックエッセイ「腐女医の医者道! 」をKADOKAWAより上梓。また、Twitterもしており、アカウントは「@gogofujoy」。