自分のFX会社をCheck!!
FXのレバレッジ規制がいよいよ8月1日からスタートし、レバレッジは最大50倍に制限されるようになった。投資家全体からすれば、ハイレバレッジ派は主流ではないと見られているようだが、こういったハイレバレッジ派(特にスキャルピングなどの)による取引量の減少が、FX会社の利益に影響を与えるのではないかといった懸念がされている。
レバレッジは来年8月からは25倍に引き下げられることなっている。現段階では、FX会社へのレバレッジ規制の影響ははっきりとしないが、今後25倍になった際の影響は出てくるかもしれない。そうなると、FX会社の倒産や撤退につながってくる可能性もあるので、自分の利用しているFX会社の経営状態(健全性)についていっそうの注意を払うべきだと思われる。
為替のニュースサイト「FOREX PRESS」には、FX 会社や規制に関するニュースが常時アップデートされている他、「取引会社メニュー」には、各FX社の自己資本比率、口座数・預かり推移、処分・勧告まとめ、検査状況MAPなどが詳しく掲載されているのでご参考にされたい。
FX会社が倒産した場合、預けていた資金が戻ってくるかどうかという点において、どういった「信託保全」がなされているかどうかも、確認すべき重要なポイントだ。
取引所FXである「くりっく365」や「大証FX」に預けた証拠金は、取引所に預託され保護されることになっている。倒産リスクという点で、取引所FXは比較的そのリスクは少ないとみてよいと思う。
複数口座でリスク分散
さて、皆さんはFX口座をいくつお持ちになっていらっしゃるのだろうか?1社だけか、それとも複数の口座を保有なのか。私の場合、口座開設しているはFXは4社。その中でメインが1社、サブが2社。そして残りの1社は、1,000通貨からトレードできる会社だが、口座を開設しただけで、まだ資金は入れていない。
FXをする場合、複数の会社に口座開設をするのが一般的のようである。どうしてかというと、まず第一に、1社だけにすべての資金を集中させてしまって、もし、その会社が倒産してしまったら、資金が戻ってこなかった場合のリスクがあるからだ。為替変動リスクの前に、取引会社のリスクを想定しないといけないのである。
他にも複数の会社で口座を開設するメリットはある。例えば、相場が荒れたときや大きく動いたときに起こりやすいシステム障害。重要な経済指標発表時などに、相場の変動が大きいと、大きく儲けるチャンス!とばかりだれでも同じ発想をするので、アクセスが集中して、ログインできないという事態に陥ることがある。
何よりもログインできないということほど、イラつくことはない。また、こんなときは往々にして電話もつながりづらい場合が多い。しかし、1社でログインできなくても、複数のFX会社を利用していれば、このトラブルに対処することができる。
スプレッドに関しても、相場が激しく変動するときに、スプレッドが大きく開くケースが多い。スプレッドの点においても、ある会社では大きく開いても、他の会社がそうなるとは限らない。また、スプレッド固定を行っているところもある。
FX会社には、それぞれに特徴があるが、自分に適した会社を選ぶうえで、自分のトレーディング・スタイル(短期か長期かなど)を基本にして、以下の主要なポイントは押さえておきたい:
・約定能力
・スプレッドコスト
・システムの安定性および操作性
・情報量
また、時代の流れは、FXにも新しい流れをもたらしていて、最近では、スマートフォーンの普及で、モバイル・ツールにも力を入れる会社が増えてきた。「携帯」や「iPhone」専用のトレード・ツール(FXアプリ)などがあると、いつでもどこでもトレードが可能になる。
投資家としての選択眼を養う
私の場合は、スキャルピングをするわけではないので、スプレッドなどには重点をおいていない。それゆえに、メイン会社は、会社の健全性、取引ツールの使いやすさ、画面の見やすさに重点をおいて利用している。
トレード画面は、ビジュアル的な部分が大きいので、わかりやすかったり、なんだか相性がよさそうだな、などの直感性も大事だと思う。
メイン会社は、最も最初に口座開設した会社で、この会社のシステムに刷り込まれてしまった感も無きにしも非ずだが、最初に選んだ会社を基準(モノサシ)にして、突出した特長のある会社で、足りない要素を補っていくようにする。なぜかというと、パーフェクトなFX会社は存在しないからである。私はこうして、サブ会社を、情報量やチャートの使いやすさに重きを置いて選択した。
なるべく快適なトレード環境を整えるためには、それぞれのFX会社の特長を取り入れて自分に適切なFX会社を選び、倒産リスクに対するヘッジを行う目的も含めて、複数のFX会社を利用することを考慮されたい。
レバレッジ規制がスタートしたことによって、FX会社が生き残りをかけるべく、創意工夫を重ねて、より良いサービスの向上に尽力するようになってくれるのであれば、私たち投資家にとってもFXがもっとやりやすく、より魅力的なものになってくると思われる。
そして、私たち投資家も、選択眼をもっと養う必要性があるということを今回のレバレッジ規制第一弾が示唆してくれているのではないだろうか。
執筆者紹介 : 香澄ケイト氏
主な略歴 : 為替ジャーナリスト
米国カリフォルニア州の大学に留学後、バヌアツ、バーレーン、ロンドンでの仕事を経て、帰国。外資系証券会社で日本株 / アジア株の金融法人向け営業、英国系投資顧問会社でオルタナティブ投資の金融法人向けマーケティングに従事する。退職後、株の世界から一転してFXに関する活動を開始し、為替情報サイト、マネー雑誌などの執筆、ラジオ番組への出演およびセミナー等の講師を努める。著書に『あなたのお金を10倍にする外貨投資術』(フォレスト出版)、『今すぐ始めるFX5人の投資家が明かす勝利のルール』(すばる舎)がある。