前回に続き、モンテッソーリ教育をベースにした活動を行っている東京都港区「クランテテ三田」を紹介する。

速読講座から野菜栽培まで幅広いメニューを用意

学童保育としては珍しい取り組みと言えるのが、集中力や思考力のアップに役立つ「速読講座」だ。脳科学に基づいたソフトを使用した速読トレーニングをオプション(有料)で受講できる。パソコンに向かって速読すると何秒で何文字読んだかが瞬時にわかり、アドバイスを受けながら練習を重ねる。速読だけを受講しに通ってきている子もいるという。実際に成果も出ていて、週1回30分を1年10カ月続けた子が、平成26年度の速読力検定で全国の成績優秀者に選ばれたそうだ。

標準的な教科書も常備していて、宿題や家庭学習サポートに使用できる

パソコンで行うオプションの「速読講座」

さらに、中学受験、付属中学への内部受験にも対応できる「クランテテ・アカデミー」という塾機能のコースを設け、完全オーダーメード型の個別指導もオプション(有料)で可能だ。机上の勉強に加えて、農園に2週間に1回ほど通って野菜も育てている。また、教室の窓際では大豆やさやえんどうなどのプランター栽培を実施。どのような豆が育つか推測し、豆そのものとさやの特徴を比べたりしてディスカッションしながら育てているそうだ。

大豆や小豆、さやえんどうなどの豆を育てている

ネイティブの英語講師が常駐

同施設は、近隣の区立小6校に加えて、私立小2校の子どもが在籍するため、宿題の内容や量もさまざまだ。しかしその点は、塾の元指導者や市進グループの講師研修を卒業した大学生が、苦手な部分や進行状況までしっかりと管理している。保護者からは、「どこができていないかを細かくみてくださるので実際に成績も向上しました」といった声があがっているという。

学研の知育教材「ワールドアイ」。地球儀の形をしたドーム型の画面に様々な映像が流れる

英語の授業が始まると、子どもたちはとても楽しそう! ネイティブ講師は、英語のレッスンに限らず、フルタイム勤務のスタッフとして普段から子どもたちと英語でコミュニケーションをとっている。個々の英語の習熟度にあわせた内容になっていて、読み書きだけでなく、聞く、話すことも重視。日常生活でよく使う言葉を中心にカードを見せて繰り返し体験させていた。

ジョン先生とのレッスン。陰山英男氏監修の小学校英語に特化したテキストを使用

楽しみながら、実際に見て、触って、体験を通して学習習慣を身に着けていくスタイルは、モンテッソーリ教育がベースにあるからだろう。安全、安心な学童施設がもはや当たり前になりつつある中で、学童と教育は今後ますます密接な関係になっていくのかもしれない。

左から、「クランテテ三田」を運営する株式会社GIビレッジ 経営戦略室 西村文孝室長、秋谷俊之代表取締役社長、温井伸明校長、岩崎賢二キッズサポーター