一番長く使用されている流行語?

バブルお好きですか? バブルの最中は好きだけど、バブルが弾けるのはイヤ? そうですよね、でもシャボン玉はいつか弾けるもの。日本にもバブルはいくつか発生したが、やはりなんと言っても代表的なのは1980年代の「バブル景気」。「バブル景気」の後で「バブル崩壊」したのは1991年ごろのことだ。

この「バブル景気(もしくは経済)」という言葉は、1990年の流行語大賞の流行語部門銀賞を受賞しているが、受賞該当者はいない。誰が最初に使って、流行らせたのかは分からないらしいが、これだけ長く使用されている流行語は他にないような気がする。皆がバブルだな、バブルというものはいつか破裂するのだな、それはいつなんだろうな、と感じながら毎日を過ごしていたその時が過熱期だった、と後になれば確信できる。ポイントはバブル崩壊のタイミングを当てられるかどうかだ。

相場に「過ぎたるは及ばざるが如し」はない

最近が弾けたものといえば、言うまでもなく米国発のバブル崩壊である「金融危機」だ。大きく張れば儲かるレバレッジ取引が世界中を席巻していた、投資銀行もヘッジファンドもそして円キャリーを行っていた個人投資家も熱狂していた。しかし、2007年あたりから行き過ぎてない? と疑問が投じられるようになり始めていた。その頃から円安に関するいろいろなニュースや記事も出始め、昨年6月半ばくらいには行き過ぎた円安の転機近いというような内容の記事が一層増えていた。

相場には「過ぎたるは及ばざるが如し」という言葉はワークしない。過熱してくると行き過ぎる傾向にあって、行き過ぎては戻り、戻っては行き過ぎるということを繰り返している。サブプライム以降、ドル円が一気に90円台をブレイクした時、60円とかコメントする人も出始め、かなり総悲観状態になっていた。これも行き過ぎの水準に達していたのだろう、だから相場は意外にメルトダウンしないで、戻って行った。

群集心理に流されない

相場が行き過ぎかどうかを判断するきっかけは案外自分の身の回りに転がっているのかもしれない。例えば昨年、原油が140ドル台に入った時に、色々な国で原油が高過ぎるというデモが勃発していた。こういう風にかつてない事象で私たちの日常生活に不具合が出てくることに違和感を覚えた人もいると思う。何かのシグナルを前兆や予兆として捉えられて、行動できるかどうかでマーケットの対応も違ってくる。

また、相場が盛り上がってくると、マネー雑誌やメディアなどに、いくら儲けたとかと資産を何倍にしたなどということが頻繁に取り上げられようになる。こういうこともインディケーターだと思えばよい。こういった群集心理に流されると、相場のピークをつかんでしまう可能性があり投資は良い結果を生まない場合がある。アメリカの著名投資家、ジョン・テンプルトンの言葉「相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中で育ち、楽観と共に成熟し、幸福感の中で消えていく」は投資家心理の変化とマーケットの動きを一言で見事に表している。

確実な直観力を鍛える方法は見当たらないにしても、繰り返し相場を経験しているうちに、なんだかおかしいと思ったり迷いが生じたりする時が分かってくるのではないだろうか。少なくとも迷った時は止める。そうすれば仮に儲けられるチャンスは逸したとても、損することもない。

売りから入れば破裂も怖くない?

バブルの崩壊は皆が皆損するわけではない。バブルにおいて大きな損失を被った人がいるということは必ず大儲けした人がいるということになる。昨年のサブプライムショックの時だってそうだ。売り(ショート)ができなかった人は損をしている。(「売買」と言う字は売りが先に来るくらいだから、難しいかもしれないし、それだけ売りが重要なことなのかもしれない。)この時に売りの重要性というか売りもやらなきゃいけないと痛感した人は多いと思うので、ここで売りのコツをまとめてみた :

売り(ショート)から入るコツ :

売りに対する精神的バリヤーを排除する

売りも買いもやれるのがFXのメリットなので活かさない手はない。持ってないものを売るという感覚が摑みにくいのであれば、為替は売りも買いも同等と考えること。

コスト(スワップ)が掛かるから売りたくない

各国利下げをしているので、スワップを以前のように意識しなくてよいかもしれないが、「売り」はデイトレードでやればコストは掛からない。

売りの方が利が速い

スワップの支払いがあるので下げが速い。ゆえに買いよりも速攻で利益が出やすいということがある。

基本が買い(ロング)なら、デイトレードで売り

A社でロング、 B社でショートでデイトレ、でヘッジも出来る。

高値感やオシレーター系(売られすぎ買われ過ぎを判断する)などのテクニカルの指標で判断する

売りができれば、逆に言えば、バブル(崩壊)ほど短期に大きな利益を上げられるチャンスはないということになる。今度バブルが来た時は、売りも駆使して大きな利益を得ることができるかもしれない。

執筆者紹介 : 香澄ケイト氏

主な略歴 : 為替ジャーナリスト
米国カリフォルニア州の大学に留学後、バヌアツ、バーレーン、ロンドンでの仕事を経て、帰国。外資系証券会社で日本株 / アジア株の金融法人向け営業、英国系投資顧問会社でオルタナティブ投資の金融法人向けマーケティングに従事する。退職後、株の世界から一転してFXに関する活動を開始し、為替情報サイト、マネー雑誌などの執筆、ラジオ番組への出演およびセミナー等の講師を努める。著書に『あなたのお金を10倍にする外貨投資術』(フォレスト出版)、『今すぐ始めるFX5人の投資家が明かす勝利のルール』(すばる舎)がある。